2007年3月30日
CD短評
言い訳は並べずさっさといく。
スクロヴァチェフスキ指揮/ザールブリュッケン放送交響楽団 ベートーヴェン:交響曲第2番&第3番「英雄」
早春の街を颯爽と闊歩する、そんなイメージの湧く演奏。歯切れ良く、小気味良い。何かにつけて重厚さを求められる交響曲において、こういう演奏は少ない気がする。若々しさ、潔さを感じる好演奏。
ゲルギエフ指揮/キーロフ歌劇場管弦楽団 Verdi: Requiem
鬼気迫るものがあったアバド指揮のものに対して、こちらは、こんな造語が許されるなら爆演。曲が進むに従ってスタミナ不足も感じられる。テノールが幾分軽い気もするが、男性歌手2人にはあまり文句はない。女性2人の声はやや厚化粧か。
アーノンクール指揮/ウィーン・コンツェントゥス・ムジクス/アルノルト・シェーンベルク合唱団 モーツァルト:レクイエム
美しい。官能的な甘美さと言ってもいいかもしれない。「死の誘惑」という言葉が似合うレクイエム。ただ、全体を聴きとおすと、なにか物足りなさ、まとまりのなさも感じる。これは演奏とか、指揮の問題ではなく、この楽曲が未完であるが故だと思う。
Michel Corboz/Sinfonia Varsovia/Ensemble Vocal De Lausannse Faure: Requiem (1893 Version)
前二つのレクイエムに比べるとずっと親身で宗教性が強よい。大聖堂ではなく、田舎の古く、小さく、しかし汚れは微塵も感じられない教会で、神など信じていなくても思わず祈ってしまうときに、こういう音楽が耳に響いてくるのではないかと思う。
鳥の歌~ホワイトハウス・コンサート
モノラル。1961年という収録年を考えても、録音はかなり悪い。しかし、この生々しさ、この情念は一体なんなんだ。クラシック音楽が好きだという人には一聴の価値があると思うが、録音状態の悪さから、ヘッドホンでの聴取は勧めない。
The Millennium Collection: The Best of the Runaways
リードギターは文句なく良いと思う。ボーカルは粗暴さアピールするけれど、あどけなさが見え隠れしてる。ドラムはときたまに走りすぎる。若さ、幼さから生じる荒削りさと焦燥感がどこか切ない。これと似たものを初期のt.A.T.uに感じたっけ。
Nothing Like the Sun
以前もCDを持っていたはずなのだけど、どこかに散逸。今回はデジタルリマスター盤だったのだけど、確かに音が良い。そして、音楽も良い。曲の良さももちろんだが、各演奏者の技術の高さも注目していいだろう。アルバム全体に漂う湿度感、程よいジャズやレゲエ、ボサノバのテイスト。スティングの最高作と言ってもいいと思う。ただし、私個人としては次作の「ソウル・ケージ」の方が心に染み入ってくる。
グレイテストKISS
KISSはヘヴィメタルとされる。でも、楽曲を聴くとポップでキャッチーなので、中学生の頃は違和感を感じて避けていた。今は、ストレートなロックとして素直に楽しめる。あのメークもパフォーマンスもメタルがどうのではなくて、グラムの文脈なのだと思う。
So
いつ見ても凄いタイトルだと思う。これだけシンプルなタイトルをつけたのは勇気と自信の表れなのだろう。そして、大ヒット。それまでの「元ジェネシス」という冠を捨て、いわゆるプログレからも断絶したわけだけど、どんなにテンションの高い曲でも悲しさが感じられる歌声と、何かを示唆されるような歌詞には、一貫した「らしさ」があると思う。
Legend
懐かしい。というと変に思われるかもしれないけれど、偽らざる気持ちだ。この懐かしさの理由は簡単で、僕が中学生の頃に聞いていた「越前屋俵太のオールナイトニッポン」のオープニング曲が「ジャミング」だったから。番組内ではレゲエのみならず、岡林信康をかけたりしていて、エンディング曲は石川セリ「ムーンライトサーファー」。午前3時から5時という過酷な時間にもかかわらず欠かさず聞いていたラジオ番組。その思い出と結びついてしまっているので、冷静な判断は下せない。
In the Zone
聴いた後にブリトニーってどんな声だったのかがさっぱり思い出せなかった。ゲストとして1曲参加してるマドンナの声は耳に残っていたのにおかしいだろと思い、もう一度聴きなおして、彼女がまともにソロで歌ってる部分が全体の半分もないことに気がついた。曲としては楽しめるものが多いのだけど、彼女が素材としてしか存在していない気がする。アイドルというのはそういうものだ、と言われればばそうだとも思える。
Master of Puppets
今聴いても速い。いや、もちろんもっと速いバンドはいるのだけれど、楽曲自体のスピード感が優れている。このアルバムまで存在している暗さ、「なんとなくやばい」という雰囲気が次回作からは抜けていって、透明感みたいなものが生じていく。それと同時に彼らはメジャーになっていくのだけど、このアルバムまでの暗い怪しさは癖になる。
Watermark
これもいつの間にか散逸したCD。このアルバムは癒しという奴とは無縁で、むしろ閉じこめられた情熱とエゴイズムが発酵した結果だろう。それゆえ、このアルバムはどこを切り出しても「彼女」がいる。そのような高純度の世界が一般に受け入れられたのは、彼女の根底にトラッドミュージックがあったことと、音楽の流行がそれに応じたということによるのだと思う。もし、このアルバムの路線がずっと深化していったら、ブリジット・フォンテーヌと同じくらいの特異なアーティストになっていたのではなかろうか。
投稿者 黒川鍵司 : 2007年3月30日 23:13
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コメント
釣られてレビュー
酔拳2サントラ
この素晴らしい楽曲を誰が作ったのかは、興味すら沸かないが、劇中に使われた曲が、どのあたりに出てくるのかは、誰しも想像し楽しむ事だろう
この頃の成龍は、誰よりもキレている。
中国音楽を代表しても良いぐらいの一枚(だと想う)
女子十二楽坊なんかとは、比較にならない・・
黒川さん、是非聴いてみてくんさいw
(周りの方が持っていれば)
投稿者 涼風 : 2007年3月31日 21:11
ジャッキー・チェンの映画って、字幕でみると雰囲気が出ません。吹き替えじゃないとダメなんです。ジャッキーの地声に違和感を感じてしまうんです。
私のフェイバリットは「拳精」っていう奴で、深夜、どこかのテレビ局でやっていて、なんともテンポの良い曲が使われていました。ビデオで借りたら全然音楽が違っていた覚えがあります。
たしか、ポンキッキでもテレビでやった「拳精」の曲が流れてました。なにかの流用なのかもしれませんね。
投稿者 黒川鍵司 : 2007年3月31日 23:43
>言い訳は並べず
というか、これだけ書かれるとどれにコメントしていいものやら...。(^^;
とりあえず、モツレクは違った意味で官能的なカラヤン/ベルリンフィルのCDが好きです。
投稿者 rx78 : 2007年3月31日 23:43
おお、なんというタイミング。
これ、全部、ここ2〜3週間くらいで買ったCDでして、とりあえず、思ったことかいちゃえみたいなのりです。
カラヤン/ベルリンフィルか。う〜ん、こうして泥沼にはまっていくのだな(笑)。
投稿者 黒川鍵司 : 2007年3月31日 23:46

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