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2005年3月24日
ALESSANDRO MUSIC SERIES ONE(MS-1)

一部では有名なGRADOのOEMヘッドホンである。GRADOのヘッドホンでどれに相当するのかということがずいぶん話題になるのだが、イヤーパッドの形状が異なるので単純な比較はできないだろう。私がGRADO純正のヘッドホンを持っていれば、パッドを付け替えて確認ということもできるのだろうが、そこまでお金持ちではないので9千円程度(その後、値上げされ今では1万3千円程度)のMS-1を買った次第だ。強いて、試聴レベルのまったく不確かな記憶をたどって比較すると、SR-60よりは解像度は上のような気がするが、SR-225ほど綺麗に高音が抜けないような気がする。そうなると80か125となるのだろうか。しかし、むしろ別物と考えてしまうのはどうだろう。その方がスッキリすると思うのだが。
試聴するまで、ロック向きと言われていたのでGRADOには荒馬のようなイメージがあった。「必要最小限」といった無骨な外見とケーブルの太さも、それを助長していた。しかし、225を聴いてみたところ意外なまでにスッキリと綺麗に抜けていく音が心地よかった。「楽しく聴ける味付け」といわれるのが良くわかった気がした。原音再生ではないだろうが、気持ちの良い音だった。装着感は良くなかったけれども。
MS-1は確かにGRADOの特徴を備えているようだ。音が近く、開放型なのに低音が力強く、それでいて音の抜けが良いのでスッキリしている。音が近いというのは普通は欠点になるのだけれど、ここではそれが利点で、アーティストの近くにいるような雰囲気がする。きっと音が近いヘッドホンにありがちな篭もりがなく、スピードのある音楽でももたつくことがないのが、それを利点に変えているのだろう。よく聴けば、それなりに細かい音も拾ってくれているのだが、それ以上に全体のノリの良さに耳が行ってしまう。なので触れ込みのモニター用途にはまったく向いていない。
得意な音はギター、特にアコースティックなギター類。また、ボーカルも前面に出てくる感じで、聴いていると一緒に歌いたくなってしまったりする。シンプルなジャズや、ちょっと古めのロックには良く合う。クラシックギターの早弾き(つまり足立兄弟だ)などには最高に似合うといえる。これは、出てくる音自体に温かみがあることが大きく影響しているように思う。だから、冷たい感触の曲、例えばゴブリンの「サスペリア」を聴いたりすると何か別のものに聞こえてしまったりする。また、音の近さの影響でフルオーケストラの壮大な曲もあわない。
イヤーカップ背面は、見た目の通り、まったく筒抜けと言って良い状態である。構造上、発音部をくるくる回すことができるのだが、左右の背面側を耳に向けてもヘッドホンとして成り立ちそうなほど音が漏れる。通常利用時に、この背面を遮ってしまうと、音のふくらみが消えて、耳障りな音になってしまう。試聴時、落ちそうな気がして手を添えてしまうことがよくあるが、GRADOのヘッドホンに関しては、他の開放型以上に影響を受けやすいようなので、気をつけたほうだ良いだろう。前情報では、ミニプラグで変換コネクタがついてくるとなっていたのだが、実際届いたものは標準プラグのみのものとなっている。よく箱を見ると封をしているシールに「□MINI PLUG」という印刷がある。ミニプラグの場合、この□が塗りつぶされるようだ。つまり、2つの仕様があるのだ。私の場合は、アンプ経由で聴いているので問題なかったが、ポータブル機での再生を考えている人は注意すべきだろう。
MS-1はAKG K501以上にジャンルを選ぶヘッドホンだといえるかもしれない。正規代理店の定価2万6千円は高すぎると思うが、好みが絶妙にはまれば1万4千円でも、コストパフォーマンスの良いヘッドホンだろう。最大の欠点は、聴いているとGRADO純正の中級クラス以上のヘッドホンが欲しくなってきてしまうということだろうか。
投稿者 黒川鍵司 : 2005年3月24日 00:05
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コメント
この評価って私が感じるRS1の印象と全く同じですね。
完全に同じベクトル上にあるんだな、きっと。
投稿者 ゴーヤ : 2005年3月30日 01:08
ゴーヤさんのヘッドホンナビのレビューを今読み直しました。確かに「抜けの良さ」「古めのロックがあう」「ギターと相性がよい」といったところが共通してますね。参考にさせていただいたわけではないのですが......。
これはヘッドホンの目指す方向が似ているってことの証明になるのでしょうか。まともに試聴したことがあるのはSR-80と225だけなんですが、細かな違いはあれど、方向性は似通っているなぁとは思っています。
でも、ゴーヤさんと私では環境も耳も格段に違うからなぁ......。
MS-1と私の手持ちのほかのヘッドホンを比べると、音の高低のバランス、広がり方ではAKG K501と対照的、音のふくらみ、寒暖ではHFI-500DJ1と対照的です。まさにユニークですね。GRADOサウンドの一端に触れた気がします。
投稿者 黒川鍵司 : 2005年3月30日 13:26
耳の差なんて無いですよ。
私が感じる印象というのは、あの時書いた評価とは少し違っていて、ダイナで聴いたCain+GRADOも考慮したモノです。黒川さんのレビューだと私が以前書いた評価と違って「きつい」という様な言葉は出てきませんよね。そこが902とCainの違いですよ。
作り手はこれがベストだと思って作る音の、バリエーションに富んでいること。音(音楽)ってつくづく感覚的、個人的なモノだと思います。
投稿者 ゴーヤ : 2005年3月30日 22:42
MS-1はHD51とつなぐと低インピーダンスの影響もあるのでしょうが、なにか雑味のようなものと、機械っぽさとでも言うようなものが感じられます。石のスッキリさよりも、真空管の厚みがあうヘッドホンなんでしょうね。
最近、ヘッドホンの試聴をすると、そこでかかっている曲ではなくて「こういう傾向だったらあの曲が似合いそうだなぁ」と思うようになりました。以前は「万能のヘッドホンを!」と思っていたのですが、いろいろ聴くうちに多少は作り手ごとのバリエーションを楽しめるようになったのでしょうか。
次なるバリエーションとしては、ゴーヤさんの影響もあって、ベイヤーのDT-770を狙っています。でも、今月は買いすぎなので我慢。ダイナさんの会員カードが届いたら購入を考えよう。発行まで時間かかるみたいだし、きっとその頃ならと自分をなんとか納得させました。
そして、家に帰るとカードが届いてました。
神さま、なんて仕打ちですか......。
投稿者 黒川鍵司 : 2005年3月30日 23:29
それがあなたの生きる道・・・(笑)
破産しない程度に、のめりこんで下さい。
投稿者 ゴーヤ : 2005年3月31日 00:32
ベイヤーを来月買うつもりだったのですが、変なつてでKOSSのA/250とポータプロが格安で手に入ることになりました。A/250に関しては、ネット上にほとんどレビューがないので、まともに書いてみようと思います。
投稿者 黒川鍵司 : 2005年3月31日 21:12
ああ、変換プラグは付属していないのですね…。私のMS-1はあぽろん経由でミニジャック仕様です。ポータブル機に直接繋げられるので、散歩用に重宝してます。
1.4万円でもC/Pは十分だと思います。「音楽を楽しく聴くことの出来るヘッドホン」として、私の所有する他の機種には無い魅力を持っています。
投稿者 T. : 2005年4月 3日 00:55
サウンドハウスさんで購入したわけですが、何も注意書きがありませんでした。上記のとおり、私はよかったんですけども、ポータブルで鳴らすつもりだった人は困ってしまったんじゃないかと思います。
以前の値段なら変換ケーブルを買っても安いと思えるんですが、今の値段だとちょっとなぁ。サウンドハウスさんには注意書きを添えて欲しいと思います。
投稿者 黒川鍵司 : 2005年4月 3日 16:32

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