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2005年6月 3日

愛聴盤(その5)


 スパイロジャイラ(同名のフュージョンバンドがいるので注意)による英フォークの至宝の一つとされるアルバムである。いまならばトラッドと表現した方がわかりやすい音楽だろうか。

 しかし、ここにはトラッドの土着性よりも、もう少し何か引っかかるものがある。オカルティックというわけでも、宗教的というわけでもないので、リーダーのマーティン・コッカーハムのドロっとした個性みたいなものが出ているのだろう。ちなみに後に彼はハレ・クリシュナ・ムーブメントに加わったそうだ。

 そのコッカーハムを中和しつつ、引き立てているのがバーバラ・ガスキンの声である。端整というわけではなく、高音が延びまくるわけでもないのだが、それゆえの愛らしさのようなものがある。

 コッカーハムが作り出した暗闇に、ガスキンがぼぅっとした明りを灯したという気がする。優しさとか愛情といった単純なものではなく、それでも心地よい何かに包み込まれたいという苛立ちを抱えたときに最適なアルバム。

使用ヘッドホン:ALESSANDRO MUSIC SERIES ONE

投稿者 黒川鍵司 : 2005年6月 3日 15:43

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