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2011年1月 5日

CD短評

 前回は11月なので2ヶ月ぶりだが、別に何というわけじゃないので、とっとと書く。

Palma Habanera
ジプシージャズヴァイオリンというのがユニークだし、楽曲のノリも良い。録音が優秀ということが盛んに言われている。確かに明瞭だし、細大漏らさぬ音となっているが、どうも音が近すぎて空気感のようなものない。「録音による世界観の構築」に至ってほしいと贅沢が云いたくなってしまうのが欠点か。

さげまんのタンゴ
曲名がアレだが、歌詞はさらにアレ。そして、ライブはもっとアレ。しかし、曲の構成、音の選び方には鋭さを感じるし、アレと表現した歌詞のエンターテイメント性も高い。Cocco、相川七瀬、松田聖子などに楽曲を提供というのも頷ける出来。年末に伺ったライブでのグランドピアノの演奏には、キース・ジャレットを思い出させる透明感があったことも記述しておく。

カルナシャリア
デメトリオ・ストラトス参加という点が取り沙汰されがちだが、アレアやマウロ・パガーニのファーストの緊張感を期待すると肩透かしを食らう。このアルバムに求めるべきは、一種のチルアウトだと思う。本末転倒とわかっていて書くが3曲目、5曲目はStereolabを思わせる浮遊感と弾力性を有している。

Prog Family
新生オザンナといえばいいのだろうか? 昨年の来日公演を楽しめた人なら素直に受け入れられるアルバムだが、往年の土俗性を求める人には単なるポップと感じられるかもしれない。オリジナルメンバーはボーカルのリノ・ヴァイレッティしかいないわけだが、その伸びやかカンツォニエーレっぷりを聴くだけで「オザンナだ」と納得できるのだから不思議。ライブがパフォーマンス、演奏、音量ともにバランスよく素晴らしかったことも付け加えておく。

呪われし機械
2008年にリリースされていたというのだが、まったく知らなかった。冒頭のピアノとチェロの美しさは天上的。それだけにその後の、血の涙を流すような漆黒がとてつもない。恐ろしく複雑というわけではないのだが、ヤニック・トップという人物は誰でも思いつくフレーズを重火器の、もしくは兵器の駆動音に変えてしまう能力を持っているようだ。ヴァンデール、つまりマグマが変拍子ではあれど、その根底にジャズのスイングを持っていたのに対し、トップのリズムは全てのなぎ倒して、ただひたすら、ぐいぐいと前に進む。低音の表現が凄まじく、ライナノーツで宮本重敏氏が述べているとおり、どんなに良質なものを使用したとしても、ヘッドホンでの再生には限界がある。それどころかスピーカーであっても、ある程度以上の低音再生能力がなければ、全体像がつかめない。このアルバム、元旦に聴いたわけだが、本年聴いたアルバムの5選には必ず入ると断言できる。

投稿者 黒川鍵司 : 2011年1月 5日 21:52

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