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2006年7月20日

USTイヤホン

 今回、DT770PROをお貸ししていたお礼という事でうぃんさんからUSTイヤホンをお借りする事ができた。ネット上でもほとんどれビューがない貴重なイヤホンをお貸しいただいた事に感謝したい。

 まず、このイヤホンはSONY MDR-E931の改造品というような形のものである。MDR-E931については以前簡単に触れているので、装着感などについてはご参照いただきたい。

 さて、約15000円という価格を考えると、私の家にあるこれに近い価格対のイヤホンはER-6iになってしまう。これはカナル型となってしまうので直接的な比較に適していると思えないため、MX500と比較することとした。基本的にUST、MX500ともにスポンジを付けずに利用した。

 まず、通常の利用環境に近い状況を想定し、iPodで聴いてみた。どちらかというと中域重視型か。高低については音の繋がりにちょっと癖があり、音楽がばらけて聞こえる。音場はMX500よりも多少広い。音の見通しもよいが、音が左右別に広がる様に思え、加えて上記の繋がりの傾向から、緻密に配置というよりも、散漫と感じることもある。
 情報量はイヤホンとしては少なくはない。かなり細かい音まで聞こえる。低音は低いところまで出ているが、勢いが不足している感じ。ガツンと来て欲しいところがさらりとしてしまうので、利きやすいと言えるかもしれないが、もう少しノリの良さが欲しいと思うが、これは私の耳の形状によって低音が逃げているためとも考えられた。そのためMX500で元々使用していたスポンジをつけてみると改善が見られたが、高音は減衰するため全体の情報量がかなり落ちる様に感じられてしまう。
 また、深いリバーブがスッキリと抜けないという傾向があり、スケールの大きいコーラスのホールトーンも同様で、なにか安っぽい響きが乗ってしまう。単に弦楽器、金管楽器ということなら、この問題はそれほど感じない。

 iPodで聴く限り、音場以外は特別なものは感じられないため、SA-17S1のヘッドホン出力で聴いてみることにした。リバーブの問題はかなり改善するし、音のばらけもかなり改善した。普通に聴いていられるレベルで、上述の悪い部分はiPodに由来しているのかもしれないと思わされた。
 同一条件でMX500も聴いてみたが、比較すると、全体の情報量は多く感じる。音場は広いのだが、不思議な事に、曲によってはMX500の方が広く感じられる事もある。定位は基本的に頭内だがきっちりとしていて、なかなか楽しめる。
 ソースに依拠する部分は大きいが、はまれば「自然な音」という感じがする瞬間もある。そのような場合、スピーカーから音が出てる? と勘違いした瞬間もあった事を付記しておきたい。ただし、場合によっては、聴き疲れする音を出してくることもある。低音部については、やはりノリが不足している様に思える。これは低音楽器の実体間が希薄なためだろう。これら改善にスポンジが利用出来るだろうと考え、再度付けてみると、高音が減衰し、聴きやすくなり、低音も充実するものの、やはり全体の情報量がかなり落ちる様に感じられる。全体的な改善のためには、多少細工をしたスポンジが必要になりそうだ

 こうして聴いてみるとUSTの情報量、音場を増す効果は高音域への何らかの操作にあるのではないかという気がする。スポンジを利用してしまうと途端に音場感や、情報量が落ちる点、圧縮音源よりも、通常のCD。通常のCDよりも、SACDという具合で性能が良くなる様に感じられる点などからも、それが伺える。再生環境、ソースをおごる必要のあるイヤホンであるといえそうだ。価格から考えても、気軽に買えるものではないし、再生環境を選ぶという点からも、自分が利用する環境に近い状態での試聴をするべきイヤホンだといえるだろう。

投稿者 黒川鍵司 : 2006年7月20日 18:32

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コメント

レビュー、乙です。
ハルさんの所にも書いたグランド側に抵抗を入れるのも似たような傾向を生み出すかもしれないなぁ〜、などと考えていたりもします。実験はハルさんがやってくれるでしょう、きっと(笑)。個人的には抵抗値が幾つになっているのかを知りたいところです。試聴の機会があったらテスター抱えていこうかな・・・(^^;
広がりと定の明瞭さの両立は難しいので、それが出来ているなら素晴らしいと思いますが、そこに1万以上をかける価値を見出せるかどうかですね。
スポンジで低域が出るなら迷わずドーナッツ化ですが、E931は音の出るところが少し偏っていますし、スポンジで距離が変わると音質も変わってしまいますし、微調整が大変そうです。

投稿者 rabbitmoon : 2006年7月21日 11:27

何かと話題のUSTのレビュー、参考になります
以前うぃんさんのイヤホンをちょっとだけ聴かせてもらいましたが、
個人的には判断しかねていました
広がりある美音ととるか、実体感の薄い散漫な音と感じるか、
人それぞれ、合わせる曲によってという感じでしょうか
環境にある程度追従していくというのは、とても興味深いですね

投稿者 ためごろう : 2006年7月21日 11:32

> rabbitmoonさん
 1万円の価値は私には見いだせないですね。15000円かけると、それなりのヘッドホンが買えますし、イヤホンだってかなり良いものが買えると思います。USTは結局のところE931の改造な訳ですから、限界もそれに依存すると思いますし。機材に引きずられて性能は良くなった様に思えましたが、そうなると使いどころが分け分からなくなりますし。
 テスター? あ、うちにもあるな。測る場所を教えていただければ、測ってみます。

>ためごろうさん
 う〜ん、難しいイヤホンですよ。特に今回お借りしたものはうぃんさん仕様になってますから、通常のUSTイヤホンとは異なっている可能性もあります。
 広がりは確認出来ますが、それが良いかどうかというのが難しいところですよね。散漫さが機器やソースで解消出来たのは良いですが、そうなると気軽には使えないイヤホンになってしまって、楽しみも半減してしまいますしね。

投稿者 黒川鍵司 : 2006年7月21日 15:14

レビュー、どうもありがとうございました。

USTイヤホンを貸している間はずっとMX500を使っていたのですが、良さを再確認しましたね。
音の抜けの良さや爽やかさはこちらのほうが断然上のように感じます。
情報量はそれほど多くないなーと思うのですが、うま〜くまとまっている感じが素晴らしいです。
正直、こっちで十分かもっ!

やっぱりUSTイヤホンは難しいですよね^^;
確かに散漫な感じがするかもしれません。。。
USTイヤホンが音に広がりを持たせるのに対し、iPodは音の塊を耳の近くでダイナミックに聴かせる音作りをしているように感じるので、
これらの相性はイマイチかもしれませんね?

ソースをよくするだけ、音が良くなっていくのには僕も驚きました。

投稿者 うぃん : 2006年7月21日 16:28

ステレオ・ミニジャックはプラグの先端からL,R,GNDです。
GNDとL、Rどちらかを測ればOKです。
機材に引っ張られて音が良くなるのは、抵抗が大きめなヘッドホンの傾向なので、元の16Ωよりは大きくなっているのではないかと予想しています、です、はい。

投稿者 rabbitmoon : 2006年7月21日 19:28

レビュー、お疲れ様です。
以前、少しだけ聴かせていただいたことがあるのですが、ドライバが辛そうな印象を受けました。元がE931なので、限界が近いということでしょうか・・・。

投稿者 ハル : 2006年7月21日 19:44

USTのレビュー、参考になります。
なんとなくのイメージですが、SU-DH1等のバーチャルサラウンドのアダプターを通したような音にも近そうです。
ぜひとも機会があれば、両者を比較して聞いてみたいですね〜。

投稿者 ahtoh : 2006年7月21日 21:31

>うぃんさん
 以前A8の感想を書いたときの「落ち」といわれたのを思い出しますね。<MX500
 外で聴くならあれで十分だと思います。今回、SA-17S1につないでみても、iPodとあまり急激な差は感じさせず、手堅い音を出してくれました。
 USTは聴いても面白いのかもしれませんが、持っている事に意味があるイヤホンなのかもしれないですね。手彫りの文字入りイヤホンなんて、そうそう見ないですし。

> rabbitmoonさん
 というわけで測ってみました。左右ともグランドとの間では17.5Ωでした。これは誤差の範囲かしら? それとも?

>ハルさん
 もとが2〜3千円ですからねぇ。どんなに改造したとしても、限界はあるでしょう。ハルさんの改造はどんな具合ですか?

>ahtohさん
 う〜ん、どうなんでしょう。私はバーチャルサラウンドヘッドホンを知らないので近いのかどうか分からないんですよ。音場について知るために比較するのも良さそうですね。

投稿者 黒川鍵司 : 2006年7月22日 12:57

うちのE931を計ってみましたぁ〜〜〜o(≧▽≦)oキャーキャー
左18.0 右18.3 ・・・・・えっと、あのぉ〜(汗
線の長さ(または接続部)による抵抗値の加算だとは思いますが・・・ん〜USTより大きいとは。(−−;
MDR-EX71 L:16.0 R:16.3
HP-X121 L:37.3 R:38.1 <ぉぃぉぃ両出しで・・
HP-X121(改) L:34.7 R:34.5
他のもちょろちょろ見てみましたが、片出しは抵抗値の差が両出しに比べ少し大きいですね。

投稿者 rabbitmoon : 2006年7月24日 11:39

 えーっと......(同汗)。
 まあ、つまり、うぃんさんからお借りしているUSTにおいては抵抗を加えているわけじゃなさそうだってとこですかね。発音体の角度修整や磁石の変更といったことなんですかね。
 そろそろ、うぃんさんにお返ししないとなぁ。楽しませてもらったのでお土産も付けようと思っています。

投稿者 黒川鍵司 : 2006年7月24日 16:14

ドライバー自体が16Ω(公称スペック)であるとするなら、線の抵抗値を2Ωと仮定し、17.5Ωならドライバー単体は15.5Ω。となると、470Ω〜510Ωの抵抗を並列に加えたときの値とほぼ等しくなりますね。
発音体の角度調整は耳の形状の個人差があり過ぎますし、磁石の変更では音色自体が違うものになってしまいます。
あの小さなスペースに何を入れているのか・・・500Ωぐらいの抵抗を持つ振動素子ならば納得いく感じではあるのですが。普通の人が見たら抵抗にしか見えないかもしれません。・・・と、推測だらけではありますが、それならどこかで騒がれていた抵抗一本しか入っていなかったという報告は、妙に納得できますよね。(^^
そうなると、発音素子を本来はドライバーの前に置きたいはずですよね。USTの効果は高周波による音像の明確化であり、実体感の増幅でもあるわけですから。。。それがドライバーの後ろに回っているが為に、位相的に広がりを持った感じになっているのかも知れませんね。そうならば、ちょっと勿体無い気もしますが。


以上、勝手な妄想でした、まる。

投稿者 rabbitmoon : 2006年7月24日 18:58

 そうですね、まるっきりE931と違うというわけではないですし、発音部への修整という事ではなさそうですよね。そうなると、その素子の利用という事なのかしら。でも、サイトを見る限り、特許とかとってないみたいですよね。特許電子図書館で、ちょっと調べてもやはり見つかりませんでした(取締役の方のお名前で検索すると光ディスク関連のものを含めた4つの特許は見つかりました。)。
 本当にすばらしいテクノロジーなら、もっと堂々と仕組みを公開して欲しい気がしますね。Fidelixのハーモネータの方はまだ納得出来るのですが、USTの方は情報開示が少なすぎると感じます。

投稿者 黒川鍵司 : 2006年7月24日 20:03

うちのE931は117.9Ωと118.4Ωでした。購入当初、改造のために測ったときは、両方とも15.8Ω位だった気がします。
普通の抵抗を挟むという改造では、(今のところ)USTに一歩も近づかないので、その「振動する素子」かもしれませんね。
しかし、あの空間に何か突っ込むのは大変です(ーー;。

投稿者 ハル : 2006年7月24日 21:29

 117.9Ω、118.4ΩっていうとK501くらいのインピーダンスでしょうか。いったい据え置きものじゃないと鳴らせないのではないだろうか、と思うのですがいかがなものでしょう?
 しかし、USTにおいてE931が選ばれた理由というのはなんなんでしょうね? 空間の狭さも、外見的な問題でもあまり向いていると思えないんだけどなぁ。どうせだったらKOSSのスパークプラグをUST仕様にしたら面白いかなぁなんて思ったりして(笑)。

投稿者 黒川鍵司 : 2006年7月27日 18:35

 iPodで7割程度の音量だとまともに聴こえませんが、九割程度にすると十分な音量が得られます@クラシック。
 E931が選ばれたのは、解体が楽だからではないでしょうか。道具が無くてもドライバまでたどり着けますし、滅多に壊れません。
 スパークプラグのUST仕様、面白そうですね。カナルではどのような音場になるのか、興味があります(^^。

投稿者 ハル : 2006年7月27日 23:50

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