2008年11月27日
本日のコーヒーさんのご自宅のシステムを聴かせていただきました。
ケーブル類の自作、電源系アクセサリー、インシュレーターなどのレビューで、その筋では著名な、本日のコーヒーさんのシステムをお聞かせいただきました。
まずはお約束のシステム紹介です。
プレイヤー:自作PC(詳細は後述)
オーディオインターフェイス: RME FIREFACE400
プリメインアンプ:TACT AUDIO M2150X
スピーカー:PMC OB1
PCをプレイヤーとして使用するというのは、今後のピュアオーディオ界ではメジャーとなるとされていますが、現状は少数派だと思います。なので多少解説が必要でしょう。こちらのPCはOSの機能を極限まで削っており、インターネットへの接続もされていませんし、エクスプローラさえ動作していません。リッピング用のCDドライブは外付け、音楽ファイルを保存しているハードディスクも外付けで、PC内の記憶装置はSSDとなっており、回転系ドライブが存在しない形となっています。そのPCからIEEE1394接続でFIREFACE400へと接続され、そのFIREFACE400から、同軸デジタルケーブルでデジタルアンプであるM2150Xに入ります。つまり、ここまで完全にデジタル伝送なわけですね。我が家のサブシステム(いちおうPC使用)の適当さとは雲泥の差です。
スピーカーはPMC OB1。この選択もなかなかユニークだと思います。PMCのスピーカーの特徴はトランスミッションラインという仕組みです。これにより低域の増強が図られており、スペック上では22Hzまで出るということになっています。これはもうサブウーハーなみですね。
また、冒頭に書いたとおりケーブル類、インシュレーター、電源トランスはもちろんのこと、ヒューズに至るまで、凝りにこってらっしゃいます。ラック背面を覗かせていただくと目眩を感じたりしてしまいました。
さて、音についてです。まず気がつくのが中域の充実感。これは私が持っているLS3/5Aやハーベスの一連のスピーカーなどと共通すると感じました。やはりPMCもBBCモニターに源流を持っているのだなぁと納得させられました。人の声は男女、年齢にかかわらず語りかけてくるような存在感が感じられます。つぎに低域。トランスミッションラインがどのように働くのかと耳を傾けたのですが、通常は結構自然で、透明感があり、ある程度以上低い音になると粘りが出てきます。これがトランスミッションラインの特徴なのかなぁと思いました。たとえ粘りが出たとしても、消え入り方はスッとしています。それにくらべると中高音の消え方はサッという感じで、もう少しだけ余韻がほしいかなぁと思えました。
定位については、パキっとした部分は感じさせず、やわらかさがあり、自然さがあります。音場としては、もう少し左右に広がってもいいかなぁとおもうところもありましたが、次に述べる音色の傾向とも相まって、これがPMCらしい鳴らし方なのかもしれないと思いました。
そして、音色についてです。暗い音が、きちんと暗く出ます。現代のオーディオでは「明るい音」が評価され、暗い音はマイナスに評価されがちですが、本来、明るい音楽は明るく聴こえ、暗い音楽は暗く聴こえるべきだということは誰でもわかることだと思います。これが可能であるという点は、やはりモニタースピーカーの面目躍如という具合でしょうか。
この音場、音色、そして極低域での粘りは、いわゆるブリティッシュロックにはピッタリだろうなぁと思いました。また、My Bloody ValentineやCocteau Twinsなどの4AD勢も似合うと思い、CDを持ってこなかったことをこっそり悔やんだりしました。
という具合に、またしてもレベルの高いシステムに出会ったなぁと感じていたのですが、2つ残念なことがありました。1つはPCの動作音。動作音というよりもファンの音なのですが、これががかなり大きく(最初は冷蔵庫の音かと思ったくらい)、弱音部で気になります。もうひとつは、今一歩情報量が足りなく感じられたことで、これはアンプの駆動力の問題かなぁと思ったりしました。
これをお伝えすると、まずはPCのファンを外してみようということになり、外した状態で聴くことに。そして、聴いてみると前者の問題はもちろん、後者の問題も解決となりました。結局、ファンの音が繊細な音をマスクしてしまっていたようです。
PCオーディオということで、ちょっと構えていた部分があったのですが、そんなことはまったくの杞憂でした。十分にピュアオーディオとして通用する世界がここにもあります。ただ、現状ではPCでのピュアオーディオの方が困難に直面することが多いようにも感じました。それゆえに、今後の動向に注目すべき分野であるといえるかと思います。
本日のコーヒーさん、今回は本当にありがとうございました。またひとつ新しい世界に出会った気がしました。
投稿者 黒川鍵司 : 2008年11月27日 23:19
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