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2005年5月13日
SENNHEISER HD25-1

ポータブル向けでロック中心なら最強といわれることの多いヘッドホンである。価格でもかなり他を引き離している。標準価格は42000円、実売価格は2万円前半から3万円前半で、電車内で利用されるだろう機種で、これよりも高価なのは実売価格40000円程度ののBOSE QuietComfort2(海外のサイトではridiculous priceと評されている)と実売価格45000円前後のSHURE E5cくらいしかない。
率直な感想として見た目に、そのような高価なヘッドホンにはまったく見えない。まったく飾り気のなく、奇のてらいのない実用主義。この価格帯にもかかわらず金メッキされていないジャック、多少不思議に見えるケーブル位置はあくまで実作業を考えた配置、各ケーブル、パッドなどはユーザ自身で交換可能、外れにくくなるよう側圧は強く、頭部で安定するようアームの部分が二つに割れ、また長時間の片耳利用が可能なようにイヤーカップごと跳ね上げることもできる。遮音性はかなり高く、電池などを利用しないもので、これ以上の遮音性を求めるのならカナル式(耳栓型)の類、オーバーヘッドならKOSSのQZ99を選ぶことになるだろう。これらすべての特徴は屋外でのモニター作業を円滑に進めるという目的に収斂する。
つまり、もともとポータブルCDプレーヤーやiPodなどでの利用を想定したものではない。だから、電池の寿命を伸ばすために能率が極端に良いわけでも、収納しやすくするために折りたたむことができるわけでもなく、つけた姿がさまになるようなデザインでもなく、高級感もない。GRADO系と並ぶ無骨さ、男くささが感じられるヘッドホンである。
音の方だが、さすがモニターを目的にしているだけある。分離感がよくボーカルのハモリをきれいに聞き分けることができるし、ごく短いパッセージの同じ音程の発信音が連続してもつながってしまうことなく、それが左右に振られてもきっちり位置が聴き取れる。低音が強調されているのは、恐らく屋外の騒音で消されやすい部分だからであろう。同社製のHD580のような音のたおやかさははなく、硬く、アタック感がつよい。またスケールも狭い。こう書くと、一部のモニター用ヘッドホンの、無味乾燥で聴き疲れする金属的なイメージの音を連想されてしまうだろうか。このヘッドホンにはもう少し暖かみがあり、硬質といっても黒檀のような有機的なものを連想してほしく思う。確かに激しさのあるロックやポップスは似合う。クラシックだとちょっと硬すぎるが、多少攻撃的なストリングスの音などは悪くない。
装着については、側圧の強さのために頭痛を起こす可能性が多分にある。また、メガネをつけたまま使用すると、つるが触れている部分が痛くなる。この側圧の強さは遮音性の高さ、音漏れ防止性の高さを作り出すものなので、まぁ、我慢するしかないだろう。
最後に本当にポータブル最強なのかどうかということだが、総合的な音質、遮音性などでは、かなり高いレベルに達している。無骨で古臭さが感じられる姿も見ようによってはかっこよくも思える。しかし、携帯性はかなり低い。折りたためないし、体積を減らすこともできず、かなりかさばる。そして最大の問題は価格だ。たしかに音の良さは認めるが、PX200やK26Pの3〜6台分の金額を払う価値があるかどうかといわれると首を傾げざるをえない。オーディオは価格帯が上がるにつれ費用対効果が下がるというのは、わかりきっていることだが、それにしても、業務で使うのならともかく、それ以外でこれをポータブルプレーヤーで使用するのは、よっぽどお金が余っている人か、ヘッドホンに並々ならぬこだわりを持っている人だけだろう。というわけで確かに優れたヘッドホンだが、コストパフォーマンスの面から万人に薦められるものではないと考える。
投稿者 黒川鍵司 : 2005年5月13日 15:15
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コメント
う〜ん、いいですね〜
相変わらず読ませてくれますね〜
思わずムズムズ血が騒ぐなぁ〜
ポータブルとしては、演奏家も納得の音質といったところでしょうか
それにしても黒川さんのラインナップには統一感を感じますね
一見脈絡が無いが実用的にかぶってないT.さんのラインナップ
ともまた違う個性を感じます
投稿者 ためごろう : 2005年5月13日 19:25
確かに優秀なヘッドホンです。iPodでつかってみると128と192の圧縮率の差が私でもわかるくらいですから、その実力はたいしたものなのだと思います。これで1万5千円くらいで、見た目がもうちょっとスタイリッシュだったら、なんら躊躇せずお薦めするヘッドホンになるのですけども。
私が選ぶヘッドホンに統一感があるのだとしたら、既にもっているCDに似合うヘッドホンを集めているためだと思います。音楽の趣味が反映してるんでしょう。T.さんは僕よりも音響的な部分にも興味をもたれているのではないでしょうかね。
投稿者 黒川鍵司 : 2005年5月15日 01:38
音響的な部分に興味なんてありません。私の場合は、
→ER-4S 音は良いけど骨伝導が酷くて散歩に使えない
→MS-1 面白い音だけどちょっと籠った感じがする
といった不満点に加え、「ヘッドホンを取り替えるだけで手軽に音を変化させることが出来る」ということに嵌っただけです。
「とりあえず主要なメーカーは押さえてみたい」「自分の用途を全部埋めてしまいたいから、用途が被らないように選ぼう」と思ったために現在のラインナップになりました。
ためごろうさんのように自分の探している音を追い求めたわけでも、
黒川鍵二さんのように自分のCDに似合う物を探している訳でもありません。
「次はこういう用途のものが欲しい」と思ったら、それに合いそうな物を「所有していないメーカーの製品から」探した結果としてこうなっただけです。それ以上の考えなんて何もありません。
投稿者 T. : 2005年5月15日 12:50
音の硬さで好みが分かれるところですが、余裕があったら置いておきたい一本ですね。他の志向性の似たヘッドホンは処分してしまいそうです。
最近は低域は普通に出ていて中〜高域のきれいな音に惹かれています。3日で気分は変わりますが。
それにしてもすごい、凄過ぎるペースですよね。しかも単価が高い・・(@@;)
投稿者 rabbitmoon : 2005年5月15日 13:29
>T.さん
その旺盛な好奇心とチャレンジ精神のおかげで、私はゾネに興味を持ちましたから
HFI-2200ULEでググっても、お店以外はここのT.さんのコメントと、
T.さんのブログだけですよ!(笑)
あのレビューは、ネット上でも大変貴重だということです
>rabbitmoonさん
HD25をお持ちの方は、なんか手放さない気がしますね
お二人とも、飽きたら一言お声をかけてください(笑)
投稿者 ためごろう : 2005年5月15日 14:39
>T.さん
そういう感じを音響的な興味というのではないかと思ったりなんかしちゃったりしてからに。<ヘッドホンを取り替えるだけで手軽に音を変化させることが出来る
メーカー制覇は私も何となく意識にありますね。でも、用途よりも音の傾向重視ですかね。どうも、日本的なモニターヘッドホンの音は好きじゃないみたいです。
>rabbitmoonさん
いやいや、edition7一本分にも満たないですよ。<オーディオ総額
ホームシアターなんてものを趣味にするよりはずっと安上がりですよね、ヘッドホンって。もちろんプレーヤーやアンプにこだわればさらにかかっちゃう訳ですけども。
HD25-1は確かにいいですね。もっと安く手に入ればいいのにと思います。今回はかなり安く手に入ったので個人的には助かった訳ですけども。
>ためごろうさん
私もゾネ購入の動機はT.さんの記事でした。まともなレビューのない中、すごく貴重な記事ですよね。これからもT.さんの記事には期待していきたいところです。
投稿者 黒川鍵司 : 2005年5月15日 16:57
>edition7一本分にも満たないですよ。<オーディオ総額
今年に入ってATH-A700 1本に総額が満たない・・(つ_T)
ようやくまともな(?)開放型をゲット。また買っちゃいました。安いけど(w
投稿者 rabbitmoon : 2005年5月15日 23:48
ヘッドホンに関しては、これくらいで、もう満足という気がしています。用途別にも音の傾向にも、これだけあれば対応できますし、ほかのオーディオ機器もチープですが、僕のレベルではもったいないくらいにいい音出してくれますし。
これからはここでヘッドホンの話題にふれることも少なくなる気がします。常態への復帰を果たしそうな勢いです。
投稿者 黒川鍵司 : 2005年5月16日 11:09

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