CC > re:CC

« 戯言 | メイン | 今日の戦利品 »

2006年12月28日

CD短評つづき

 というわけで続きである。

The Scream
身を守るために無数の刺をまとった陰鬱。この鬱屈は軽重の問題ではなく、場合によってはポップですらある。デビュー当時よりも、ゴスやメンタルな部分の問題が市民権を得た今の方が好評価をうけるアルバムだと思う。

ハートに火をつけて
ジム・モリソンの声はサイケデリックの陶酔というよりも、ダンディズムのそれと感じる。バンドとしての音を支配しているのは、彼の声よりもオルガンで、全体にホコリっぽい乾いた空気が充満している。

ラジオのように
フランスから中東、アフリカを自由に行き来する音楽性と声の生々しさに、フォンテーヌの心のパノラマを見させられたような気になる。これだけの風景は滅多に見られない。今年聴いた中で最良に属するアルバム。

Petrushka
オーディオ評論家が取り上げていたので買ってみたのだが、私としては以前から持っているテミルカノフの録音の方が好きだ。コンセルトヘボウ自体は好きなので、それぞれに取り上げているバージョンが異なることによるのかもしれない。

マタイ受難曲
冒頭から一貫して重い。コープマン指揮のものに比べると特にそれを感じる。録音やテンポ、そして音の終わりの重なり方はコープマンの方が良いが、この重さにも、受難劇というテーマなのだから当然なのだが、大きな価値を見いだせる。

《チベット》チベットの仏教音楽
まごうことなきドローンミュージック。意識がどこかに行きかけた瞬間に、聴こえてくる鳥の声が、手垢のついた表現だとおもうが、エコロジカルな響きを聴かせる。この鳴き声を雑音とする人がいるようだが、その気持ちがわからない。

涅槃交響曲
音も、その背後の指向も危険だと思う。これとやり合えるのは、クセナキスのペルセポリスくらいではないだろうか。すごいとは思うが何度も聴く気にはならない。どう考えても行き過ぎてしまったドローン。

投稿者 黒川鍵司 : 2006年12月28日 21:47

トラックバック

このエントリーのトラックバックURL:
http://www.ashrization.com/x/admin/mt-tb.cgi/343

コメント

以前、黒川さんが誉めて(?)いたので、『涅槃交響曲』聴きましたよ。値段も手頃だったので。
確かに「凄かった」です(苦笑)。先日、渋谷でやってた右翼のデモ行進の方が可愛いくらいですね。子供が聴いたらうなされるんじゃないですか。神経質で押し付けがましいというか、何度も聴く気にならないというのは同感ですね(笑。

「鳥の声」とか「雨の音」とか環境音のサンプリングは、手法として今は全然珍しくないですけどね。外部から遮断されたスタジオで、演奏を録音する状況の方が実は不自然なんですけど、人為的な世界に自然音を持ち込むのはノイズ(NG)って、ライヴ音源すら駄目な人かもしれないですね。喚声が邪魔とか(笑。

投稿者 クォンタムID改め、イド : 2006年12月29日 12:21

お久しぶりです〜

ようやくデジタルアンプが手に入りました

エージングも、まだ
一日も経ってませんが、軽くレビューを


HA-1A単体で、スピーカーで音を出すと
ネット上でよく言われてる、「じゃじゃ馬」的な音が出ます。

TA2020(デジタルアンプのIC)をプリで更に繋ぐと
輪郭が、やわらかくなる印象です
HA-1Aの音をフィルタリングして、そのまま受け継ぎつつって感じですかね
とりあえず、即戦力です(何


まだまだ二ヶ月ぐらいは、エージングしないと
こいつの真価が見えてこないような気がします


ちなみに、HA-1Aは、ヒューズをオーディオグレードに交換したのみです。
電源ケーブルとかは、同じで
電源コンセントだけ違いますけれど


ひたすらコストパフォーマンス(CP)にこだわるところがあるので、そのうちいいものを紹介できたらな・・
と想います


追記
アンプのボリュームは、MAXで音質が調整されているそうです。
ヘッドフォンアンプとして使ううちは、MAXにはとてもできませんけれど
スピーカーで、MAXぐらいまで音を上げると
また違う景色が見えてくるかもです

あ、もう皆やってる?

投稿者 涼風 月 : 2006年12月29日 15:22

>イドさん
 お久しぶりです。あれを買っちゃいましたか。一度聴くと、そのあと聴くまでに、そして聴いている最中に恐ろしく体力を使わされるアルバムですよね(笑)。

 上のチベットの仏教音楽は野外なのか、もしくは寺院の中で録音しているのだと思います。鳥が遠くから近づいてきて、どこかに留まって鳴き続けているのですよ。それが聞こえてきた瞬間、フラフラしていた精神が、大地に戻るような気がします。

>涼風さん
 これまたお久しぶりで。
 その内容ですと、やはりかなりいいようですね。真空管プリを用いたシステムとしては、CPの高さはかなりのものでしょう。

>スピーカーで、MAXぐらいまで音を上げると
>また違う景色が見えてくるかもです

 パワーアンプ側でゲインを下げれば実現できそうですね。HA-1Aをプリとして利用しようとしている方は試してみる価値がありそうです。

投稿者 黒川鍵司 : 2006年12月30日 18:52

コメントする