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2006年4月 6日

取り留めない考え

 前回のUM1の記事のコメントで書いたことだが「聴きやすい音≠良い音」だと思っている。では、私にとっての良い音とは何か? 結局、好悪の問題なのか?

 スピーカーで言えば、JBLの大口径のウーハーを持ったスピーカーの音が好きだ。あれで聴く70年代ロックのライブ版の臨場感はすばらしい。TANNOYのカンタベリーやキングダム、オートグラフと真空管アンプを組み合わせたときの音が好きだ。あれで聴くクラシックは朗々と響きすばらしい。DALIのヘリコンシリーズの音が好きだ。エモーショナルな響きと優しさが同居している。B&Wの精緻な音も好きだ。

 ヘッドホンで言えばゼンハイザーも好きだし、STAXも好きだ。それにベイヤーの音も気に入っている。ポータプロの音も好きだし、ER-6iの音も好きだ。

 一つの傾向に乗っ取った好悪があるわけではないから、悪食といわれてもしょうがない。しかし、自分の好みの音=良い音というのは部分的なものだと思っている。私にとって良い音は2種類あるのだ。

・自分にとって好きでありよい音。他者にとってどうかは関係がない。
・自分としても良い音だと思うし、他者にも良い音と思われるだろうと推測される音。

 レビューにおいては後者の基準に乗っ取っている。なのでUM1については、あのようなレビューになる。

 個人の、オーディオを趣味としている個人としては、前者に重きを置いているつもりではある。だから、それなりに金額もかけている。単に音楽を聴くのであればミニコンポやPCのアクティブスピーカーで十分だ。置き方さえ工夫すれば、超ニアフィールドなら、十分まとまりの良い音が聴けるし、なによりもリーズナブルだ。それが分かっているにもかかわらず、スピーカーも、アンプも、プレイヤーも単体で買っていくというのは、他人がどう思うかは関係なく、自分に可能な範囲で好きな音を突き詰めて行きたいからだ。

 好きな音に近づいて行けるのは楽しい。そして、その音で音楽が聴けることも楽しい。しかし、そこには悩みもあれば、苦しみもあるし、努力もある。音に真剣に向かうことになっている。そうしていくうちに見えてくるのは音というよりも、音に対する自分の態度や姿勢だ。

 iPodのイヤホンを換えたときは、そんなことにつながって行くなんて想像もしなかった。あの時あったのは驚きと沈黙だった。その驚きと沈黙が、自分への視線に転じて行くなんて。

 当然のことだけど、音楽に酔ったり、興奮したり、慰められることがなくなったわけではない。オーディオの音は好きだけれど、iPodだって楽しめるし、ライブやコンサートは大好きだ。これからも、それは間違いない。でも、時に部屋に閉じこもってスピーカーに向かったり、ヘッドホンをつける。端から見れば暗い姿にみえるかもしれないが、私はその楽しみを知っている。

投稿者 黒川鍵司 : 2006年4月 6日 21:42

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コメント

この記事を読んでいてつくづく思いましたが、
私は性格的にオーディオには向いていないのかも?
どうも突き詰めるのが苦手みたいで・・・(^^;
もっとやりっぱなしぐらいの方が趣味としては気楽でいいかな?
そういう意味で、黒川さんやゴーヤさん、ささきさんといった皆さんを尊敬しています
なんとなく、自分はまだまだだなぁ、と思う反面、
おそらく永遠にできないと思ってしまいます

投稿者 ためごろう : 2006年4月 7日 09:10

 思いつきというか、連想したことを一気に書いて、誤字だけ直してアップした記事なので、めちゃくちゃだと思います。ごめんなさい。
 音楽を鳴らしておくのは好きです。BGMにする、通勤時の耳栓代わり、その他いろいろ。そういう楽しみ方もしていますが、真剣に向かう時間もできたってことなんですよね。
 ためごろうさんにも、そういう瞬間はあるのでしょう? そうでなければedition7は買えないと思います。別に真剣と自分では思っていなくても、結局自分の追求になっている瞬間ってあると思うのですよ。

投稿者 黒川鍵司 : 2006年4月 7日 17:43

とても参考になります。
思いつきでこれだけすばらしい文章を書けてしまう黒川さんはすごいです。
>単に音楽を聴くのであればミニコンポやPCのアクティブスピーカーで十分
言われてみれば、確かにそうですね。
単品機器のすばらしさを知ってしまった今では、私はもう後戻りできませんが・・・(^^;。

投稿者 ハル : 2006年4月 7日 19:14

 ほめても何もあげないからね!(笑)

 私がハルさんの年齢の頃はラジカセでしたよ。今考えれば話に鳴らない音質でしたよ。でも、今とは比べ物にならないくらい音楽に夢中でした。思えばあの頃、初めて音楽というものに夢中になったのでした。夢中になれるっていうのはいいですよ。訳の分からないイタリア語をそらで歌える様になりますもの(笑)。そのイタリア語を歌ってた本人の前で歌ったら喜んでもらえましたよ。

 単体機器のすばらしさ。確かにその通りです。いわゆるミニコンポやラジカセに比べると雲泥といって良い差だと思います。でも、ラジカセに感動させられる瞬間もあるんですよ。この前書いた本屋さんみたいに。音、音楽って不思議ですね。

投稿者 黒川鍵司 : 2006年4月 7日 23:30

>でも、今とは比べ物にならないくらい音楽に夢中
私は今も夢中ですが、何となく分かります。自分はラジカセではなく、MDウォークマンですが・・・。
Hi−MDやiPod、CDに比べると、明らかに音が悪いですが、はじめてウォークマン買った頃は毎日長時間聴いていました。SONYタイマーだのと色々と言われていますが、かれこれ3年以上まともに動いています(何度か解体・掃除・調整はしました)。今でも時々使っています、音は良くないですが(^^;。
自分が音楽を好きになるきっかけを作ってくれた機器は、壊れても捨てるわけにはいきませんです(^^。

投稿者 ハル : 2006年4月 8日 00:27

受けての感性と経験と、その音楽の特質の問題かなと。

昔、どこまで音質を落としても音楽として感動できるのかなと考えた事がありました。ポップスならAMラジオレベルでも十分楽しめるけど、オーケストラのロマン派後期以降は辛いなと思いました、私の場合は。(^^;

メロディやリズムで聞かせる音楽の場合はOKですが、オーケストレーションやサウンドそのもので聞かせる音楽はNGかなと。今はピンクフロイドであれパットメセニーであれ、AMラジオでも聴いてきた経験から情報を補えるから感動できると思いますが、AMラジオレベルの音しか聴いた事がなかったら、う〜〜ん好きになれたかは迷うところです。(^^;

投稿者 ゴーヤ : 2006年4月 8日 00:37

>ハルさん
> 音楽を好きになるきっかけを作ってくれた機器は、
> 壊れても捨てるわけにはいきません。
 いいなぁ。ちゃんと思い出のある機器が残ってるのって。
 MDってのが僕の時代との差を感じさせますね(笑)。テープにダビングなんてすっかり過去の話ですものね。それこそすり切れるくらい聴いたテープもありました。ヘッドに絡むと大変なんだ、あれが。

>ゴーヤさん
 若い頃(というのも癪なのだけど)って乾いたスポンジみたいに何でも吸い込んじゃう感じでした。それが良いか悪いかなんてかんがえもせず、わからないながらも音楽を聴き、わからないながらも本を読みという具合で。今は先入観があり過ぎるかな。
 その先入観の不意を打たれたから、あの本屋さんのラジカセに感動したのかもしれません。

投稿者 黒川鍵司 : 2006年4月 8日 10:57

・自分としても良い音だと思うし、他者にも良い音と思われるだろうと推測される音。
他人に薦めるのはどうしてもこっちですね。

・自分にとって好きでありよい音。他者にとってどうかは関係がない。
でも自分で使うのはこっちの方が多いです。
趣味の世界ですから、他人が褒めようが貶そうが、コストパフォーマンスが高かろうが低かろうが、自分が気に入れば関係ありませんし。


私は中学生までカセットテープ、高校に入ってからMDを使うになった世代です。中学生の頃が音楽に興味を持ちたてだったこともあり、一番集中して聴いていたと思います。
それから年を経るにつれて自分の中に予備知識が増え、「素直に音楽を楽しむ」ということができなくなりつつある気がします。

劇場やバーで聞く生演奏も好きですが、個人的にはテレビのスピーカーや古いAMラジオのような音も味があって好きです。(^^;

投稿者 T. : 2006年4月10日 09:49

 ネット上にさらされる文章=誰が読むかわからない&ネットにアクセスできれば誰でも読むことができる、という図式は確実だと思うので、レビューというものの性格からしても、「他人からも良いと思われるであろう音」を良い音とするしかないですよね。それと、個人は別なわけですが、そこらへんを、ネット上の文章の中でどう区別していくか、もちろん自分の中でもどう区別するかというのは結構難しい問題におもえます。

 僕はMDは所有したことがないですね。テープからCD-Rでした。どういうわけか、CD-Rになってからはあんまり一生懸命聴いたことがない気がします。とったはいいけど、なかなか見ない映画の録画ビデオみたいなもので、いつでも聴けるや、と思うとなかなか聴かないですね。

 サンプルとしてもらったCDも同様でよほど気が向かないと聴きません。そうじゃなければ、くれた人に会う直前とか(笑)。

 なにか、音楽、というと正確じゃないですね、パッケージかされた音楽とでもいえばいいのでしょうか。そういうものが溢れてしまっている気がします。私個人の中でCDとかDVDといったものの貴重さ、ひいては音楽、映画というものの貴重さが薄れてしまったのかな。

投稿者 黒川鍵司 : 2006年4月10日 14:13

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