2011年12月30日
今年聞いたアルバム選
年末である。というわけで、今年聞いたアルバムの個人的ベストを4枚あげてみる。あくまで、私が今年初めて聞いたであって、発表年が今年ではないことを断っておく。- 戸川純/玉姫様
磨りガラスの向こうに植物化した男性を、少女という幼虫のままでいることを、それぞれに夢想する思春期を過ぎてしまった女性のための音楽、とでも言えばいいのだろうか。音階や拍子を意図的に外した歌唱、擬古的な演奏という形態は、その手の層を対象にした音楽に引き継がれている。つまり、その手の音楽の原型であり、これを超えられない閉塞を、すでにその音楽の中に宿している。 - Loreena McKennitt/Mask & Mirror
トータルな流れと世界観が感じられ、アルバムとして聞くことに意味があると実感させられる。それぞれの楽曲に鳥肌が立つ瞬間も、甘美さにはっとする瞬間も、息を吐いて安らぐ瞬間もある。難を言うとすれば、声の細さか。ここにレナーテ・クナウプのような土俗性があれば、さらに評価は高かったはず。予断だが、このアルバムのジャケットと彼女の声を聞いていると、どうしても、ミレイの「オフィーリア」を思い出す。
- ラ・レヴェルディ/ほんとうのカルミナ・ブラーナ~中世写本「ブラヌス歌集」,その聖なる風刺性~
カルミナ・ブラーナといえば、オルフのそれを思い出すのが普通だが、この元となった歌集には、音楽が付随していない。それでは、元来どのように歌われていたのか? という疑問に回答を出すべく研究の末に作られた「擬中世音楽」。しかし、さすがというか、その「擬」の部分を感じぬままに、激しい情感の波にさらされるというものに仕上がっている。 - Jannick Top/Infernal Machina
本年1月に購入したにもかかわらず、現在まで本年最高のアルバムの位置にある。天上と漆黒の饗宴。重火器の駆動音の如き音塊。スイングや、縦ノリなどというものとは、まったく無縁にひたすら全てを薙ぎ倒して直進するリズム。その上、再生機器の低域再生能力にまで挑みかかるという攻撃性。ここまでのアルバムにはそうはお目にかかれない。
投稿者 黒川鍵司 : 2011年12月30日 09:43
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コメント
黒川さんこんにちは
た、玉姫様ですか?(笑)
戸川純大好きだったんでこれレコード持ってますよ。
もし来福されたときにお聴かせしますね
そしてやはり予想通りの第一位!
これ強烈にぶっちぎりですね。
一枚通して聴くのにこれだけ体力いるアルバムもそうそうないです(笑)
投稿者 デーンちゃん : 2011年12月31日 14:12
あら? 奇遇ですね。私も「玉姫様」はLPで入手したのですよ(笑)。この戸川純の歌唱法って、デヴィッド・シルヴィアンのそれが、彼を良く知らないヴィジュアル系バンドにも影響を与えているように、その手の女性ボーカルには確実に影響を与えていると感じました。ついでに言うなら、戸川純のアルバムがあれば、その手の他のボーカルは要らないようにも感じられてしまって(笑)。
はい、あれは結局1位になりました。これを超える作品にであえなかったのは、私の不明もあるのだと思いますが、とてつもない音楽であることは確実かと思います。
投稿者 黒川鍵司 : 2011年12月31日 17:15
アングラ系の女性ボーカルって
どうしても戸川純の2番煎じ以下って感じがしますね。
それだけゲルニカが凄かったと思うのですが。
勿論、他にも凄い人もいるとは思いますけど。
年末に脳内でループしたキューピーの「た~らこ~♪」が
ゲルニカの上野耕路だったことを知った時は笑いました。
www.youtube.com/watch?v=vAtBNOKT8jM
投稿者 rabbitmoon : 2011年12月31日 18:06
非常に完成されていたがゆえに、枠を作ってしまったという気がします。いえ、でも、それは彼らの責任ではなく、後の作り手の問題なのでしょうけれども。
え? あの曲、そうだったのですか! 個人的にも「な~めこ~♪」もしくは「な~まこ~♪」と替え歌にして楽しんでおりました。言われてみれば、確かにあの擬古調はゲルニカに通じていますな。
投稿者 黒川鍵司 : 2011年12月31日 18:31

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