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2006年9月10日
日帰り試聴旅行
昨日、新幹線にのって、ちょっと遠出してまいりました。上越新幹線に乗るのは初めてだったのですが、2階席だったせいもあるのでしょうか。大阪や名古屋に行くときに比べるとちょっと揺れがありました。トンネルが多いのもちょっとマイナスでした。でも、やはり新幹線。他の列車に比べれば格段に静か。そして私の大好きなスムースなスピード感。これこそ日本が誇る最高のチルアウト空間だと思うのですがいかがでありましょう。iPodはもちろんAshraの「@shra」を奏でておりました(ジャケット参照)。
さて、何で新幹線に乗ったのかといいますと、ゴーヤさんのオーディオシステムを聴かせていただきに行ったのであります。
発端はブログ上の売り言葉に買い言葉。軽い気持ちで「いつでも聴きに行きますよ」と書き込んだら、ゴーヤさんから承諾のメールが来てしまったという次第。本当は8月中にと思っていたのですが、なんだかんだで昨日になってしまいました。
お店での試聴は、それなりの回数してきましたが、どなたかのご自宅というのは初めての体験です。最近、自宅のオーディオシステムについてはそれなりに満足してしまっていて、なにかブレイクスルーになる体験が欲しいと思っていたのですが、はてさて、今回の試聴がそのようになりますか否か。お楽しみお楽しみ。
改札でお出迎えいただき、さっそくオーディオのあるお部屋に。黒いスピーカーが「2001年宇宙の旅」のモノリスのようにそびえ立っておりました。
さて、まずはシステム構成です。
- CDプレイヤー:LINN MAJIK
- プリメインアンプ:オクターブ V70(電源ユニットのブラックボックス使用)
- スピーカー:THIEL CS2.4
- 電源ユニット:信濃電気 HSRー1000
我が家に比べると豪華の一言。そして全体的にミニマルなスッキリとした雰囲気が漂っています。試聴については、ゴーヤさんが選ばれたCDと私が持参したCD双方をかけていただきました。
ということで音についてレポートです。
真空管のアンプということで、ノスタルジックな甘い音かと思っていたのですが、そんなことはなく、澄んだ音を聴かせてくれます。ブラインドで聴かされたら、真空管を使ったシステムとは思わないでしょう。
全体の傾向として、非常に色づけが少ない様に思いました。これは、オールマイティさを備えたオーディオシステムとしては理想的な方向だと思いますが、一聴しただけたと、つかみ所がなく思うかもしません。弛緩させるタイプの音でもないですし、緊張を強いる音でもない。ごり押ししてくるわけでもないし、かといってBGM的でもない。のれるけれど、陶酔ではない。考え過ぎの人ためのものでもなく、何も考えない人のためのものでもないオーディオといえば良いのでしょうか。
そんな中で重点が置かれているのだろうなぁと思えたのが、声と低音域でした。
女性ボーカルは唇の動き、艶が感じられます。この辺りは真空管的と言えるかもしれません。低音の実在感もかなりのもので、アコースティックベースの指が見え、極低音でも指向性を感じるくらい。
その指向性に関連すると思うのですが、定位は非常に自然。頭の位置を多少前後左右にずらしても、ふらつくようなことはありません。この辺りが視覚化に結びついているのでしょう。部屋全体が音に包まれるというよりも、音が見える感じなので、箱庭的と言えるのかもしれませんが、スピーカーのサイズが、それなりに大きいこともあって小編成のジャズ、もしくはボーカルものだと実物大に感じられます。ただし、このスピーカーのサイズに比べて、リスニングポイントが近いせいか、中高音と低音が若干分離する瞬間も感じられました。
音場についてですが、前後、上下も上手く広がります。これも濃密というわけではなく、あっさりでもなく、さらっと自然。音の強弱、とくに弱音表現の上手さ、滑舌の良さ、静寂感の上手さなどが、全体的な自然さにつながっているのだと思います。
このシステムを聴いていると、ゴーヤさんが「クオードのコンデンサー型」に興味を示されるのが、よくわかります。カラーレーションの少なさ、音場の自然さ、定位の明確さといった部分は、コンデンサー型に共通すると言えると思います。
私はカラーレーションのない音を自宅のシステムに求めているタイプではありませんが、ゴーヤさんのシステムをお聴きして、その美点にも共感できるような気がしました。
2時間程の試聴は不思議な気分でした。ゴーヤさんもおっしゃっていましたが、お店でもない場所で、男性二人が、黙ってスピーカーから流れる音楽を聴いているというのは確かに奇妙な図式ですね(笑)。
その後は、アットホームな雰囲気の焼き鳥屋さんで乾杯。オーディオへの考え方や、各ジャンルの音楽への入り込んだきっかけ、デザインと認知心理学などなど、あんなに幅広く楽しく話ができたのは久しぶりで、本当に時間を忘れてしまいました。
そうは言ってもタイムリミットはやってきて、お店を出ることになりました。そして、新幹線の改札までご案内いただき、東京方面最終の新幹線に。隣に座ったお姉さんの多少赤らんだ脚に魅了され手いるうちに、酔いが回って眠ってしまったようで、気がつくと目的の駅の手前でした。それからは終電を乗り継いで、自宅へ。微妙に午前様になってしまいましたが、なんとか日帰り試聴旅行を無事終えることができました。
今回は貴重な体験ができました。個人の方が、ご自身の音を求めて構築したオーディオシステムに触れ、そしてそのシステムを作った人と詳しくお話できるなんて状況はなかなか得られないでしょう。このような機会を与えて下さったゴーヤさんに感謝いたします。
そして、自宅のオーディオにもうちょっと手を加えてみようかと思います。さーて何から始めようかな。
投稿者 黒川鍵司 : 2006年9月10日 11:04
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コメント
本当に奇妙でしたね・・・密室で男二人で(笑)
おまけに、黒川さんはパソコンでレポート書き始めるし。(^^;
黒川さんの印象が、自分の狙った音の方向とほぼ一致しているので、ほっとしました。誰かに聴いて貰うのは良いクリニックかもしれない・・・
焼き鳥屋での会話は私も楽しかったです。また、何処かでお会いしましょう。(埼玉方面かな?)
投稿者 ゴーヤ : 2006年9月10日 11:20
密室で男女二人だったとしても奇妙でしたね(笑)。
あのときもお話ししたかと思うのですが、見た目の第一印象は、もっとパワフルにがつんとくる音だろうと思ったのですが、自然な音でした。
ゴーヤさんのオーディオシステムの音を聴くことで、私のオーディオシステムの課題も見えてきたような気がします。もう少し、もう少し、手を加えようと思います。ご来訪いただくのは......あと2ヶ月くらい......お時間を......。
投稿者 黒川鍵司 : 2006年9月11日 06:51
わたしも、先日はじめて人さまのオーディオ・システムの音を聴いてきたんですが、いろいろ考えることが多いですよね。自分のところの課題や限界が見えてくるだけではなくて、「音そのもの」についての志向性の違いなんかも見えてきたり。
わたしが「音楽には“いい音楽”か“悪い音楽”しかない」というのと同じ意味で、オーディオの師匠筋も「オーディオには“いい音”か“悪い音”しかない」というんですが、ようやく最近そのことがわかってきたように思います。
拙宅では壁コンが待っております(^^;
投稿者 Waldstimme : 2006年9月11日 15:33
そ、そ、それはご自宅で音をお聴かせいただけるということでありますか!<壁コン
第二弾がこんなにも早くやってくるなんて(笑)。近いうちにメールいたします。
さて、音についてなのですが、ほんとに個性が出るなぁと思います。量販店はしょうがないと思うのですが、それなりのオーディオショップはそれぞれに音をもってらっしゃいますね。それが優劣ではなく、個性として、聴く立場として許容範囲かそうではないかというレベルでしか、私には判断出来ません。たとえ、自分が望んでいない方向でも、聴いていて心地よく思う音はありますし、逆に私と同じ方向性と思える音作りでも、これはちょっとつらいと思うこともありますし。う〜ん、やっぱり「考えるな、感じるんだ」が結論ですかねぇ。
投稿者 黒川鍵司 : 2006年9月11日 21:21
聞いてみた〜い!でも遠い・・・(−−;
好みの差は色々ありますが、その中から新たな発見や思い付きがあったり・・・。
刺激は多いほうが幅も出てきますね。(^^
結論としては「フォースを信じろ」・・・と..._〆(.. )メモメモ
投稿者 rabbitmoon : 2006年9月12日 10:16
お久しぶりです。
最近、オーディオに凝っている方はLINNのCDPをお使いの方が多く見受けられますが、デノン、マランツ、アキュフェーズ、ラックスマン、ティアックとは何か異なる特徴があるのですかねぇ。
銀座のLINNショップまで視聴に行こうか検討中です。
投稿者 s.pixy : 2006年9月12日 20:20
>rabbitmoonさん
緒言は「フォースとともにあらんことを」です(何)。本当に考えさせられました。低音の解像度。帰ってから自分の家のスピーカーを聴くと低音がぼんやりとして感じられまして。いま、そのあたりをもう少し引き締める方法を思案中だったりします。
>s.pixyさん
LINNの特徴はちっとも大げささがなく、そして真面目に作られているというところでしょうか。IKEMI所有者のninaさんが「CDのトレイがほぼ無音でスッとでてくるという点だけでもわかってるなぁと思えた」と書いてらっしゃいました。
逆に「小さくまとまりすぎて嫌だ」という人もいますから、好きずきだと思います。
LINNの銀座はいってないんですよね。LINNのラインナップでは安価な(あくまでLINNのラインナップで)コンポーネントがまとまって聴けるとのことなので、一度行ってみたいのですけども。
投稿者 黒川鍵司 : 2006年9月12日 21:33

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