CC > re:CC

2007年5月 3日

ヘッドホンアンプがやってきました。

 悩んでいたヘッドホンアンプの件なんですが、昨日、メールが届きまして。誰からかというと、当ブログにもコメントをいただく、rx78さんでした。内容は、ご自身が所有しておられる使用頻度の低いヘッドホンアンプを格安で譲っていただけるというものでした。おお! まさに天の采配。

 というわけで、本日受け取りに行き、先ほど自宅に戻り、セッティングを終えました。譲っていただいたヘッドホンアンプは、Lehmann audio Black Cube Linear。音の線が細いとのことでしたが、今、HD580で聴いている限りは、そんな気はしませんねぇ。ここら辺は環境にもよりけりなのかもしれません。繊細な表現もなかなか上手くていい感じです。なお、ゲインは0dBにしてあります。それにしても、メーンの方でヘッドホン使うのは久々です。これもなかなかいいもんですね。

 rx78さん、良いものを譲っていただきありがとうございました。末永く使わせていただきます!

投稿者 黒川鍵司 : 19:15 | コメント (12) | トラックバック

2007年4月28日

ヘッドホンアンプをどうしましょうか。

 システムに入れ替わりがあったことは既に書いたかと思うのですが、実はHA-1Aも移動してまして、サブシステムの方に接続されています。SA-17S1を使用していたときには、そのヘッドホン出力を使用していたのですが、SA-60にはヘッドホン出力がないのです。なので、メーンシステムではヘッドホンが使用できない状態なのですね。

 で、ヘッドホンアンプの導入となる訳ですけど、以前に比べて選択肢が増えましたね。私が初めてヘッドホンにこだわりだした頃には、手に入るヘッドホンアンプはHD53、P-1、サエクのちょっと変わった奴、それからAMTで有名なERGOのAMP1くらいでした。今は百花繚乱とまでは行きませんが、細かいものも入れると2,30種類に達すのではないでしょうか。もちろん、スピーカー用のプリやメーンアンプに比べれば、ずっと種類は少ないですが、選定が悩ましいですね。

 こういうときは価格とスペースファクターである程度しぼってと思うのですが、あまり定番のものを選ぶのもさけたい、且つ、自分の音への嗜好も満足させたいとわがままに考えて行くと、決まりゃしませんね。さて、どうしたもんだか。

投稿者 黒川鍵司 : 08:09 | コメント (4) | トラックバック

2007年3月24日

iPodの調子

 最近、iPodの調子がよくありません。ノイズを再生してリセットがかかってしまうことが、2日に1回くらいありまして、リセット後は「もうダメ!」って感じのアイコンが画面に表示されることが相次いでいます。この症状、多少、コンコン刺激を与えてあげて手動リセットするとたいてい治るのですが、今日は内部のデータが全部飛びました。あまりのことに、ちょっと笑ってしまいました。

 そろそろ買い替え時期なのかなぁとも思うのですが、出費はあまりしたくないなぁと。症状はどうもディスクへのアクセスの問題のようなので、とりあえず、今日、物理フォーマットをかけました。そのあと、音楽ファイルも転送し直したわけですが、さて、この処置が吉と出ますか否か。おたのしみおたのしみ。なんだかんだ言いながら、こういう状況を楽しんでたりしたりしちゃったりなんかして。

投稿者 黒川鍵司 : 00:43 | コメント (4) | トラックバック

2007年1月 7日

E3cとER-6i

 ひょんなことでE3cを手に入れたので、以前から持っているER-6iと比較を行ってみる。なおイヤーパッドについては、E3cについてはソフト・フレックス・イヤーパッドを、ER-6iについてはトリプル・フランジを使用し、再生装置はiPod第4世代モノクロ40GBである。

 E3cはケーブルも太めで、やや固いが、断線をあまり心配しなくて済みそうに感じられる。ER-6iのケーブルはかなり細いが、かなりラフに扱っているが今まで断線は起きていない(これは単に運がいいだけかもしれない)。全体の見た目の良さについては、ER-6iはその透過した本体も含め安っぽさが感じられる。総じて外観、仕上げについてはE3cに軍配が上がると言えるだろう。
 
 遮音性については、今回3段フランジを使用しているため、ER-6iの方が強力だが、双方とも十分で、かなりうるさい電車の中でもリスニングに使用できる。音漏れの防止性については、双方ともなにも言うことはない。カナル式で強く感じられるタッチノイズだが、これについては耳の外周を回す様に装着するのが基本となっているE3cではかなり軽減される。といっても、ER-6iでもこの装着方法は可能なので、差はないと言っても良いかもしれない。

 音の傾向だが、中低域から中域に重点を置いているE3cに対し、ER-6iは中域から中高域に重点を置いている様に感じられる。どちらも音場は狭いものの、ER-6iは楽器の重なり具合、遠近感、余韻の表現などの表現が上手く、カナル式としてはかなり良好な部類と思える。それに対しE3cでは遠近感があるべき音が単なる強弱にしか感じられず、全体として音が等距離に感じられてしまう。しかし、音としての実体感についてはE3cの方が強く感じられる。

 このようにキャラクターの差があるため、どちらが優れているとは言い切れないし、両者との価格分の価値はあると思う。どちらを選ぶべきかは、完全に好みの問題と言うことになるだろう。The Cranberriesの「No Need to Argue」を聴くという人が、ロックらしい力強い音が欲しいと思うのならE3cを薦めるだろうし、ボーカルの歌声を繊細に楽しみたいというのならER-6iを薦めるといった具合になる。

投稿者 黒川鍵司 : 20:25 | コメント (2) | トラックバック

2006年11月11日

ハイエンド・ヘッドホン・ショーにいってきました。

 フジヤ・エービックさん主催のハイエンド・ヘッドホン・ショーに行ってきました。魅力的な機材がそろっていて、かつ、いろいろな方々が様々な機材をお持ち込みだったのですが、申し訳ない。風邪を引いてまして、正直、音については最低限のことしかわかりませんでした。それでもオメガ2は良いなぁと思いましたけどもね。
 一番の収穫はいろいろな方とお話し出来たこと。なかでもタイムロードさんの黒木社長さまとゆっくりお話し出来てよかったです。お話しした内容については内緒ということで。

 今後もコンスタントにこういったイベントが開かれると良いなぁとは思ったのですが、やっぱりヘッドホン主体のイベントって難しいですね。個人で聴くというヘッドホンの性質とイベントという不特定多数に聴いてもらうことが目的のものでは、やはりアンビバレントな感覚がつきまといます。難しいところですね。

投稿者 黒川鍵司 : 20:17 | コメント (13) | トラックバック

2006年8月27日

ULTRASONE Edition9(β版) 先行試聴会に行ってきました。

 いつもお世話になっている中野フジヤエービックさんでULTRASONE Edition9(β版) 先行試聴会が行われました。会場の雰囲気などは、フジヤさんのブログをご覧いただくとして、簡単に試聴で感じたことを書いておこうと思います。
 まず試聴環境なのですが、フジヤさんのブログの写真を見ていただくとわかるのですが、2種類の環境が用意されていました。

■システム1
ヘッドホン:SENNHEISER HD650
CDプレイヤー: BLADELIUS FREJA MK2
DAC:CHORD DAC64MK2
HPA:LehmannAudio Black Cube Linear

■システム2
ヘッドホン:ULTRASONE Edition9(β版)
CDプレイヤー:CHORD Blu
DAC:CHORD DAC64MK2
HPA:LehmannAudio Black Cube Linear
※クロックジェネレータも使われていたはずですが、確認を忘れました。
※ケーブル類もかなりおごられていましたが、これも確認を忘れました。

 システム1の方がLehmannAudio Black Cube Linearの試聴用、2の方がEdition9(β版)試聴用という形でしょうか。

 以下気がついたことを箇条書きします。


  • システム1は妙に厚ぼったい音でした。それに対して2はやけに細い感じ。ヘッドホンの差なのかな? とも思ったのですが、後の確認でヘッドホン、ヘッドホンアンプを除くシステムの個性だとわかりました。同じDACを使ってもずいぶん違うということにちょっと驚いたり。


  • 上記から考えるにLehmannAudio Black Cube Linearは癖のないアンプなのだと思います。シンプルで癖のないヘッドホンアンプを求めている人には良いかもしれませんね。外見上の問題としては奥行きが結構あることでしょうか。PCと組み合わせて気軽に使うにはちょっと大きい気がします。やはり、それなりのオーディオコンポーネントと組み合わせて、さりげなく使うのが良さそう。


  • Edition9(β版)は、外見上ちょっとデザインが変わったかなぁと思ったのですが、Edition7を実際に見せていただくと、形は全く同じでした。比較すると7のハウジングの深い青が鮮烈に目に入ります。その意味でEdition9(β版)は悪い言い方をすると地味、良い言い方をすると邪魔にならない色使いということになるでしょうか。若干イヤーパッドの厚みの関係で、装着感が違う様にも思えましたが、それは個体差のレベルだろうと思います。


  • Edition9(β版)の音の方ですが、まず反応の早さを感じます。他の高級機が基本的にゆったりと聴かせることをメーンとしているのに対し、アタックの強さ、音の切れ込みの鮮やかさ、そして情報量が多く、そしてオーディオシステムの能力、癖を見事に反映するという性格。つまり、いかにもULTRASONEらしいという具合です。クラシックも楽しめますが、インダストリアルなものも行けます。ただし、今回はおそらくエージングの不足があった様で、高音が痛く感じられました。もう100時間くらいしたら再度聴いてみたい気がします。


  • Edition7とEdition9(β版)の音の差ですが、上記エージングに関連する部分以外、私には感じられませんでした。実際に販売されるバージョンではケーブルの変更がされるかもしれないとのことなので、そこで音が変わるかもしれません。


 とりあえずこんなところです。
 それから機器以外のことについて。非常に有意義な企画だったと思うのですが、できれば、店頭ではなく別の場所で行っていただけたら落ち着けて良かったのではないかなぁと思います。その上で試聴時間と質疑応答の時間もスケジュールを前もって決めた形にしておけば、タイムロードの方と個々人で話すレベルではなく、情報共有が行えたのではないかと思います。また、試聴の手続き(店員さんに声をかけて予約しなければならない)が明示されておらず、わかりにくい状況でした。事前にブログなどに書いておいて、店頭にも張り紙などがあれば、もっとスムースに、そして偶然訪れた人にも聴いてもらえる試聴会になったのではないかと思いました。

 で、最後に「お前はEdition9を買うか?」と質問を受けたらどうするかという話になります。まず価格を考えます。「希望小売価 241,500円(税込)」。販売価格は18〜20万でしょうか。もし購入したら、私のもっているオーディオシステムの中で最高額になりますね。また、スピーカーを利用したサブシステムも構築出来る金額です。例えばPIEGAのTS3にオンキヨーのCR-D1を組み合わせてみると定価で、168000円ですか。
 Edition7のことを考えても金額に見合うだけの能力はもっているとはおもうのですが、上記の計算を行ってるという時点でわかるとおり、私には買えないということです。゚(゚´Д`゚)゚。

投稿者 黒川鍵司 : 09:09 | コメント (9) | トラックバック

2006年7月20日

USTイヤホン

 今回、DT770PROをお貸ししていたお礼という事でうぃんさんからUSTイヤホンをお借りする事ができた。ネット上でもほとんどれビューがない貴重なイヤホンをお貸しいただいた事に感謝したい。

 まず、このイヤホンはSONY MDR-E931の改造品というような形のものである。MDR-E931については以前簡単に触れているので、装着感などについてはご参照いただきたい。

 さて、約15000円という価格を考えると、私の家にあるこれに近い価格対のイヤホンはER-6iになってしまう。これはカナル型となってしまうので直接的な比較に適していると思えないため、MX500と比較することとした。基本的にUST、MX500ともにスポンジを付けずに利用した。

 まず、通常の利用環境に近い状況を想定し、iPodで聴いてみた。どちらかというと中域重視型か。高低については音の繋がりにちょっと癖があり、音楽がばらけて聞こえる。音場はMX500よりも多少広い。音の見通しもよいが、音が左右別に広がる様に思え、加えて上記の繋がりの傾向から、緻密に配置というよりも、散漫と感じることもある。
 情報量はイヤホンとしては少なくはない。かなり細かい音まで聞こえる。低音は低いところまで出ているが、勢いが不足している感じ。ガツンと来て欲しいところがさらりとしてしまうので、利きやすいと言えるかもしれないが、もう少しノリの良さが欲しいと思うが、これは私の耳の形状によって低音が逃げているためとも考えられた。そのためMX500で元々使用していたスポンジをつけてみると改善が見られたが、高音は減衰するため全体の情報量がかなり落ちる様に感じられてしまう。
 また、深いリバーブがスッキリと抜けないという傾向があり、スケールの大きいコーラスのホールトーンも同様で、なにか安っぽい響きが乗ってしまう。単に弦楽器、金管楽器ということなら、この問題はそれほど感じない。

 iPodで聴く限り、音場以外は特別なものは感じられないため、SA-17S1のヘッドホン出力で聴いてみることにした。リバーブの問題はかなり改善するし、音のばらけもかなり改善した。普通に聴いていられるレベルで、上述の悪い部分はiPodに由来しているのかもしれないと思わされた。
 同一条件でMX500も聴いてみたが、比較すると、全体の情報量は多く感じる。音場は広いのだが、不思議な事に、曲によってはMX500の方が広く感じられる事もある。定位は基本的に頭内だがきっちりとしていて、なかなか楽しめる。
 ソースに依拠する部分は大きいが、はまれば「自然な音」という感じがする瞬間もある。そのような場合、スピーカーから音が出てる? と勘違いした瞬間もあった事を付記しておきたい。ただし、場合によっては、聴き疲れする音を出してくることもある。低音部については、やはりノリが不足している様に思える。これは低音楽器の実体間が希薄なためだろう。これら改善にスポンジが利用出来るだろうと考え、再度付けてみると、高音が減衰し、聴きやすくなり、低音も充実するものの、やはり全体の情報量がかなり落ちる様に感じられる。全体的な改善のためには、多少細工をしたスポンジが必要になりそうだ

 こうして聴いてみるとUSTの情報量、音場を増す効果は高音域への何らかの操作にあるのではないかという気がする。スポンジを利用してしまうと途端に音場感や、情報量が落ちる点、圧縮音源よりも、通常のCD。通常のCDよりも、SACDという具合で性能が良くなる様に感じられる点などからも、それが伺える。再生環境、ソースをおごる必要のあるイヤホンであるといえそうだ。価格から考えても、気軽に買えるものではないし、再生環境を選ぶという点からも、自分が利用する環境に近い状態での試聴をするべきイヤホンだといえるだろう。

投稿者 黒川鍵司 : 18:32 | コメント (15) | トラックバック

2006年7月 9日

Goldring DR150

goldring_dr150.jpg
 英国Goldring社はレコードプレイヤーのカートリッジの分野では老舗といえるメーカーであるが、その他のオーディオアクセサリーも手がけている。このDR150は同社が扱うヘッドホンでは最上位、俗にいうフラグシップとなっている。

 外見はなかなかスタイリッシュで現代的。デザインの方向性としてはゼンハイザーのHD595、555に近い。ただし、実機をもってみると剛性がもう少し欲しい様に思える。装着感は及第点といったところ。もう少しパッドに柔らかさが欲しいし、バンドの長さがもう少し欲しい。バンドの長さに関しては人によっては致命的だと思うので、可能な限り試聴は行うべきだろう。

 ケーブルは片出し。取り外し可能で、接続部分はステレオミニジャックとなっているので、他のケーブルに換えて音の変化を楽しむ事もできるかもしれない。しかし、元々のケーブルがQED製の純銀コート5N・OFCとかなり良質なので、音質の向上を望んでの交換は難しいかもしれない。また、このデフォルトのコードはそれなりの太さがあるが、柔らかく、取り回しも良いことも付け加えておく。

 今回はSA-17S1のヘッドホン出力を用いてみたのだが、リファレンスにしたHD580にくらべると全体的に音が明瞭。しかし、今一距離感、遠近感がない。HD212PROに比べればずっと増しなのだが、つるりとした感覚がある。これはいわゆる現代的な音という奴だろうか。この傾向のため陰影感が希薄に思える。情報量そのものはHD580とそれほど遜色はないと思えるが、情感の部分で劣っている様に感じるのはこのためだろう。低音は見た目のイメージよりも良く出る。タイトというほど締まってはいないし、包み込まれるというほど広がりもせず、ちょうど良いといえそうだ。中高域はフラット気味なのだが、高音域には、音が急に刺激的になる癖がある様に感じられる。特にそれが顕著なのはバイオリン、ビオラ、もしくは高音よりの管楽器の音が伸びるときで、女性ボーカル、シンバルなどでも感じられる。

 では、あう音楽は? ということになるとおもうのだが、クラシックの場合、スピードのある曲では切れの不足が感じられる。ゆったりとした曲は悪くないのだが、時々、上記の高音の癖が現れて耳障りに感じられる瞬間があるし、距離感の不足が大きく影響してしまう。おそらくジャズでも同傾向だろう。

 同じ英国だし、ものは試しと思って聴いてみたレッド・ツェッペリンの4枚目、クイーンの「A Night At The Opera」などは、これらをリファレンスとして作成したのではないかと思える程よく似合う。前述の高音域の癖もむしろアクセントになって力強さが加わり、気持ち良く聴ける。マイブラッディ・バレンタイン「LOVELESS」だって悪くない。打ち込み系になると、クラシックでも問題なった切れの不足と距離感のなさが問題になってしまう。ここら辺はGRADOのヘッドホンに近いと言えるかもしれない。

 以上はあくまでフラグシップとなるヘッドホンへの評価となる。1万5千円程度で購入可能なヘッドホンであることを考えると、ほぼ全てにおいて合格点を与えなければならないだろう。このレベルのヘッドホンとしては他に比べ安すぎるのだ。もちろん、消費者の一人として安いということは嬉しく思うのだが、昨今あった価格破戒なるもの鑑みると、複雑な気分になる。結果として、価格破壊なるものがもたらしたものは全般的な質の低下であった様に思えるからだ。オーディオにおいてまで、それが起きて欲しくないと思う。

投稿者 黒川鍵司 : 16:00 | コメント (13) | トラックバック

2006年6月21日

またも......

 各所でGoldringのDR150が話題になっています。価格対性能比の高さが話題なのです。15,800円で購入可能というと、それなりのヘッドホンとしてはかなり安い部類です。そう思ってしまうのは私がすでにおかしい証拠なのかもしれませんが(笑)。

 以前姿はちょこっと見たし、試聴も3分位してみたのですが、確かにコストパフォーマンスが高いと思いました。でも、もうヘッドホンは購入しなくても良いだろうと思っていましたから、まあ、買わなくても良いかなぁと思っていました。でも、各所の褒め言葉を読むにつれて再度に気になってきました。それに英国メーカーです。私の家にあるスピーカーは全部、英国メーカーですし、聴いている音楽も元々はブリティッシュです。

 まあ、とにかく聴いてみようと思って、いつものようにフジヤ・エービックさんに伺いました。

 いくなり驚きました。さらに値下げされていたのです......。

 気がつくと......はっ!! 小脇に抱えて帰宅してる!!
 またやっちゃいましたよ(笑)。

 レビューは1ヶ月後程度を予定しつつ、いろいろ聴いてみようと思います。

投稿者 黒川鍵司 : 21:20 | コメント (11) | トラックバック

2006年4月 6日

取り留めない考え

 前回のUM1の記事のコメントで書いたことだが「聴きやすい音≠良い音」だと思っている。では、私にとっての良い音とは何か? 結局、好悪の問題なのか?

 スピーカーで言えば、JBLの大口径のウーハーを持ったスピーカーの音が好きだ。あれで聴く70年代ロックのライブ版の臨場感はすばらしい。TANNOYのカンタベリーやキングダム、オートグラフと真空管アンプを組み合わせたときの音が好きだ。あれで聴くクラシックは朗々と響きすばらしい。DALIのヘリコンシリーズの音が好きだ。エモーショナルな響きと優しさが同居している。B&Wの精緻な音も好きだ。

 ヘッドホンで言えばゼンハイザーも好きだし、STAXも好きだ。それにベイヤーの音も気に入っている。ポータプロの音も好きだし、ER-6iの音も好きだ。

 一つの傾向に乗っ取った好悪があるわけではないから、悪食といわれてもしょうがない。しかし、自分の好みの音=良い音というのは部分的なものだと思っている。私にとって良い音は2種類あるのだ。

・自分にとって好きでありよい音。他者にとってどうかは関係がない。
・自分としても良い音だと思うし、他者にも良い音と思われるだろうと推測される音。

 レビューにおいては後者の基準に乗っ取っている。なのでUM1については、あのようなレビューになる。

 個人の、オーディオを趣味としている個人としては、前者に重きを置いているつもりではある。だから、それなりに金額もかけている。単に音楽を聴くのであればミニコンポやPCのアクティブスピーカーで十分だ。置き方さえ工夫すれば、超ニアフィールドなら、十分まとまりの良い音が聴けるし、なによりもリーズナブルだ。それが分かっているにもかかわらず、スピーカーも、アンプも、プレイヤーも単体で買っていくというのは、他人がどう思うかは関係なく、自分に可能な範囲で好きな音を突き詰めて行きたいからだ。

 好きな音に近づいて行けるのは楽しい。そして、その音で音楽が聴けることも楽しい。しかし、そこには悩みもあれば、苦しみもあるし、努力もある。音に真剣に向かうことになっている。そうしていくうちに見えてくるのは音というよりも、音に対する自分の態度や姿勢だ。

 iPodのイヤホンを換えたときは、そんなことにつながって行くなんて想像もしなかった。あの時あったのは驚きと沈黙だった。その驚きと沈黙が、自分への視線に転じて行くなんて。

 当然のことだけど、音楽に酔ったり、興奮したり、慰められることがなくなったわけではない。オーディオの音は好きだけれど、iPodだって楽しめるし、ライブやコンサートは大好きだ。これからも、それは間違いない。でも、時に部屋に閉じこもってスピーカーに向かったり、ヘッドホンをつける。端から見れば暗い姿にみえるかもしれないが、私はその楽しみを知っている。

投稿者 黒川鍵司 : 21:42 | コメント (9) | トラックバック

2006年4月 1日

ヘッドホンバトン

 すでに、ここにも書いたが、T.さんからのヘッドホン(というよりもカナルホンか?)バトンが回って来た。メーンはWestone Labs. のUM1で、あまり出回っているとは思えない機種であり、レビューもあまり見かけない。このような機種は、ある意味でレビューする人間への試金石となりそうなので、多少怖じ気づくところもあるが、レビューしてみたい。

 今回、再生に使用した機器は、毎度おなじみの第4世代モノクロiPod40GBである。今回は屋外では使用せず、電源を供給しながら使用したことを付記しておく。

■Westone Labs. UM1
 あまりデザイン性を感じる外見ではない。ER-6iやE3cなどに比べるといかにも業務用という気がする外見である。装着の仕方はSHURE方式とでも言うべき、外耳の周辺に上からくるりと回してつける方式。たしかにこの方式はタッチノイズを防ぐという意味では有効だ。装着感も、耳にすっぽりと収まるのでER-6iやThe Plugよりも良い。ケーブルは音質的な意味からなのか、それともタッチノイズへの対策なのか、左右の接合点から2本がツイストされている。長さは短めで、再生装置を鞄ではなく、ポケットなどにしまうことに対応している程度の長さにである。コネクタ部分はL字。今回は最初から付いて来たスポンジを使用したが、遮音性、音漏れ防止性はいうまでもなく十分。公共輸送機関での使用には全く問題のないレベルだ。また、能率もよく、ポータブル機でも十分に音が取れる。

 さて、音質だが、まず感じられるのが重低音と呼ばれるような領域、いわゆるクラブ系打ち込み音楽などで強調される、サブウーハーが受け持ちそうな領域の音が、トリムされたようにカットされていることだ。全体としてカマボコの音バランスと感じられるのだが、この低域だけはスッパリとなくなっている印象である。ER-6iもその領域には強くないが、ここまでスッパリとカットはされていない。このカットお陰で、元々その領域が強調されいる音楽が聴きやすくなる。重低音がなくなったことによってメロディが浮かび上がってくるという具合なのだが、これは聴きやすいというだけであって、元々の曲に忠実という意味からは外れる。

 高音域は、先ほど書いた通りのカマボコという音の特色から丸さを感じさせ、痛い音が全くない。これも聴きやすさに貢献しているが、金管楽器などは雲って聴こえることがあるし、女性ボーカルも滑舌が悪く聴こえることがある。カマボコではあるのだが、ところどころにへこみとピークがあるようで、そのため思わぬ音が浮き上がってくることがある。

 音の定位感、音の距離感は非常に良く、ER-6iと比べても明らかに優れていると感じる。これは中音重視で、指向性の低い極低音をカットしているためだろう。その意味で音場はこのタイプとしては広めだと思うが、高域の丸まりのせいなのか、空気感とでもいうものは希薄で、迫力とか気配とか存在感というものはあまり感じられない。この点では、音の減衰表現などの繊細さなども含めER-6iの方が上手である。

 耳に優しい音を出すイヤホンだとは思うが、かなり癖のある機種である。高域と極低域を強調した音楽を聴きやすくしたいというような用途のためには、非常に重宝しそうである。しかし、それは、その音楽の作り手の意図を反映させるということからは遠ざかるということを認識した上で行われるべきであろう。一本でなんでも聴こうという目的には適さないが、癖を利用するというレベルにある人にとっては良いイヤホンとなりそうだ。


■beyerdynamic DT231 Galactic
 このヘッドホンはbeyerのiCansという気がする。両者とも自社のメーンの製品をミニチュア化したような製品であり、密閉型だが遮音性、音漏れ防止性は低い。そして、ドライバーの性能自体は高そうに感じる所まで似ている。

 装着感に関しては、こちらの方が良い。イヤーパッドの径小さく耳のせ型の様になるが、パッドの触り心地が良いのでそれほど気にならない。長さの調整はHP-X122と同様な自動式だが、バネではなく、頭頂部のクッションになる部分にゴムを通している形である。この部分が動く際にはバネの音などはしないが、その代わりゴムがクッションの入り口と干渉し、ごそごそと音がする。歩行しながら使うと、この音がかなり気になるので、ポータブル機器との組み合わせは想定されていないのかもしれない。ケーブルがかなり長いこともそれを示唆している様に思う。ケーブルの取り回しについては、片出しで、一寸太めだが柔らかく問題はない。能率は少し悪く、HD25で使用する際よりも、2、3割iPodのボリュームを上げる必要があった。

 音はよく出来ている。同一価格帯のヘッドホンに比べると音自体の立体感、実体感は頭2つくらいリードしていると言えそうだ。音の分離感も非常に良い。音作り自体は2万円クラスのヘッドホンが目指す所と同一のベクトルにある様に思える。4〜5千円のヘッドホンからステップアップした際には、そのあたりに驚かされるのではないかと思われる。

 UM1とは対照的に低音域はかなり伸びるし、高音域も場合によっては刺激的でだが、それほど中域が沈んでいるようには感じない。iPodで利用している限りでは、全体として、おとなしい印象で、同一価格帯のヘッドホンでも地味に感じられるのではないかと思う。

 定位についてだが、ネット上のレビューを見ると、良しとするレビューと、悪いとするレビュー双方が存在している。聴いてみると音の鳴る方向は非常に良く、先ほどの分離感とも関連して、どこにどの音があるかがよくわかる。しかし、音の遠近感がなく、傘の内側に書かれた絵を見ているような感覚に陥る。これが意見を分ける原因だろう。

 HP-X122が5〜6千円台のヘッドホンの気配を感じさせるとすると、DT231は2万円台のヘッドホンの気配を感じさせると言えるだろう。1万円以下ではベストバイとされていたのがよくわかる気がした。


■audio-technica retro-face ATH-RE3
 見た目は「RE」の名に違わずレトロ。それに喜ぶ人は良いが、全体的な安っぽさがあるのも事実である。重量も軽く、側圧もそれほどでなく、スポンジの当たり心地も悪くないので、装着感は良い。ケーブルは両出しで細く、断線が気になる。長さは短い。

 音なのだが、高音よりのレンジの狭い音で、音の広がりも悪く、定位感も低い。レンジが狭くても、定位が悪くても、それなりに聴ければ良いのだが、全体的にうわずるし、高音のシャリつきがあるし、耳にいたいときがあるしと、とても長時間は聴いていられない。

 このヘッドホンは何かの冗談なのだろうか? 今日(4月1日)という日付には似合っている気がするけれども。


■audio-technica ATH-CM3
 気を取り直して、と行きたい所だが、同じオーディオテクニカなので何となく嫌な予感がする。

 いわゆるイヤホンで、ケーブルは右が長く首の後ろにまわせるU字型。ケーブル全体の長さはかなり短く、屋外で利用する際にはなんらかの延長ケーブルが必要になる。おそらくMDやポータブルCDのリモコンの使用を見越した短さなのだろう。気になる点としては発音体とケーブルをつなぐ部分が金属製で妙に長いことで、もしかしたら何らかの音響効果を狙っているのかもしれないが、ほほに当たるときもあり気になる。

 定位は完全に頭内で雑然としている。全体の傾向は若干高音よりに思え、低音は一段階高くされてしまう印象。中音は張り出しが結構あるのだが、どこかで膨らんだような、こもったような音になっている。なのに時たま高音を含め耳障りに感じる。全体としてイライラしてくるが、スポンジを使えば、もう一寸まともなバランスになるかもしれない。


■SONY MDR-E931LP
 これもいわゆるイヤホンだが、先ほどのAHT-CM3にくらべると全体的に配慮を感じる。ケーブルは布巻きで絡みにくいし、肌に触れても優しさを感じる。またU字型の接合部分で右(長いケーブルの方)が左と逆向きにでているので、U字の部分が余っても自然に垂れてくれる。長さもプレイヤーをポケットに入れられるレベル。コネクタはL字である。

 遮音性、音漏れ防止性はそれほど高いわけではなく、一般的なイヤホンと同様である。なので、公共輸送機関での使用時にはボリュームに十分注意したいところだ。

 音だが、このタイプとしては広がりが良く、定位はやや曖昧だが、頭内にせせこましく音が置かれるということはない。こもりや妙なふくらみもなく、高音が耳障りということもない。低音は若干不足気味だが、ちゃんと出ている。スポンジなどを使って補えば問題のない程度ではないかと思える。

 情報量が多いとか、定位感が抜群というわけではないが、全体としてバランスが非常に良い。外出先で気軽に音楽を楽しむには十分の機種と思える。

 ちなみにうぃんさんに聴かせていただいたUSTバージョンについては、試聴時間が短かったし、環境もあまり良くなかったが、通常バージョンよりもさらに音の広がりが良かったことだけは認識出来たので、これは付記しておきたいと思う。


■感想
 これだけ多くのレビューを一気に書いたのは初めてで、かなり疲れるものもあったが、装着に関する特色、そして音の違いには驚かされた。それぞれに作り手の考えが投影された結果なのだろうが、それによって同じ音楽の印象がガラッと変わってしまうこともありえることが実感できた。それだけでも、この試聴を行った意味があったと思える。

 なお、今回聴いた中で最も推薦できるのはMDR-E931LPである。iPod付属ヘッドホンにくらべると2〜3段上手という気がする。MX400、500ともにイヤホン、ヘッドホンに興味を持った際の入り口として、ベストなものだと思った。

 このような機会をあたえてくれたT.さん、そして私にまでバトンをまわしてくれたためごろうさん、moonrabbitさんに感謝したい。ありがとうございました。

投稿者 黒川鍵司 : 19:38 | コメント (8) | トラックバック

2006年3月29日

ヘッドホンバトン受け取りました。

 本日、moonrabbitさんから、T.さんのヘッドホンバトンを受け取りました。すごい量です。これ全部をレポートできるか不安ですが、やるだけやってみようと思います。

投稿者 黒川鍵司 : 22:06 | コメント (10) | トラックバック

2006年3月23日

beyerdynamic DT-990PRO

dt990pro.jpg
 beyerdynamicのラインナップは、最近モデルチェンジをしているが、密閉型のDT-770、半開放型のDT-880、開放型のDT-990という基本ラインは変わっていない。モデルチェンジされたものを聴いたことはないのだが、所有しているDT-770PROとDT-990PROにおいては、どちらが上位といったことはあまり感じられない。情報量も同程度に高く、音色においても落ち着き、人によっては暗さと感じるものが共通していると感じる。また、装着感、外観の印象も、それほどの差異を感じさせるものではない。では、何が差なのかといことになると、DT-770PROの密閉型であるがゆえに生まれる重さ、DT-990PROの開放型であるがゆえに生まれる音の膨らみ、厚みという点ではないだろうか。

 DT-770PROでは今一に思えた空間的広がりもあり、厚い音とあいまって、オーケストラなどで作り上げられる音空間を濃密に堪能できる。これは、以前、試聴会で聴いたヘリコン800とCHORDの組み合わせを思い起こさせる濃密さだ。金管楽器は鮮やかに朗々と響くし、弦楽器の翻るような旋転の切り込み方も良い。また、ピアノやクラシックギターなどの音もしっかりと沈む感覚があり、実体感が豊かといえる。

 以上はSA-17S1のヘッドホン出力と組み合わせた場合の感想になる。HA-1A(Ultralinear)と組み合わせると、中低音が太くなり、高音が刺激的になる傾向があり、クラシックよりもジャズロックなどが似合う。もちろん、SA-17S1、HA-1A、どちらの場合もスピード感やノリよりも、重厚感という傾向は変わらないけれども。

 DT-770PROの記事で問題として挙げたヘッドバンドの短さ、調整のしづらさは、やはり共通している。インピーダンスも同じく250オームとなっているので、ポータブルプレイヤーではなく、据え置きのプレイヤー、もしくは何らかのアンプが必要となるだろう。いうまでもないことだろうが、開放型という構造上、音漏れはかなりのもので、遮音性も開放型としては高いが、一般的な密閉型ヘッドホンに比べれば落ちる。総じて能力の高いヘッドホンだといえるが、上記の個性と、出力機器の変化によって音がかなり変わるという点から、ある環境における、ある人にとっては最高のパートナーとなりうるが、別の環境の人にとっては耳障りなヘッドホンとなってしまう可能性がある。購入に際しては、できる限りご自分の環境に似た機器での試聴をお勧めしたい。

投稿者 黒川鍵司 : 15:14 | コメント (10) | トラックバック

2006年3月13日

K701試聴会&ヘッドホンの会第4 回オフ

 昨日、前回オフ会でお会いしたささきさん主催のK701試聴会&ヘッドホンの会第4 回オフが開かれました。参加されたかは以下の通りです。


 会場は中野フジヤエービックさんでした。店長さんの計らいがあって機材も自由に使わせていただき、CD、ヘッドホンもいくつか持ち込ませていただきました。フジヤエービックの店長様、本当にありがとうございました。

 さて、肝心のK701の印象を書き留めておきたいと思います。


  • 見た目が非常に良いです。以前見た写真ではハウジングは全部アルミという雰囲気でしたが、実際には一部だけで、大部分は白です。フラグシップ機で白というのは珍しい気がしますが、今風と言えるのでしょうね。

  • K501にくらべるとあらゆる面で0.5〜2段くらい上という感じがしました。特に低音の伸び、全体のクリアさ、ふくよかさははっきりと違います。

  • ボーカル曲を聴くと501では一寸遠い感じがしたのですが、701は近く感じます。また、ノリの良さもあります。ここら辺がGRADO的と評された部分なのかもしれないですね。

  • クラシックはもちろんですが、ポップなものもかなり行けます。音調は明るめ。これも今風という奴かもしれないですね。

  • 装着感も良かったです。


 K701には今までのAKGの上品さと、ノリのよさという新たな魅力があります。もうすこし値段がこなれて4万円台前半になったら真剣に購入を考えようと思います。

 さて、試聴会の後は、蕎麦屋さんでオフ会でありました。揚げそば、そば豆腐etcとお酒とあいなったのですが、後半わたくし身体の調子が悪くなってまいりました。最後までいさせていただいたのですが、帰りの電車で頭痛がひどく、家に帰ると咳まで出始めました。昨日は寒暖の差が激しかったので、それにやられたようです。さっさと寝たのですが、今朝もそんな状態で、仕事を休んでしまいました。先ほどやっとましになって来て食事がとれました。う〜ん......オーディオを楽しむのだったら、もうちょっと体調管理をしっかりしなくては。

投稿者 黒川鍵司 : 18:01 | コメント (15) | トラックバック

2006年2月 3日

SENNHEISER HD212 PRO


 携帯電話のカタログにも登場していたので見たことがある人も多いと思う。元々興味はなかったのだが、どうも生産終了らしいので、気まぐれを起こして入手してみた。

 まず外見だが、写真で見るほど良い質感ではない。また、シルバーと黒の組み合わせは単体としては機能美的な美しさがあるが、どうにも日本人の髪の色、肌の色には似合わない気がする。装着感も最良とは思えない。幅がプラスティックアームのしなりによってしか調整されず、そのプラスティックの成型がやはり日本人向けと思えない形状のため、当初イヤーパッドの下方が浮いているような気がした。イヤーパッドが多少こなれてきた今は、その点はましになっているが、頭頂部近くに何か違和感を感じたりする。

 カバーには「DJ用途に最適」というようなことがかかれているのだが、ハウジングを180度回転させて外に向けたり、片方を跳ね上げたりするような仕組みはなく、DJ作業に必要であろう「片耳リスニング」はできない。DJ的音楽向けだということなのだろうか。密閉型ということで、音漏れ防止性能はそれなり。常識的な範囲の音量であれば電車でも利用できる。それに比較すると、遮音性は低め。このキャラクターはK26Pと似ている気がする。

 低音過多という評判だったのでので、予想の範囲内ではあったが使用し始めはかなり低音が強かった。多少の収まりが見えたのは鳴らし始めて20時間程度だろうか。しかし、最初の時点からも低音の多さはあっても全体の見通しは悪くなかった。厚みはないが、量は多いというタイプの低音であると思う。もうひとつの特徴として、音を妙に滑らかにする、もしくは、してしまうという点がある。滑らかになりすぎて、荒々しさや、力強さ、それどころか繊細さすらも失われるところがある。このような特徴をもっているので、クラシック、ジャズには向いていない。90年代以降の一般的な洋楽などについては、あまり問題にならない気がする。むしろ、粗も聞こえずに良いとさえ思える。音場は頭内で広がり、ヘッドホンらしく左右に広がる。若干、後頭部よりの気がしなくもないが、許容範囲だろう。情報量は決して多いとはいえないが価格(送料込みで8千円程度)からすれば、十分だと思う。能率もかなり高く、低音の不足もフォローできるのでポータブルプレイヤーでの使用に向いている。また低音の強さが生きるのでDVD鑑賞などにも適している。ポータブル時は邪魔になる3メートルというコードの長さも、こういうときは有用だろう。

 今まで使ってきたヘッドホンの中では、外観、音ともに個性的なものだと思う。その個性が楽しめる人であれば、所持する価値はあると思う。

投稿者 黒川鍵司 : 12:44 | コメント (6) | トラックバック

2005年11月22日

STAX SRS-2020 Basic System II

srs2020.jpg
 素晴らしい。
 まず浮かんだのがその言葉である。広い音場、しっかりとした定位感、澄み切った音。音楽性の豊かさでは、私が所有するヘッドホンの中でトップレベルだろう。久しぶりに音楽をずっと聞きつづけたいという気持ちにさせてくれた。こんな気持ちになったのはCD5400とHD580を購入したとき以来だ。これでスタックスでは入門用とされているのだから恐ろしい。

 このように素晴らしいヘッドホンシステムをなかなか購入に踏み切れなかった理由は二つある。


  1. コンデンサー型であるということ
     これまでのダイナミック型と違い、一般的なヘッドホンジャックには接続できず、専用のドライバ(一種のアンプ)が必要である。そのため割高感がある。また、機械的な繊細さがあるので、ダイナミック型に比べて丁寧に扱い必要があるとされている。

  2. 視聴レベルでは周囲の音で実力が発揮できない
     発音部を光にすかしてみると構造上当然なのだが、完全に透けて見える。ダイナミック型のようにダイアフラムの裏にボイスコイルなどの構造物がまったく存在せず、膜だけがあるという具合である。つまり、まったく遮音性がない。そのため、どこで視聴をしても音が薄いという印象を抱かざるをえなかった。

 この二つの理由がクリアできたのはSRS-005を聴く機会を得たおかげだった。そこも量販店だったので、周囲がうるさかったものの、通常のオーバーヘッドのものに比べれば、インイヤー式のものは影響を受けにくい。初めてまともにスタックスの音を聞いたように思う。今までオメガ2やSRS-4040の視聴では感じられなかった繊細さ、美しさを聞き取ることができた。そして今までの視聴が騒音に左右されていたことにも気がついた。これならばドライバー込みの価格も納得できた。

 そういうわけで、まずは入門用のSRS-2020を購入してみたわけだ。

 まず、外見は良くない。装着した姿を見た友人が「ヘリのパイロットみたいだ」と言ったくらいで「洗練」からは程遠い。色が黒なので、SR-404やSR-303に比べると、まだオーディオ的といえるだろうか。

 すっぽりと耳を覆うイヤーパッドは、肌触り良いのだが、多少蒸れる。また、本体とは両面テープで接着されているようなのだが、使用していると、これが多少浮いてくる。これについてSTAXに問い合わせたところ下記のようなご返答をいただいた。

 イヤーパッドは手縫いですが比較的強力な両面テープを採用しております。しかし、肝心な接着部分も三次元形状になってしまうため周囲が浮き上がりやすいので苦慮しております。時々手で強く抑えてやるとくっ付きますが、また浮いてくる可能性がこざいます。
 更に強力なテープや接着剤で固定すれば浮き上がることは解消されますが、消耗品でありますイヤーパッドの交換が困難になってしまいます。このためお客様には、多少の浮き上がりは目を瞑って頂いて ご理解をお願いしている次第です。 申し訳ございません。
 サービス課までお送りして頂けましたら、剥がれない様に固定させて頂くこともできます。
 なお、このご返答は即日いただいた。企業としての誠実さが感じられる対応だと思う。

 上述のとおり遮音性はなきに等しい。当然のように音漏れもかなりする。そして、構造上、GRADOと同様にイヤーカップの部分を手で抑えたりしてしまうと、音がこもってしまったりする。さらに強く抑えると、外耳と発音面の間の空気が、振動膜を押してしまい耳障りな雑音が発生してしまう。

 このようにヘッドホンとしては扱いにくい部分があるわけだが、それを差し引いても冒頭の評価は変わらない。

 澄み切った静寂感をたたえた音とでも言えばよいだろうか。情報量は多いが、滑らかで、広がりがよく、繊細。K501やER-6iと共通する部分もあるが、それらよりも表現力が高い。コンデンサー型への批判でよく言われる「低音が出ない」というのは正しい表現ではないと思う。むしろかなり低い音まで出ている。ただし、ダイナミック型で味わうような、外耳が震えるような低音というのは味わえない。そういう意味でロック向きでないとされるわけだが、そこにこだわらなければ、ロックであっても十分に魅力的に聴かせてくれる。もちろん相性という意味ではクラシックに軍配が上がる。特に弦の滑らかな表現には代えがたいものがある。声についても滑らかで伸びのある表現を感じる。似た傾向にあるK501では、声が遠い傾向を感じたのだが、こちらにはそれがなく、非常に自然である。また、音の立ち上がりが非常に良好なため、早いパッセージで引かれるアコースティックギターや、マリンバ、グロッケンシュピールなども気持ちよく楽しめる。

 このシステムに付属するドライバ(アンプ)は非常に小型で、簡単に持ち運びできる。その上、動作時、もしくはボリュームを動かした際などのノイズがまったくない。このようなアンプがダイナミック型用にも存在していれば、入門用ヘッドホンアンプとして定番化するだろう。

 仮にダイナミック型ヘッドホンとヘッドホンアンプを利用して、このSRS-2020並みの満足感を得ようとするのであれば、金額的にはゆうに6万を超えてしまうのではなかろうか。それほどのパフォーマンスを感じさせるシステムである。

 なお、SRS-2020は生産完了となっている。後継機としてヘッドホンはそのままだが、高域の再生能力を向上させ、微小音量時のギャングエラー(当方の環境では感じられたことがない)を改善したドライバを付属するSRS-2050Aが発売される予定となっているという。当然、コストパフォーマンスの高さも受け継いでくれていると思うので、これもお勧めできるシステムだと信じている。

投稿者 黒川鍵司 : 16:39 | コメント (7) | トラックバック

2005年11月17日

ULTRASONE HFI-700 DVD

hfi_700.jpg
 どうにも見た目がよくない。カラーリングも含め外観が玩具っぽい。装着してみると、HD25ほどないが、かなり側圧が高い。そして日本での標準価格は28,350円。これだけで嫌厭されてしまうのではないかと思えてくるヘッドホンである。

 名称からもわかるとおり、DVD鑑賞を意識して作られたヘッドホンで、先ほどの側圧の強さは遮音性と音漏れ防止性に貢献しており、サイレントシアターという奴を実現できる。また、モニター(というかヘッドホン端子)から余裕をもって離れられるように延長コードが付属している。この長さが4m。もともとのコードの長さが3mあるので合計7mとなる。一体どんな大きさのモニターとどれだけ広い部屋を想定していうるのだろうと思えてくるが、この延長コード自体、悪いものではないようなのでオマケとしてもらっておいて損はなさそうである。

 安っぽさすら感じさせる外観に反して、音には太さがあり、かなり実在感がある。確かに映画などを観ると迫力があるし、台詞もしっかりと聴こえる。そして例のS-LOGICによって作り出される音場感が下手なサラウンドヘッドホンよりもしっくり来る。「DVD」と冠されているのも納得できる音である。音楽を純粋に楽しむ場合はちょっと事情が変わってくる。HFI-500DJ1 PRO-line(ULE)は低音が非常にタイトだったが、HFI-700では低音の太さが膨らみとなり、他の音をマスクしてしまうことがあるのだ。低音でノリを感じたいという向きにはこの方がよいかもしれないが、繊細さを求める向きには適していない。高音についても良く出ていると思うが、時たま痛さがある。これもULTRASONEらしいといえるだろう。

 ULTRASONEのヘッドホンをレビューすると毎回書いているような気がするが、やはりHFI-700もGRADO系のヘッドホンに似合いそうな古い録音の音楽を聴くと、粗が聴こえすぎてがっかりさせられる。また、真空管の音ともどうも似合わない気がする。低音が膨らむにしても、やはりどこかにクールさが漂っている。こんな表現が許されるかどうかわからないが「現代的な音のヘッドホン」というのが、ULTRASONEのヘッドホンではなかろうか。

投稿者 黒川鍵司 : 15:53 | コメント (5) | トラックバック

2005年11月11日

ATH-W5000を聴いてきました。

 というわけでダイナミックオーディオ5555さんで行われたATH-W5000の試聴会に参加してきました。テクニカさんの方もいらしていて、いろいろお聴きできたのですが、まぁそれは来場した人だけの楽しみということで。
 試聴した感想を列挙いたします。


  • 装着感は軽く、また側圧も緩めです。

  • 音漏れ結構しますが、遮音性はそれなりです。

  • 音は見た目から想像される「重い」「暗い」というのとは、まったく対照的に「明るい」「すっきり」です。むしろすっきりしすぎなくらいです。

  • 定位感は悪くないのですが、すっきりさが仇となって実体感が希薄な気がします。

  • 開放型のような密閉型という言葉が似合いそう。

  • 似合うのは小編成のクラシック、ポップな女性ボーカルのようです。

  • 参加された方のお一人が「やっぱりW1000の系列」といわれてらっしゃいましたが、そのとおりだと思いました。


 で、購入するか? といわれたら僕はちょっと遠慮します。価格分の価値がないと言っているのではありません。自分が好きな音楽の中で、このヘッドホンのキャラクターに合うものがないなぁというだけなんです。

 ちなみに5555さんでは今後、ビクターのHP-DX1000についても、ビクターさんの技術者の方を招いて、試聴会をするかもしれないとのことでした。この調子で国内ヘッドホンメーカーの方と触れ合う機会を増やしていただけると嬉しいですね。

投稿者 黒川鍵司 : 22:30 | コメント (5) | トラックバック

2005年10月30日

ULTRASONE iCans

icans1.jpg
 Porta Pro同様、使い道が難しいヘッドホンである。ポータブル向けで、密閉型とされているが遮音性、音漏れ防止性が低いため、電車内などでは使用するべきではないし、騒音の多い場所では利用が困難である。そういうわけで利用は室内か、静かな屋外ということになってしまう。iPodを持ってお散歩という場面では活躍しえる。しかし、散歩のお供というのには、1万円以上という価格は高すぎる。

 装着感は独特で、オーバーヘッドであるが、ヘッドバンドを頭部の少し後方につける。ちょうどオーバーヘッドとネックバンドの中間のようなつけ方になる。以前、ヘッドバンドが短いと書いたが、製品版でも、やはりちょっと短く、私にはギリギリという感じである。装着してすぐはイヤーパッド下部が多少浮いているような感覚を受けるが、しばらくすると耳の形になじんでくる。そういうわけで購入される方は、ぜひ試着するべきだ。それもちょっとつける程度ではなく、10分以上の連続試着をお薦めする。

 外見はULTRASONEらしからぬ、なかなかの良さ。ただしハウジングの鏡面の部分には指紋がつきやすい。先ほどの装着感の問題もあり、頻繁に触る部分だけに結構気になる。外箱とケースについても触れておくべきだろう。外箱はコンパクト。最初見たとき、おもわず「可愛い」とおもってしまった。また、当初持ち運び用とおもわれたケースだが、iCansの名前のままにCan(缶)である。これはむしろ保管用だろうか。ともかくも可愛さがあるのでiPodを持っている女性へのプレゼントでも喜ばれるかもしれない。また、ULTRASONEのファンにとっては、丁度、TANNOYのAutograph Miniのような位置づけでニヤリと出来るだろう。

icans2.jpg
 音は当初、低音がふくらみ気味だったが、4〜5時間ならしてみると締まってきた。そのあと50時間程度鳴らして見た結果としては、ULTRASONEとしては珍しい部類の音のように思う。全体として丸みというか暖かみというようなものがある。これは低音の丸み具合によっているのだろう。ハウジングの薄さからは、ちょっと思いつかない音である。V-Bassという構造による変化なのかもしれない。そういった傾向なのでULTRASONEにつきまとう高音の痛さを感じない。低音は、この小ささにしては十分の量と質を持っていると思うが、遮音性が低いため騒音があるとかき消されてしまう。

 定位はこのサイズのヘッドホンとしては最良の部類だろう。全体的な反応、たちあがりも、このサイズとしてはよい。邪道だと思うがiCansとiPodの組み合わせで、オルフのカルミナ・ブラーナ(ヨッフム指揮)を聴いてみると、その定位感と分離感のよさのおかげなのか、久々に心が沸き立った。また、アンビエントな空間を感じさせる音楽もなかなか相性が良い。そして、やはりULTRASONEらしく、GRADOのヘッドホンにあいそうな音楽は苦手である。

 これも書いて置かなければならないと思うのだが、このヘッドホンはiPod用にチューニングされているような気がする。エージング時に据え置きのプレイヤーや、PC用スピーカーのヘッドホン出力などにつないで聴いていたのだが、どうも音が薄っぺらく感じられたのだ。それがiPodで聴くと、どういうわけか、ある程度解消される。名前のとおりといえば名前のとおりなのだが、ある特定ポータブルデジタルオーディオに特化したヘッドホンというのは、なにか釈然といかない気がするのも事実である。

 なんども繰り返しになるが、このサイズにしてみれば、価格的部分などで問題はあるが悪くないヘッドホンである。iPodととの組み合わせならば、という前提条件はついてしまうけれども

投稿者 黒川鍵司 : 20:27 | コメント (4) | トラックバック

2005年10月23日

ER-4S、MDR-EXQ1 、そしてA8

 いつも懇意にしていただいているためごろうさんにEtymotic ResearchのER-4Sをお借りしたいという旨を伝えた所、快く応じていただいた。そのうえSony MDR-EXQ1、Bang&Olufsen A8までお貸しいただいた。ためごろうさん、本当にありがとうございます。
 1週間程度、それぞれをとっかえひっかえ使わせていただいた感想を書きたいと思う。なお特に断り書きがない場合、再生装置はiPodの第四世代40Gである。

・ER-4S
 装着についてはER-6iと同様だが、本体の大きさがあるため多少押し込みやすい。コードはER-6iにくらべると太く内部でねじってあるようだ。太さのために重みもあるし、中程にあるコネクタのような部分も重く、付属のクリップを使用しないと耳が下に引っ張られることになる。コードの太さもあってかタッチノイズが酷く、歩きながらの使用はもちろん、電車内で立って使用するのにも向いていると言えない。座ってゆっくり使用するタイプのようだ
 音は前評判通り色づけのないフラットな音だが、フラットを通り越して「馬鹿正直」というようなレベルに達している様に感じた。何があろうと冷徹に音をならし続ける。ここまで味付けが存在しないイヤホンは他に存在しないのではないだろうか? iPodで使用すると「iPodはこんなにつまらない音を出していたのか」と愕然とする。実際の演奏を再生するという意味ではなく、録音されている情報を機器が再生したままに聴かせるという意味では、確かに極北にあると思うが、音楽として聴いたとき、楽しいか? といわれると首を横に振るしかない。DTMなどに使用されるべきだという意見には素直に納得出来る。情報量は凄まじいし、また録音の粗も見事に聴かせてくれる。モニター用ヘッドホン以上にモニター的である。
 この忠実さを逆手に取ってiPodでイコライジングを使ってみると案の定、望んだ通りの効果が得られた。真空管ヘッドホンアンプHA-1A(真空管をJJ社のものに交換済み)に接続してみるとTriodeではあまり良いとは思えなかったが、Ultralinearでは伸びと広がりが生まれ、なかなか良い結果となった。
 たしかに、このイヤホンはとんでもないレベルのものだと思う。しかし、iPodでの使用に限るのであればER-6iに軍配を上げたい。

・MDR-EXQ1
 いわゆるクオリアカナルである。カナルと言っても上記のEtymotic Researchのシリーズの様に奥まで入れる訳ではなく、耳にちょっと入れるという程度である。コードが細く、タッチノイズなどが発生しにくくなっているのは良いのだが、本体が大部分金属製のため重く、また、付属の延長コードを利用した場合、そのコネクト部分も重いため、耳から簡単に抜けてしまいそうに感じる。イヤーチップを変えてみてもこの感覚は拭えなかった。途中にクリップなどをつけた方が良さそうだ。
 金属を使用した見た目から、硬い音を想像していたが、高音は思ったよりも滑らか。これなら聴いていられる。低音は膨らんでいる訳ではないし、極端に細い訳でもないのだが、なにか拡散している様に感じる。量が少ないのではないのだが指向性が低い感じがする。この結果、音の広がりが良い様に聴こえなくもないのだが、低音がしっかり聴き取れないので不満が残る。

・A8
 デザインが良いと言われるが、けっして優美ではないと思う。むしろ昆虫的というか、メカニカルというか、女性よりも男性にアピールするデザインだと思う。装着感自体は悪くないが、髪が長いと耳にかけるツルの部分に引っかかるし、発音部を指で押さえ入れる様にしなければならないこともあり多少面倒。コードは細めで、インナーイヤー型という形状からもタッチノイズはほとんどない。プラグが金メッキされていないというのは、この価格帯にしては珍しいが、今回使用している限りでは接触不良などなかったので、特に問題はないと思う。
 音は上品という言葉が似合いそうだ。高音は伸びるが痛くはないし、低音も必要十分。ポップなものもいけるし、クラシックもそれなりにいける。もちろん、もう少し下品であって欲しいと思う場面もなくはないが、気軽に音楽を楽しみたいというのならもってこいの音だと思う。遮音性、音漏れ防止性は低いので、騒音の多い場所や音漏れがはばかられる場所での使用には向かない。

 この中で、購入したいと思えたのはA8だった。しかし、使用用途から考えると別段MX500で良い様に思える。なかなか難しい所である。

投稿者 黒川鍵司 : 19:57 | コメント (13) | トラックバック

2005年10月10日

Q&A ひとり遊び+α

 このブログからもたびたびリンクさせていただいている「ためごろうのヘッドホン日記」さんに「Q&A ひとり遊び」という記事があります。これがいろんな方に実践され、テンプレートまで出来上がってらっしゃいます。というわけでやってみますが、そのままだとなんなので自分で項目をまとめたりしてみました。

---
Q ヘッドホンの役割は?

A 周囲に気兼ねなく音楽を楽しみ、また音楽の傾向によって簡易に使い分けもできる再生装置。


Q 今の音に満足してる?

A 絶対的な満足ではないけれど、相対的には満足しています。絶対的な満足を求めたら、地下室を作ってリスニングルームなんてことになるでしょうけども、あくまで生活と密着していないと嫌なので、今みたいな形がいいようです。それでもグレードアップは狙っていますが。


Q まだ別のヘッドホン欲しい?

A ほしくないといったら嘘になります。デヴィッド・シルヴィアンのボーカルをうまく表現できるヘッドホンと、ゆったりとした滑らかな音を出すヘッドホンがほしいですね。


Q 試聴はする?

A ほぼ必ず。決して安い買い物ではないですから納得して買わないといけないと思っています。もちろん安いものであれば、見た目の面白さで買ってみるということはありますが。


Q オーディオには興味ある?

A 今の主興味です。休みの日はオーディオ屋を巡っていろいろ聴いてくるなんて生活になっていますし。それに反比例してのみに行く回数が減りました(笑)。読書量も減っているのが気にかかるところではあります。


Q 次にオーディオ機器を買うとしたら何を買う?

A Marantz SA-15S1


Q それはなぜ?

A 1. SACDを再生できる環境を手に入れたい。
  2. 良音質なヘッドホンアンプ部を入手したい。
  3. プレイヤーのグレードアップを図りたい。


Q オーディオアクセサリーには興味ある?

A 昔はありませんでした。しかし、インシュレータや人工大理石ボードの威力を知るにつれて......。やばい状況です。


Q 音楽は何を聴くの?

A クラシックは交響曲の類ばかり、ロックは70年代欧州や一部の80年代ニューウェーブ、ジャズは70年代欧州ロックに関連しているものを少し。あと多少民族音楽と映画音楽を聴きかじります。


Q 具体的に良く聴く曲は?

A 曲単位では難しいのでアルバムで。最近聴く回数が多いのは、「セイゲン・オノ/コムデギャルソン」「 ザ・スクリーン・ビハインド・ザ・ミラー」「ドヴォルサーク/新世界より(ケルテス指揮 ウィーンフィル)」「デヴィッド・クロス/メモズ・フロム・パーガトリー」。


Q ・・・もっと違う音楽は聴かないの?

A なかなかアンテナが伸びませんが、友人が聴いている音楽や、喫茶店でかかっている音楽に耳を向けたりすることはありますよ。ミロンガでかかっているタンゴなんて、家でも聴いてみたいと思うのですけども、あのジャンルは敷居が高い気がして.......。


Q ヘッドホンで密閉型と開放型、どっちが好き?それはなぜ?

A どっちということはないですね。曲によって選ぶので開放・密閉をあまり意識したことがないです。


Q ダイナミック型とコンデンサー型では?それはなぜ?

A 上記と同様です。ただしコンデンサー型は所有していないのですけども。最近、スピーカーの延長として、ちょっとコンデンサー型に目が(耳が?)向き始めました。


Q 改造はしないの?

A 技術力がないですからね。買ったものは、そのまま使う傾向にあります。


Q 手持ちのヘッドホン一つだけ残すとしたら? それはなぜ?

A 難しいなぁ......。HD580じゃないかと思います。比較的オールマイティですから。


Q それ以外だったら? それはなぜ?

A K501でしょうか。真空管とあわせたときの音が素敵なので。


Q 使っていないヘッドホンはある?

A あります。ST-90です。見た目の面白さで購入しましたが、使う場面がなかなかありません。


Q 次に買うとしたらどのヘッドホン?

A STAX SRS-3030。でも、スピーカー環境をアップグレードする方が先でしょうね。


Q ばか?

A かなり。でも、こうじゃないと人生楽しさ半減でしょう。
---

 う〜ん、結構つかれますね、これは。

投稿者 黒川鍵司 : 12:33 | コメント (6) | トラックバック

2005年9月27日

Etymotic Research ER-6i


 カナル式のイヤホンはアップル製のiPodインイヤー式ヘッドフォンとKOSSのThe Plug、SparkPlugを利用したことがあるが、どれも本格的カナル式とは言いづらいものだった。今回購入したEtymoticReserch ER-6iは本当の意味でカナル(耳栓)式といえるものである。

 カナル式でまず問題になるのは装着であろう。ER-6iも装着に慣れが必要だ。私はスポンジ(いわゆるイヤーウイスパーのような低反発の素材)がどうも気に入らず、三段式の方を使っているのだが、当初これが硬く、そのまま入れるとかなり痛みを伴った。しばらく使って抜いてみると、外耳道の産毛がごっそりと抜けていて、思わず顔をしかめることとなった。どうも、いったんある程度入れておいて、ゆっくりとそのあとに入れていくのが良いようだ。また、しばらく使い込むと物理的にやわらかくなるので入れやすくなる。その他に、ほんの少し水やワセリンをつけるという手もあるようだが、機械ものなので、そのような利用方法は自己責任でということになる。

 装着後も数分で耳が痛み始めることがある。つけた状態で痛まなくても、ちょっと刺激が加わったり、引っ張られたりすると痛みが発生する場合もある。これも素材がこなれるのと耳そのものが慣れてくれることを待つしかない。また、押し込んだ際に空気の逃げ道がないので、外耳道内の空気が圧迫され、急に気圧が変化したとき、エレベータに乗ったときや列車がトンネルに入ったときに味わうような鼓膜への圧力が生じる。これを改善するには、いわゆる耳抜きができると良い。

 装着も難しいが、着脱もまた難しい。ついケーブルを引っ張ってしまいそうになるが、そんなことをしていたら、じきに断線は免れない。本体そのものをぐるりとレバーをまわすようにして、外耳道に空気が入れ、次第次第に抜いていくようにしている。

 このように装着、着脱に苦労して得る音は伸びがよく滑らかである。カナル式ゆえの遮音性の高さによるのだろうが、音の減衰がきれいに聴き取れる。情報量もこの大きさからは信じられないくらい多いが、全体を滑らかにまとめ上げるので嫌味がなくクリアであり、典型的な美音系の音といえそうだ。弦楽器、特にバイオリン、アコーディオン、女性ボーカルなどでは、それが遺憾なく発揮される。この傾向からわかるとおり高音よりのバランスであるが、この高音よりというのは低音が強調されたり、膨らんだりすることがないという意味であって、低音に弱いということではない。例えば極端に低音の男性ボーカルの場合、オーバーヘッドの1万円台のヘッドホンでも声が濁ってしまい、単語がつぶれたように聴こえてしまうが、ER-6iでは一つ一つの発音が聴き取れる。ただパーカッシブな音はちょっと物足りない気もしないでもない。美音ゆえの弱点といえるだろう。

 定位は言うまでもなく完全な頭内定位でカッチリと決まるが、装着の具合によってうまく定位しないことがある。なので、とりあえず一曲決まった曲を聴いて押し込み具合を調整してから本格的に聴くことにしている。

 遮音性については噂どおりで、きちんと装着した状態で音楽が鳴っていると目の前で話をされても、ほとんど聞えない。ちょうど、映画などで映像にまったく別の音楽がかぶさっているシーンを見ているような状態で、目の前の風景に現実感がなくなる。それゆえ、利用する場所を間違えると事故に遭いかねない。自転車などでの利用はもってのほかであるが、徒歩時の利用でも場合によってはかなり危険である。利用するのは室内、電車内などだけにするべきだろう。その場合でもアナウンスを聞き逃すなどということはありえる。

 iPodの利用がメーンと謳っているが、もちろん他のプレイヤーでも利用は可能である。しかし、16オームという低インピーダンスのためノイズには弱い。HA-1Aと接続するとTriodeモードでも無音状態ではかなり耳障りなノイズがある。据え置きの機器で利用するのならばER-6、もしくはER-4Sを使うべきだということであろう。逆にインピーダンスの低さゆえに音量はとりやすく、それゆえ電池を長持ちさせることができる。やはり、ポータブルプレイヤーに最適なイヤホンということだろう。

投稿者 黒川鍵司 : 10:17 | コメント (14) | トラックバック

2005年9月21日

iCans聴いてきました

 久々に仕事を早く終われたので、中野に行ってまいりました。まぁ、どこに行くかというとフジヤエービックさん。スピーカーをパラリと見て、カウンターを何気なく見てみると店員さんが見慣れないヘッドホンをいじっています。なんだろう? と思ってよくよく見てみると、噂ばかりが先行の幻(?)のヘッドホンiCansではないですか!! 今さっき試供品が届いたところだそうです。

 ということで、半ば無理やり試聴してきました。店員さん、無理をいってごめんなさい。

 まず外観ですが、写真では金属のように見えたイヤーカップの部分はプラスティックです。おかげでちょっと安っぽく見えるのですが軽いです。おそらく100gないと思います。折りたたみも出来ますし、専用のケースもつくそうです。持ち歩きを意識したヘッドホンということのようです。

 イヤーパッドがちょっと変わっていて、枠を縁取ったスポンジを、柔らかく肌触りの良い布で包んであります。装着感は良いのですが遮音性はいまいち。そのようなパッドですし、イヤーカップ下側面に穴がいくつかあけられているので、音漏れも激しいかと思ったのですが、これは結構少な目。電車でも何とか使えるかなぁという具合です。残念なのはヘッドバンドが私にはちょっと短くジャストフィットしませんでした。小顔の方や女性にはあれで十分だとは思うのですけど、製品になったら改良して欲しいですね。

 持ち歩いているiPodに接続した程度の印象でしかないのですし、エージングも済んでいない時点なのですが、音はしっかりと量感をともなった低音が特徴的です。単に低音がダラダラと膨らんでいるのではなく、外見からはちょっと想像できないくらい芯と力のある低音です。また、ULTRASONE全般の特徴である反応の良さがあり、ドラムなども小気味良く聴かせてくれます。定位もULTRASONEの定位です。小さくてもULTRASONEらしさが生きているといえると思います。

 価格はまだ決まっていないとのことでしたが、ネットでは定価14700円という話が出ています。実勢価格が1万円前後だったら買ってしまいそうです。

 実物が見たい、聴きたいという方は。どうぞフジヤエービックさんに行ってみて下さい。いつまで置いてあるのかをおききしなかったのですが、しばらくは試聴可能だと思います。

追記
 こちらからもリンクさせていただいている「ためごろうのヘッドホン日記」にて写真付きのレポートが掲載されています。わたくしの記事よりも参考になると思いますので、どうぞご参照下さい。

http://blog.so-net.ne.jp/headphones-music/2005-09-23

投稿者 黒川鍵司 : 21:01 | コメント (18) | トラックバック

2005年9月18日

Pioneer HDJ-1000


 オーディオに凝る人はクラシック、ジャズの愛好家が多いが、私はロック中心で、そのなかにはテクノやハウス、トランスと分類されるものもあるため、DJ用ヘッドホンは一つは持っておきたいと思っている。以前はULTRASONE HFI-500DJ1 PRO-lineを持っていたのだが、これは本当にDJをされる方に差し上げてしまった。というわけで、改めて他のもの買うことにした。意外なことなのかもしれないが、DJ用と銘打たれているものは国産のものが多い。ヘッドホンというものの中でも、狭いシェアしか占めないためであろうか? しかし、この状況は多少変わり始めており前述のULTRASONEを初め、SENNHEISER、そしてAKGまでもがDJ用とするヘッドホンを発表している。これはDJというものが一般化しているというよりもDJ的音楽が一般化したと見るべきだろ。

 さて、いまのところDJ用ヘッドホンで三強とされているメーカーはSONY、Technics(Panasonic)、Pioneerとなっている。確かに、この3メーカーのヘッドホンは海外のDJの写真を見ても使われていることがある。海外メーカーの進出によって勢力図は変わっていくのかもしれないが、当面はこの三強が使われ続けるだろう。

 予算と相談しつつ、この三社のDJ用ヘッドホンを試聴してみた結果、購入と相成ったのがPioneer HDJ-1000であった。

 側圧はDJ用だけあって強めで、かけ心地自体は悪くないが、メガネをかけているといたくなることは必至である。遮音性は高く、音漏れ防止性も十分といえ、また、見た目も、かなり目立つが、悪くないので電車内などで利用しするのも悪くない。ただし、ポータブルの再生装置では音がかなり痩せてしまうので注意が必要だ。

 一般的にDJ用ヘッドホンは音が非常に近いものが多いのだが、HDJ-1000は、その中では広がりが大きく、また定位感がよい。特にドラムの音にそれが感じられ、タムの定位は心地よく聴き取れる。音の傾向はDJ用にしてはタイトと言われるが、HFI-500DJ1の方がタイトだったと感じる。HDJ-1000の低音はDJ用らしく、多少柔らかみのある太い音だし、他の音にもある程度の柔らかさがある。

 DJ用途に流用されることがあるHD25とくらべると全体の情報量は見劣りするし、高音の突抜の良さもない。そのため私が意図していたテクノ系の音楽とはいまいち合わないことがあるのは残念だった。値段を考えればHD25と比較することがおかしいのだが、一度良いものを聴いてしまった耳は、そういうことは考慮せずに比較してしまう。逆にハードロック、ヘヴィメタルと分類される音楽とは意外と相性がいい。それ向きの自宅用ヘッドホンを持っていなかった私には嬉しい誤算だったと言える。

 ハード的にちょっと問題だと思うのはイヤーパッド、コードなどを自分で交換出来ない点である。後者はまだしも前者は酷使されるDJ用ヘッドホンならば自分でメンテナンス出来て当たり前だと思うのだが。

投稿者 黒川鍵司 : 09:00 | コメント (4) | トラックバック

2005年9月11日

HA-1A真空管交換

 先日書いたとおり真空管を買ってきました。購入先は秋葉原のアムトランスさん。最初は左右の管(EL84)だけ換えようと思っていたのですが、意外と管が安かったことと、お店のおじちゃん(親しみを込めてこう呼びます)のノリのよさに全部購入しました。

 購入した真空管は以下のとおりです。

  • JJ Electronic EL84(ペア)
  • JJ Electronic ECC83S
  • JJ Electronic ECC82
 価格は5千円でおつりが来るくらい。おつりと一緒にオマケをちょっともらいました。そういうわけで満足度は高いです(笑)。なお、今回の購入に際してはヘッドホンナビの画像アップローダー掲示板を参考にさせていただきました。

 帰ってきて、HA-1Aをばらしてさっさと交換。作業時間は8分程度でしょうか。真空管を取り扱う際には、HA-1Aに付属してきた手袋を着けました。

 とりあえず10時間くらい鳴らしてみた感想としては、まず、動作ノイズが明らかに減りました。交換前は、ウルトラリニアモードの無音状態では結構耳についたのですが、今回の交換で我慢できなくないレベルになったといえます。もっと高級な真空管に換えたらもっと減るのかな?

 音については基本的な方向性は変わりませんが、全体として柔らかく上品になったように感じます。もちろん、音の厚味は十分なのですけども、以前の荒々しさ(雑さとも言えなくもない)に比べると大人しくなったように感じられるのも事実です。

 まだ使い初めなので、これから変化していくと思われます。とりあえず、ノイズが減っただけで十分価格分の価値はあったと言えそうです。

投稿者 黒川鍵司 : 10:20 | コメント (8) | トラックバック

2005年8月13日

audio-technica AT-HA20


 賛否両論のヘッドホンアンプである。鳥小屋視聴記さん、AV奮闘ブログさんなどではノイズがひどいアンプとなっている。アマゾンのカスタマーレビューでは「なかなか良い」という評価である。

 私が購入した理由は音楽を聴くためというよりも、DVDプレイヤーがつながっているテレビのイヤホン出力が貧弱なので、それを補いたいというものだった。AT-HA20にはラインスルーの機構があり、AT-HA20の電源が入っていなくてもテレビのスピーカーに出力することが可能だし、それに値段も手ごろだし、多少ノイズがあってもいいだろう、なんならブログのネタになる程度の考えで購入した。

 まず、当初の目的の三菱製DVDプレイヤーとシャープ製のテレビにつないでみた。チェック用にHD25で聴いてみると、無音状態で、ボリュームを11時くらいにするとハム音のようなノイズが微妙に聴こえ始め、1時以降だとかなり耳障りであった。しかし、音を出してみるとかなり音量が取れるアンプで、ボリュームを11時以降にする必要はなかったので、これなら使用に耐えると判断した。HD25は比較的ノイズには強いヘッドホンだと思われるので、低インピーダンスのThe Spark Plugでもチェックしてみたが傾向は同じだった。

 それから10時間くらい使用してみるとノイズが減少した。コンデンサー関係のエージングのおかげなのだろうか? HD25では11時半くらいのボリュームにしないとノイズが乗ってこない。また、RCAの接続をはずし、単体にしてみると最大ボリュームにしても、ノイズはほぼ確認できない。ノイズは接続機器に由来しているのか? と考えCD5400と接続(間に切り替え器のAS-4IIIがある)してみると、やはりノイズはほぼ確認できない(アウトプットには何も接続していない)。外部的なノイズを拾う可能性も考え、DELLのデスクトップPCの真横においてみたが、やはりノイズはない。
 ということで、私としては接続されている機器によってノイズが変化するために賛否が分かれるのだろうと判断する。もちろん、AT-HA20の製品個体差が大きく、たまたま私が購入したものが良かったという可能性もあるが。

 外観だが、小型で場所をとならない。底面と左側面にクッション材がついており、縦置きも出来るようになっている。全面にはボリューム、標準・ミニのヘッドホン出力、電源LED、電源スイッチがある。この電源スイッチがちょっと変わっていて、押してもカチッとはまり込むタイプではない。接点に触って最初の位置に戻ってしまう。最初不良かと思ったのだが、こういうもののようだ。電源が入ると前面のLEDとともに、内部の青色LEDが点灯する。天板が厚味のある透明アクリルなので、中の基盤が青く照らされて見えることになるのだが、内部に魅力を感じさせる部分はなく、HA-1Aのように見つめていたくなったりはしない。

 さて、音についてであるが、まず頭に浮かんだのは「素直」という言葉である。アンプというのは、ある程度、そのアンプの音とでもいうべきものを持っている気がするが、それが希薄である。比較として適当かどうか迷うところだがCD5400に接続した状態で、CD5400本体のヘッドホン端子と音を比べると、驚くほど傾向が似ている。ラインから音をとっているためなのか、ほんの少し定位が良くなり、音場が増すが、基本的な傾向は同様である。DVDプレイヤーとつないでいたときと比べれば、遥かに情報量は増えるし、音の傾向も変わるわけだが、これはプレイヤーの違いであって、アンプの性能ではない。「ヘッドホン出力のないプレイヤーのためのヘッドホンアンプ」という意味では、見事にその役割を果たしているといえそうだ。

 買う価値があるかという話になると難しい。据え置きの安価なプレイヤーを持っていて、そこにヘッドホン出力がないというのなら役立つかもしれない。しかし、過度の期待は禁物。ポータブルプレイヤーでの利用にはノイズの問題がつきまとう可能性がある。一番、役に立ちそうなのは、やはり、ヘッドホン出力のあるAVアンプなどを使用しておらず、テレビのイヤホン出力に満足できてないという方ではないだろうか。

投稿者 黒川鍵司 : 12:08 | コメント (21) | トラックバック

2005年7月16日

SparkPlug rabbitmoon CUSTOM

 半ば冗談でrabbitmoonさんに改造を依頼してしまったSparkPlugが帰ってきた。形状、作成方法などについては、rabbitmoonさんのブログの記事(http://blog.so-net.ne.jp/soundrabbit/2005-07-07http://blog.so-net.ne.jp/soundrabbit/2005-07-08http://blog.so-net.ne.jp/soundrabbit/2005-07-10)を参照いただきたい。

 当方では音についてレポートをしたいと思う。
 ネット上の付き合いとはいえ、それなりに見知った仲であるからこそ厳しくいこうと思ったのだが、厳しく突っ込む点が無い。あれほどだらしなく膨らんでいた低音はコンパクトになり、音そのものの形が変化したわけではないが、「だらしない」ではなく「広がりのある」もしくは「豊かな」と表現されるものになっている。それによって、以前はマスクされてしまっていた他の音域が出るようになっている。中音は十分な程度といえるだろう。高音についてはもう少し出ていた方が好みという人もあると思われるが、背面の穴をふさぐことで、そのあたりは調整できそうである。

 これなら十分に普段使いのインナーイヤーとして利用可能である。SparkPlugが最初からのこのようなバランスであれば、もっと売れ行きも上がるのではないか? などと思ってしまう。

 不満があるとすればアルミ管の刻みだけでは、イヤーピースをホールドしきれないことだろう。装着時に根元へとずれてしまうのだ。これについては、当方で、家にあまっていたギボシ端子カバーの太い部分を根元側にはめ込むことによって改善した。

 オーディオマニア的な改造というと元の良さを台無しにしてしまうものが見受けられるが、今回のrabbitmoonさんによる改造は、全体としてSparkPlugの特徴を殺すことなく、うまく飼い馴らしたという印象を受け、非常に好感が持てた。rabbitmoonさんの他の改造ヘッドホンも聴いてみたいと思わせるに十分であった。

 最後にこのような改造を引き受けてくださったrabbitmoonさんに改めて感謝の意を表したいと思う。ありがとうございました。

投稿者 黒川鍵司 : 09:21 | コメント (6) | トラックバック

2005年7月 8日

改造されるSpark

 私が匙を投げたKOSS SparkPlugがrabbitmoonさんの手によって見違えるように改造されております。

 これからも改造は続く模様です。注目であります!

投稿者 黒川鍵司 : 09:36 | コメント (4) | トラックバック

2005年7月 6日

処分しました

 HD51を処分しました。音質的に納得いかなくなってしまって。ごめんね、いままでありがとう。

 というわけでMUSICA hpa100が気になります(金ないよ)。プリメインを買うって手もありますね。悩んどきます。

投稿者 黒川鍵司 : 06:16 | コメント (0) | トラックバック

2005年7月 2日

SparkPlug 40時間くらい

 そういうことで鳴らしている時間が合計して40時間くらいなのですが、う〜ん。これは・・・・・・高音などが出ていないわけではないんです。低音がだらしなく膨らみすぎて、他の音がマスクされてしまっているという状況です。

 というわけでThePlugにつけていたギボシ(ニボシじゃないよ)端子カバーとイヤーピース(ニャーピースじゃないよ)をつけてみました......。

 ほんの少しだけマシになりますが、ThePlugの方がいいですね。

 改造するとすれば下記の形でしょうか。

  • 固めのゴム管 → 金属管
  • スポンジ → ギボシ端子カバー
  • 背面の穴10つ → 対称性を意識しつつ7つくらい塞ぐ

 でも、これだけのことをするモチベーションがありません(笑)。moonrabbit さん、もらってもらえませんか?

投稿者 黒川鍵司 : 09:39 | コメント (7) | トラックバック

2005年6月24日

SparkPlugを買ってみました


 気温も高くなってきてHD25を外で使ってると汗をかくようになってきました。なにか音漏れのしない涼しげなものをとおもっていてER-6なんか良いかなぁと思っていたのです。たまたま、ふらりと電気屋さんに入ってみると、あのThePlugのニューバージョン、SparkPlugが売っていました。音はあまり変わらないといわれていますが、値段も安いですし、ThePlugも好きなので買ってしまいました。

 写真だとコードが白に見えますが、 実際はグレーです。以前のものと変わらなく見えるスポンジは、いったんつぶすと戻るまでにかなり時間がかかるようになりました。ThePlugのスポンジは耳に差し込む前に戻ってしまって、装着するのにも四苦八苦でしたが、こちらのスポンジは差し込むのは簡単です。ただ、戻るまでの間、耳から落ちてしまわないように指で背面をおさえている必要があります。

 以前のものは改造しないと使えたもんじゃありませんでしたが、こちらはとりあえずノーマルでも使用できますね。

 背面の穴はThePlugの6個に対し、SparkPlugは10個となっています。音漏れが気になったので、iPodにつないで鳴らし、裏返して耳に当ててみました。思っていたほどの音漏れはありませんでした。ボリュームを上げすぎなければ、電車内でも利用できそうです。

 で、音の方ですが.........す、すげーこもってる。これだけこもった音は久々です。エージングということを知らない人が聴いたら、即座にごみ箱行きではないかと思えるくらいです。ThePlugはそんなことなかったのになぁ......。でもエージングで化けるのかな? とりあえず、この土日鳴らしっぱなしにしてみて、もう一度レポートしようと思います。

投稿者 黒川鍵司 : 13:36 | コメント (19) | トラックバック

2005年5月23日

達者で暮らせよ

 E2-E4などを聴く際や、映画を見る際に役立ってくれていたULTRASONE HFI-500DJ1 PRO-line(ULE)が、お婿入りすることになりました。

 もともとDJ用とされているわけでして、DJに使ってくれる人のところにいた方が彼も幸せでありましょう。アメショさんのところで達者で暮らすんだよ、DJ1。いつか元気な姿を見せておくれよ。

投稿者 黒川鍵司 : 10:30 | コメント (8) | トラックバック

2005年5月19日

換えてみた

 手持ちのALESSANDRO MUSIC SERIES ONE(MS-1)のイヤーパッドを付属のものから、GRADO SR225用のものに換えてみました。思ったとおり音の変化がありました。


  • 足りないと思っていた高音が出るようになった。

  • 発音面と耳の間に空間ができたためか、音が広がるようになった。

  • 低音がちょっと薄くなった。

  • 装着感が悪くなった。

 最後のはお約束ですね(笑)。低音が薄くなった分、高音部のすっきりさはポタプロよりも強いかもしれません。人によっては痛いと思う可能性もありますね。こうなってくると確かにSR80よりはSR225に近いように思えてきます。ということは聴いたことのないSR125相当なんでしょうかね。個人的には楽しければ、どっちでもいいんですが、しきりと話題になっただけにちょっと考えてしまったりします。

 とにかくも、持っているヘッドホンの音にバリエーションが増えてよかったと感じています。

投稿者 黒川鍵司 : 21:33 | コメント (21) | トラックバック

2005年5月13日

SENNHEISER HD25-1

hd25.jpg
 ポータブル向けでロック中心なら最強といわれることの多いヘッドホンである。価格でもかなり他を引き離している。標準価格は42000円、実売価格は2万円前半から3万円前半で、電車内で利用されるだろう機種で、これよりも高価なのは実売価格40000円程度ののBOSE QuietComfort2(海外のサイトではridiculous priceと評されている)と実売価格45000円前後のSHURE E5cくらいしかない。

 率直な感想として見た目に、そのような高価なヘッドホンにはまったく見えない。まったく飾り気のなく、奇のてらいのない実用主義。この価格帯にもかかわらず金メッキされていないジャック、多少不思議に見えるケーブル位置はあくまで実作業を考えた配置、各ケーブル、パッドなどはユーザ自身で交換可能、外れにくくなるよう側圧は強く、頭部で安定するようアームの部分が二つに割れ、また長時間の片耳利用が可能なようにイヤーカップごと跳ね上げることもできる。遮音性はかなり高く、電池などを利用しないもので、これ以上の遮音性を求めるのならカナル式(耳栓型)の類、オーバーヘッドならKOSSのQZ99を選ぶことになるだろう。これらすべての特徴は屋外でのモニター作業を円滑に進めるという目的に収斂する。

 つまり、もともとポータブルCDプレーヤーやiPodなどでの利用を想定したものではない。だから、電池の寿命を伸ばすために能率が極端に良いわけでも、収納しやすくするために折りたたむことができるわけでもなく、つけた姿がさまになるようなデザインでもなく、高級感もない。GRADO系と並ぶ無骨さ、男くささが感じられるヘッドホンである。

 音の方だが、さすがモニターを目的にしているだけある。分離感がよくボーカルのハモリをきれいに聞き分けることができるし、ごく短いパッセージの同じ音程の発信音が連続してもつながってしまうことなく、それが左右に振られてもきっちり位置が聴き取れる。低音が強調されているのは、恐らく屋外の騒音で消されやすい部分だからであろう。同社製のHD580のような音のたおやかさははなく、硬く、アタック感がつよい。またスケールも狭い。こう書くと、一部のモニター用ヘッドホンの、無味乾燥で聴き疲れする金属的なイメージの音を連想されてしまうだろうか。このヘッドホンにはもう少し暖かみがあり、硬質といっても黒檀のような有機的なものを連想してほしく思う。確かに激しさのあるロックやポップスは似合う。クラシックだとちょっと硬すぎるが、多少攻撃的なストリングスの音などは悪くない。

 装着については、側圧の強さのために頭痛を起こす可能性が多分にある。また、メガネをつけたまま使用すると、つるが触れている部分が痛くなる。この側圧の強さは遮音性の高さ、音漏れ防止性の高さを作り出すものなので、まぁ、我慢するしかないだろう。

 最後に本当にポータブル最強なのかどうかということだが、総合的な音質、遮音性などでは、かなり高いレベルに達している。無骨で古臭さが感じられる姿も見ようによってはかっこよくも思える。しかし、携帯性はかなり低い。折りたためないし、体積を減らすこともできず、かなりかさばる。そして最大の問題は価格だ。たしかに音の良さは認めるが、PX200やK26Pの3〜6台分の金額を払う価値があるかどうかといわれると首を傾げざるをえない。オーディオは価格帯が上がるにつれ費用対効果が下がるというのは、わかりきっていることだが、それにしても、業務で使うのならともかく、それ以外でこれをポータブルプレーヤーで使用するのは、よっぽどお金が余っている人か、ヘッドホンに並々ならぬこだわりを持っている人だけだろう。というわけで確かに優れたヘッドホンだが、コストパフォーマンスの面から万人に薦められるものではないと考える。

投稿者 黒川鍵司 : 15:15 | コメント (8) | トラックバック

2005年5月 6日

beyerdynamic DT-770PRO

dt770pro.jpg
 MAGMAの重厚さを存分に味わいたい。そういう願望でヘッドホンを選ぶことにし、日ごろお世話になっているダイナミックオーディオ5555さんにコンタルコス・アンテリアのCDを持ち込んだ。オーディオテクニカのA900、A1000、W1000、ウルトラゾーネのPROline 750などだけで飽き足らず、高級モデルのL3000、SR-007、edition7にまで至り、おそらく3時間以上試聴したと思う。そうして選んだのがbeyerdynamic DT-770PROだった。コーラスに焦点を当てるのであれば、すでにK501というヘッドホンを所有しているが、ベース中心の太く力強い存在感のある低音、重低音、そして意外と高音よりのセッティングのドラムセット、特にシンバルとハイハットを定位感良く鳴らしてくれるヘッドホンとしては、このDT-770がうってつけだった。こう書くと、単なるドンシャリ(高音と低音が強調された音のこと)ヘッドホンと思われてしまうかもしれないが、ボーカル曲にたいしても十分の能力があるし、全体の解像度もかなりのものだ。

 しかし、それら以上に、このDT-770には不思議な感覚がある。他の低音に強いヘッドホン、例えばKOSSの一部のヘッドホンやGRADO系のヘッドホンに感じられる軽快さというかノリの良さのようなものがなく、なにか上目遣いでにらむような感覚がどこかに漂う。特に低めのピアノの音などで顕著だ。エアリーさんで言われている「暗い音調」というのがこれなのだと納得した。でも、何がその理由なのかがわからない。別に音がこもっているわけでも、高音が不足しているわけでもないと思うのだが......。暗さというと悪いイメージがもたれるかもしれないが、これは私が聴いたことのある他のヘッドホンでは味わったことがないものであり、かけがえのないものでもあり、ある種の神秘性や、崇高さに結びつく瞬間もある。ポポルヴー、前述のMAGMAなどにここまで似合う音を出してくれるヘッドホンはないだろう。きっと一部のジャズにも似合うと思う。

 よく言われるヘッドバンドが短さだが、確かにそのとおりだと思う。私の場合でも左右ともに残り二段階分の余裕しかなく、顔の横幅が広めの人にはつらいと思う。装着感はかなり良いだけに、もったいない点である。装着に問題がなければ、遮音性はかなりのものだが、音漏れはそれなりにする。インピーダンスの高さ(私が購入したものは250オーム。80オームのものもある)から、ポータブル機器で屋外で使用するという場面はないとおもうが、その点は注意すべきかもしれない。また、このヘッドホンは録音上の粗を驚くほどよく拾う。HD580などでは、それなりにごまかされてしまうノイズ、特にアナログ盤起こしのCDによくあるスクラッチノイズやヒスノイズがかなり目立ってしまうので、古い録音状態のよくない音源の聴くときには、ちょっと覚悟しておいたほうが良いかもしれない。

投稿者 黒川鍵司 : 22:26 | コメント (5) | トラックバック

2005年5月 3日

KOSS A/250

koss_a_250.jpg
 まずはっきりさせなければならないことは、このヘッドホンは開放型であるということだ。KOSSのオフィシャルサイトでもCLOSEDとされていたし、日本でも密閉とされることが多い。しかし、ハウジング背面には細かい穴が全面にあいており、30センチ以上離れても十分音楽を聞き取れる。これを密閉と呼ぶのならHD580やK501も密閉と呼ばねばならないだろう。(2005年5月4日訂正 訂正理由についてはコメント欄を参照して下さい)

 このヘッドホンはメーカー側の分類では密閉型とされ、日本でもそう記述されることが多いが、ハウジング背面全面に細かな穴が開いており、使用者から30 センチ以上離れても十分音楽を聞き取れる。そのため音漏れ、遮音性の面からはHD580やK501などの開放型と同等として扱うべきだろう。

 外見上、非常に特徴的なのはイヤーカップ、イヤーパッドが縦長であることであろう。お陰で耳は非常に楽なのだが、装着した姿は左右に小さなお弁当箱をつけているかのようになる。イヤーパッドの装着感はなかなか良いのだが、レザーが薄めで、交換可能なのであまり心配はいらないかもしれないが、劣化が早そうに感じる。アームの部分はクッションの弾力も、レザーも硬さもちょうどよく、頭頂部に不快感を感じることはない。

 おまけのような形でキャリングバックみたいなものが付属するのだが、どう考えてもそのままでは入らない。どうやるのかと思って説明書きを読んでみると、なんと発音部とアームを簡単に外すことができるのである。つまり「ばらして持ち歩け」ということである。

 プラグの形状は標準プラグで、ミニへの変換プラグが付属している。コードの形状がちょっと変わっていて、4芯分をそのまま並べてくっつけたような平べったいケーブルである。きしめん状といえばわかりやすいだろうか。通常のストレートコードと取り扱いに変化が出る訳ではないが、音質面では何かしらの効用があるのかもしれない。

 音の傾向はKOSSらしく低音の迫力を持ちながらも、全体としてはバランスよく、ノリのよさを保ちながらも細かな音も拾ってくれるし、完全な頭内定位だが、位置をかっちり決めてくれるので、全体の把握も容易ですっきりと感じられる。しかし、そのかっちりした定位との引き換えなのか音場は狭く、そのためなのか鳴っている楽器の数が多くなると、音が雑然としてくる。なので大編成のオーケストラによる交響曲などには向いていない。向いているのは、打込なども含むロック、比較的少人数編成のジャズだと思う。私個人としてはミック・カーンの「Tooth Mother」が非常によくハマると感じている。

 アンプにたいする反応は素直で、HA-1Aの真空管動作の傾向も、そのまま反映する。ウルトラリニアでは高音が伸び、多少奥行きが増え、3極管接続では音に厚みが出る。どちらのモードも似合う。CD5400に直差しでも、HD51に接続しても、機器の特徴を反映した音を出してくれる。ただし、能率はあまり良くないので、ポータブルプレーヤーにはつらい。私が利用しているiPodでは音量を9割程度にしないとまともに聴くことができない。

 総じてよいヘッドホンだと思うが、いくつか難点がある。まず価格。定価は4万円、実売価格は2万6千円〜3万円半程度だったようだ。この金額であればHD580やHD600、ATH-A900、A1000などを手に入れたほうがよいと思う。そして最大の難点は、このヘッドホンが既に生産完了となっていることだ。ゆえにデッドストックか中古品を見つけない限り入手は困難である。この2つの問題がクリアできるのであれば、ロックを中心に聴く人にとって、購入する価値のあるヘッドホンといえそうだ。

投稿者 黒川鍵司 : 12:24 | コメント (19) | トラックバック

2005年4月27日

また増えるヘッドホン

 KOSS A/250とbeyerdynamic DT770 PROのレビューが書き終わりません。両方とも良いヘッドホンなので早くレポートしたいと思っているのですが、なかなか進みません。そんな間に、またヘッドホンが増えることになりました。

 今度来るのはHD25-1。ポータブルでは最強と言われることも多いヘッドホンです。気に入ってしまったら、K26Pとどうすみわけさせようかと、到着前から悩んでおります。う〜ん。

投稿者 黒川鍵司 : 14:38 | コメント (5) | トラックバック

2005年4月18日

MS-1とポタプロ

 ALESSANDRO MUSIC SERIES ONE(以下MS-1)とKOSS Porta Pro(以下、ポタプロ)を比較してみて欲しいというご要望をいただいた。私ごときでは力不足な気もするが、簡単に比較してみた。簡単な割に時間がかかったが......。
 なお、この記事はこの二つの製品の相対的比較であって、他のヘッドホンを基準としていない。あくまで他方に比べればという枠組みでお読みいただきたい。それぞれの特徴については、他の記事としてまとめているのでそちらを参照して欲しい。


 ポタプロをHA-1Aに接続する際には付属の変換プラグを使用した。また当方のMS-1は標準プラグ仕様のためiPodとの接続の際にはGRADOの変換ケーブルを使用した。他の変換プラグ、ケーブルを使用した場合には異なる結果が出るかもしれない。

    ポタプロ
  • HA-1Aを通すとまさに暴れん坊の面目躍如の低音。iPodだとむしろちょうどいい。

  • 比較した場合の特徴は低音ではなく、中音から上のすっきりさ。そのせいで機械的な音もいける。

  • 音の広がりはこちらの方がだいぶ広い。

  • 屋外での使用時、構造上、風切り音が発生しやすい。

  • 外部の雑音には本当に弱い。

  • スピード感がある曲にはとても似合う。

  • おすすめの1枚「Live...or Dead/Daemonia


    MS-1
  • 音に厚みがあるので、外部の音が入ってきても、しっかりと音楽を楽しめる。

  • 若干iPodの力不足がみえる。やっぱり据え置きで聴きたい。

  • もう少し高音が抜けて欲しいと思う場面もある。

  • 本当は260g前後(HD580と同程度)あると思われるが、もっと軽い気がする。

  • ケーブルが太く(ポータプロの4倍近い太さ)、重い。また、太さにしたがって柔軟性が低く取り回しが悪い。

  • こちらの方が細かい音も拾ってくれている。

  • 郷愁などの感情表現は得意。

  • おすすめの1枚「The Soul Cages/Sting


    共通点etc.
  • K26PやMX500、The Plugなどに比べると圧倒的に開放感があってすっきりしている。

  • インピーダンスがポタプロは60オーム、MS-1は32オームとなっているがiPodで聞く際の音量ゲージは同じぐらい。なお、HA-1Aの場合は低音が暴れるのでポタプロがちょっと低め。

  • 低音重視の傾向で、ベースやバスドラ、低めのタムが目立つ。

  • 強烈な騒音、例えば線路際での電車の通過などには、まったく無力。

  • 音漏れが激しいので電車内などでは使えない。

  • 低音に丸さがあって刺々しくない。また、その影響か全体的に冷たさを感じない。


 もう少し時間をかけてゆっくり差をみていけば、さらに違いや共通点をあげられると思う。気がついたらどこかで追加記事を書こうかと思う。
 ちなみに冒頭に書いた「時間がかかった」理由は、至極簡単でMS-1をつけて、1日外出してみたからなのだ。その経験も箇条書きしておこう。

  • 4〜5歳の子供がいぶかしげに見つめてくる。

  • 大型電気量販店でオーディオ売り場を見ていると、いつもはいつの間にか店員が寄ってきているのだが、まったく寄ってこない。むしろ避けられている。

  • 電車の中では演奏を停止して、耳から外し首にかけておいたのだか、やはりかなり目を引いた。とくに年配の方の好奇の目を感じた。


 次はベイヤーのDT770をつけて出かけてみようかと思う(笑)。

投稿者 黒川鍵司 : 22:36 | コメント (26) | トラックバック

2005年4月15日

ULTRASONE HFI-500DJ1 PRO-line(ULE)

 ヘッドホンメーカーには50年以上の歴史をもつブランドが多い。ゼンハイザーは1945年創業、AKGは1947年、KOSS、GRADOは1953年。そしてベイヤーダイナミックに至っては1924年創業である。そんな中、1990年創設のウルトラゾーネ(ULTRASONE。ウルトラゾーンと読む場合もある)は新興ブランドといえるだろう。

 どんな分野でも新興ブランドは、今までにない機能を売りにする場合が多い。ウルトラゾーネもそれに漏れず、頭外定位のS-LOGICと電磁波カット技術のLE、ULEを売り物にしている。

dj1.jpg

 さて、今回購入したHFI-500DJ1 PRO-lineだが型落ちであるため、現在発売されている通常のDJ1よりも安く買えた。そうでなければ、わざわざ、これを買う必要はないだろう。ハウジングの形状、カラーリングもまるっきり同じで、外見上の差といえば、「ULE」と書いたシールが貼ってあるかないかでしかない。もちろん、電磁波をさらにカットしているのだろうけど、音には基本的に差はないはずだ。電磁波による健康被害の有無も実際のところどうかわからない。つまり、差は、ほぼ気分の問題である。

 現在、PRO-lineシリーズでは、ハウジングの形状が平たくなり、ケーブルやら換えのパッドやらを同封されるようになった。目に見えない電磁波のカット率だけでは値段分の差別化が図れないという判断に基づいての変更だろう。

 肝心の音だが、よく言えば「歯切れのいい」「タイト」、悪く言えば「味気ない」「物足りない」となるだろうか。音の立ち上がりの反応はよいし、輪郭もハッキリしている。しかし、それゆえにタイトで音のふくらみがなく、余韻を感じさせない。80年代以降のロックやポップスでは、この特徴が良い方向に作用する場合が多い。いわゆるテクノやハウス、トランスの類も同様で、「E2-E4」に似合うヘッドホンが欲しいという願望も満足させることができた。デビッド・ボウイの「レッツ・ダンス」、ザ・パワー・ステーションの同名アルバムなどにも良くあう。しかし、同じボウイでも「ジギー・スターダスト」は聴けないわけではないが、覚めた味気ない音になってしまう。総じてGRADO系に似合いそうな音楽には向いていない。また、クラシックやジャズも聴けないわけではない。テンポの速い曲であれば、結構楽しめる。しかし、余韻に浸るような聴き方はできないし、ソプラノ歌手が高い声を伸ばして歌うような場面があると、途中で音が揺らいだり、引っ込んだように聞こえたりすることもある。

 DJという名前からも期待されるだろう低音、重低音は、音源にそれが含まれていれば出る。含まれていなければ出ない。ゆえになんでもかんでも重低音がドカドカ鳴ってないと気がすまないという人には薦めない。出る低音は量も低さも十分だがタイトで、KOSSのThe PLUGのデフォルト状態で聞かされる膨らんだ低音ではない。なので、低音が強く出ても、他の音を隠してしまうということはほとんどない。

 それ以上に最初に印象に残るのは高音部ではないだろうか。立ち上がりの反応の良さが裏目に出て、シンバルなどのアタックの強い高音あると耳に痛いことがあるのだ。これを利点と考えれば、高低幅広く音を出してくれ、どの音も明確だ、ということになるだろう。私自身も音源に正直で、わかりやすい音を出してくれていると思っている。私が所有しているヘッドホンでは、最もモニター的な音だといえるかもしれない。

 売り物の頭外定位は、それほど不自然ではない。音場が広大というわけでもないことが不自然さを感じさせない理由かもしれない。外耳に音を当てて立体感を出す方法だというから、もしかしたら、人によって(耳の形によって)はもっと違う感じ方をするのかもしれない。私の場合、どういうわけかK26Pと似た定位になることがある。K26Pが頭外定位を売りにしているなんて聞いたことないが、もしかしたら耳乗せ式であるために多少角度がつき、発音部の奥行きが他の耳乗せ式のヘッドホンよりも深いことでS-LOGICと似た効果を出すことがあるのかもしれない、と勝手に考えたりもしている。

 電磁波の件はやっぱり体感できるものではないようだ。プラセボ効果で健康に良いような気はするけれど、他のヘッドホン同様、聴き疲れはする。

 HA-1Aとの相性だが、ブラウン管の動作音(※)のような高いノイズが聞こえることがある。他の能率の良いヘッドホンで聴いても、このような音はしないので、私の所有するHA-1Aとこのヘッドホンとの相性だろう。音についても、あえて真空管アンプを使う理由を感じない。真空管特有の厚みや、丸みが良い効果をもたらす音の傾向ではないからだ。むしろCD5400のヘッドホン端子、HD51のほうがしっくりくる。

 多少、音のパワーが落ちる気がするがiPodなどのポータブル機器で聴くのも悪くない。密閉型なので電車内などでも使用可能ではある。しかし、カラーリングと背面のロゴがかなり目立つので、それに似合う服装でないとヘッドホンだけ浮いてしまうだろう。私はDJ系の方とは、程遠い服装なので、あくまで室内用である。

※テレビなどが動作しているときに聴こえるノイズ。非常に高い音で擬音にしづらいのだが「ツーン」とか「シーン」といった感じの音。聴こえない人もいる。

投稿者 黒川鍵司 : 16:40 | コメント (2) | トラックバック

2005年4月 6日

KOSS Porta Pro

porta_pro.jpg
 使い道に困るヘッドホンだ。名前の通り、ポータブル用途とのことだが開放型のため音が漏れ、電車などでは使用がはばかられる。当然のごとく遮音性もないため、都会の雑踏では様々な環境雑音でまともに楽しむことができない。となると静かな公園でジョギングするときなどに使うということになるだろうが、KOSSの伝統なのか何か知らないがThe Plug同様ケーブルが細く、作りも折りたたむのが怖いくらい華奢なので、そのような用途では使い捨てということになりそうだ。それにしては価格が高い(7000〜8000円台で販売されることが多い)。使い捨るなら、せいぜい3000円台までだろう。

 それにもかかわらず、一部で熱烈に支持されるのは、言うまでもないことなのかもしれないが、その音が理由だろう。薄っぺらい発音部からは信じられない強い低音(重低音ではない)、かなり上まで出る高音。そして、それらに厚ぼったさがなく、輪郭がすっきりとしているため、分解能が高いわけではないが、分離感のよい見通しの良い音となっている。上品でも、高品質でもないが、おおよそのロックと分類される音楽には年代や傾向を問わず良くあう音だ。また、この音の傾向は、ポータブルの再生装置で弱くなりがちが部分を補う役目も果たしてくれるようだ。

 装着感は、心地よいとはいえないのだが、非常に軽量で、また、イヤーカップを3段階に角度調整する機能があり、側圧を換えることができる。お陰でつけているのを忘れそうになる。これも魅力かもしれない。

 この手のものとしてはインピーダンスが60オームと高めで、遮音性の問題もありボリュームを上げなくてはならなず、その分早く電池を消耗する。しかし、上記のような魅力から、自宅で何か作業をするときや、その延長で歩いて近所に買い物にいくとき、iPodに接続して気軽にBGMを楽しませてもらっている。

 なお、このPortaProには姉妹機(兄弟機?)のSportaProという機種があり、価格が1000円〜2000円程度安い。多少、機能や外見の差があるようだが、音の傾向は同一らしい。音だけで選ぶのなら、こちらの方が良いかもしれない。

投稿者 黒川鍵司 : 16:26 | コメント (0) | トラックバック

2005年4月 2日

ヘッドホンまた増える

 HFI-500DJ1 PRO-lineのレビューも書かないうちに、またヘッドホンが増えました。今回は2つ。KOSSのPortaProA/250。両方とも、なかなか個性的なヘッドホンです。格安で販売してくれたpishacoさんの彼氏さん、本当にありがとうございます。

 ちなみに上記リンク先でA/250は密閉型となっていますが、イヤーカップに細かい穴が開いていますので開放型です。とこんな情報お伝えしても、今はほとんど手に入らないヘッドホンですから、あまり意味はでしょう(笑)。

 HFI-500DJ1 PRO-lineのレビューが終わったら、この2本のエージングをまともに開始しようと思います。

投稿者 黒川鍵司 : 20:23 | コメント (5) | トラックバック

2005年3月31日

KOSS The Plug(ギボシ改造+背面塞ぎ)

 ギボシ改造以降、すっかり通勤の友となっているThe Plugですが、ちょっと前から背面の6つの穴からの音漏れが気になっていました。丸型のシールでも買って塞ごうかなぁと思っていたのですが、どうも、似合いそうなシールが見つかりませんでした。
 ふと、趣味は音楽鑑賞さんの過去ログを読んで、ひざポン(死語?)。木工用ボンド!アレなら透明になるからいいですね。というわけで近所のダイソーで105円で買ってきました。

 背面の穴の中にボンドが入りすぎるのが怖かったので、まずは薄っすらとぬってドライヤーの冷風で乾かし、その後、たっぷりと盛りました。木工用ボンドは乾くと、かなり嵩が減るのでけちけちしないでたっぷりと。そして転がっちゃうとまずいので空き缶のふちに引っ掛けて一日置いておきました。
 
 で、できあがり。塗りが適当なので、ちょっと汚らしいんですが、ま、気にするタイプでもないので。音を確かめてみると、塞ぐ前とあんまり変わった気がしません。安価なカナル式くせに、意外と音の広がりがある、あのままです。音漏れはほとんどしなくなりました。これで電車内でもさらに安心できそうです。

 ちなみにK26Pはプライベートのお出かけ時、もしくは気が向いたときの通勤用として利用しております。どっちも低音に強いですが、キャラクターは違っていて、なかなか楽しめます。

投稿者 黒川鍵司 : 21:13 | コメント (0) | トラックバック

2005年3月24日

ALESSANDRO MUSIC SERIES ONE(MS-1)

alessandro_ms1.jpg
 一部では有名なGRADOのOEMヘッドホンである。GRADOのヘッドホンでどれに相当するのかということがずいぶん話題になるのだが、イヤーパッドの形状が異なるので単純な比較はできないだろう。私がGRADO純正のヘッドホンを持っていれば、パッドを付け替えて確認ということもできるのだろうが、そこまでお金持ちではないので9千円程度(その後、値上げされ今では1万3千円程度)のMS-1を買った次第だ。強いて、試聴レベルのまったく不確かな記憶をたどって比較すると、SR-60よりは解像度は上のような気がするが、SR-225ほど綺麗に高音が抜けないような気がする。そうなると80か125となるのだろうか。しかし、むしろ別物と考えてしまうのはどうだろう。その方がスッキリすると思うのだが。

 試聴するまで、ロック向きと言われていたのでGRADOには荒馬のようなイメージがあった。「必要最小限」といった無骨な外見とケーブルの太さも、それを助長していた。しかし、225を聴いてみたところ意外なまでにスッキリと綺麗に抜けていく音が心地よかった。「楽しく聴ける味付け」といわれるのが良くわかった気がした。原音再生ではないだろうが、気持ちの良い音だった。装着感は良くなかったけれども。

 MS-1は確かにGRADOの特徴を備えているようだ。音が近く、開放型なのに低音が力強く、それでいて音の抜けが良いのでスッキリしている。音が近いというのは普通は欠点になるのだけれど、ここではそれが利点で、アーティストの近くにいるような雰囲気がする。きっと音が近いヘッドホンにありがちな篭もりがなく、スピードのある音楽でももたつくことがないのが、それを利点に変えているのだろう。よく聴けば、それなりに細かい音も拾ってくれているのだが、それ以上に全体のノリの良さに耳が行ってしまう。なので触れ込みのモニター用途にはまったく向いていない。

 得意な音はギター、特にアコースティックなギター類。また、ボーカルも前面に出てくる感じで、聴いていると一緒に歌いたくなってしまったりする。シンプルなジャズや、ちょっと古めのロックには良く合う。クラシックギターの早弾き(つまり足立兄弟だ)などには最高に似合うといえる。これは、出てくる音自体に温かみがあることが大きく影響しているように思う。だから、冷たい感触の曲、例えばゴブリンの「サスペリア」を聴いたりすると何か別のものに聞こえてしまったりする。また、音の近さの影響でフルオーケストラの壮大な曲もあわない。

 イヤーカップ背面は、見た目の通り、まったく筒抜けと言って良い状態である。構造上、発音部をくるくる回すことができるのだが、左右の背面側を耳に向けてもヘッドホンとして成り立ちそうなほど音が漏れる。通常利用時に、この背面を遮ってしまうと、音のふくらみが消えて、耳障りな音になってしまう。試聴時、落ちそうな気がして手を添えてしまうことがよくあるが、GRADOのヘッドホンに関しては、他の開放型以上に影響を受けやすいようなので、気をつけたほうだ良いだろう。前情報では、ミニプラグで変換コネクタがついてくるとなっていたのだが、実際届いたものは標準プラグのみのものとなっている。よく箱を見ると封をしているシールに「□MINI PLUG」という印刷がある。ミニプラグの場合、この□が塗りつぶされるようだ。つまり、2つの仕様があるのだ。私の場合は、アンプ経由で聴いているので問題なかったが、ポータブル機での再生を考えている人は注意すべきだろう。

 MS-1はAKG K501以上にジャンルを選ぶヘッドホンだといえるかもしれない。正規代理店の定価2万6千円は高すぎると思うが、好みが絶妙にはまれば1万4千円でも、コストパフォーマンスの良いヘッドホンだろう。最大の欠点は、聴いているとGRADO純正の中級クラス以上のヘッドホンが欲しくなってきてしまうということだろうか。

投稿者 黒川鍵司 : 00:05 | コメント (8) | トラックバック

2005年3月19日

Cayin HA-1A使用感レポート

 購入して1週間。意図的にエージングも行い、落ち着いてきたと思われるのでレポートしてみる。いつもよりもまともに書いてみるつもりだが、もって生まれたいい加減さと、愚耳ゆえにどこまで役に立つレポートとなるかは、不明である。どうぞ、試聴前の参照くらいの気分で読んでいただきたい。

■外見
 でかい(幅130mm×高さ230mm×奥行き300mm)。体積なら、ライバルであろう東京サウンドのVALVE-Xの倍くらいある。そして重い(7kg)。ヘッドホンアンプとしてみたことあるもので、これよりも重いものは、ラックスマンのP-1、トライオードのTRV-84HDぐらいなものだ。大きさ重さに比例して剛性はかなり高そうである。

 本体前面には以下のものがある。
・中を覗くことができる窓
・ボリューム
・電源スイッチ
・動作確認LED
・プリメインON/OFFスイッチ
・標準ヘッドホン端子

 動作確認LEDは青色だが、HD51ほどまぶしくはない。前面の窓から、その青色の光が前面内部ぼんやりと照らし、その光の中に真空管のほの暖かい光が灯るのが見える。
 プリメインのスイッチをONにすると、ヘッドホンには出力しなくなる。
 ボリュームを動かした際にノイズなどは発生せず、スムースに音量が上がる。
 ミニジャック端子はなく、標準ヘッドホン端子のみである。そのため、ミニジャックのヘッドホンでは変換プラグが必要となる。

 本体背面には以下のものがある。
・インピーダンス切り替えボリューム
・スピーカー出力
・プリアンプ出力
・RCA入力
・Triode-Ultralinear切り替えスイッチ
・電源ソケット
・ヒューズソケット

 インピーダンスの切り替えは4段階あり、6〜32、33〜64、65〜120、121〜300となっている。ヘッドホンのインピーダンスに合わせるのが基本だが、単に出力の大きさを切り替えているだけのようなので、あまりこだわる必要はなさそうに思う。
 スピーカー、プリアンプ出力については現在のところ利用しておらず、また、知識も不足しているので、詳しく述べられない。申し訳ない。
 RCA入力だが、よくある赤白の色分けがされていない。向かって右側にL、Rと書いてあるのだが一瞬迷ってしまった。
 電源はソケット式なので、ケーブルの交換が可能である。こだわる人はこだわっていただきたい。
 ヒューズについては、交換用のものが2つ付属している。
 Triode-Ultralinear切り替えスイッチは、真空管の動作を切り替えるスイッチである。これで音が変わる。詳しくは後述する。
 足の部分には丸いゴムがはまっていて、金属の部分が地につかないようになっている。インシュレーターになっているということなのだろう。

■音
 HA-1Aには真空管の動作モードが二つある。Triode(3極管接続)とultralinear(ウルトラリニア接続)である。音の差を見るため、手持ちの3種のヘッドホン(SENNHEISER HD580、AKG K501、ALESSANDRO MUSIC SERIES ONE)で、同一の音源を、二つのモードで聴いてみることにした。CDプレーヤーはMarantz CD5400。接続ケーブルはCDプレーヤー付属のものを利用。使用した音源はピンク・フロイド「狂気」の通常CDである。蛇足だが、試聴時の耳をニュートラルにするため、一度聴いた後、30分以上のヘッドホンを利用しないインターバルをおいたことも記しておく。

●HD580による試聴

・Triode
 冒頭の心音(バスドラム)からして、全身に響くように感じる。全ての音に非常に厚みがあり、まるで極太のマジックで縁取りされているかのようだ。その厚みのため、音の密度が高すぎ、情報量もあるため、音の広がりが悪く、見通しが悪い。しかし、音の迫力はすさまじい。ヘヴィメタルなどであればこれが良いかもしれない。SEが妙にリアルで、特に人の声は、脳内で喋られているような気がして気持ち悪いくらいである。

・ultralinear
 当方の環境では本当に若干だが作動ノイズが乗ってくる。裏面のインピーダンス設定を下げれば、かなり緩和できるし、音が鳴り始めてしまえばほとんど気にならない。音の厚みは若干減る(それでもHD51にくらべれば、かなりの厚み)。その分、音に艶と伸びがでて、音に立体感がついたように思われる。中音の厚みが十分で、全体的な音のバランスもよい。音の広がりも良好で、全体の見通しも良い。このアルバムであれば、こちらの方が良いと思う。原音再生か? と問われれば、違うと答えざるを得ないが、これだけの美しさを否定する気にはならない。

●K501による試聴

・Triode
 良好。HD580では、あれほど厚く、ぎっしりとしていた音が、ちょうど良いくらいに中和される。情報量の多さと、高音の繊細さを保ちながらも、音全体に存在感が生じる。そして、それが過剰になり過ぎないので、全体の見通しが非常に良い。広がり、抜けも適切で、これなら何時間でも聴いていられそうだ。きっと、これがK501の本領なのだろう。しかし、ロック的荒々しさを期待している人には、物足りなく感じられるかもしれない。きっと、そういう人はK501を購入しないだろうけれど。
 なお、この組み合わせでのStella Vander「D'ÉPREUVES D'AMOUR」は素晴らしいの一言。伊福部昭の作品などとの相性も良い。ぜひ聴いてみて欲しい音だ。

・ultralinear
 能率の悪さのお陰か、対応インピーダンスをあわせても作動ノイズはほとんど聴こえない。
 音の空間的広がり、透明感、伸びはTriode時以上だが、高音(特にシンバルなどの金物)が強調されすぎ聴き疲れする音となった。音量を少し絞ると多少マシになる。しかし、この音、どこかで聴いたことのある。しばらく聴いていて思い出した。以前試聴したSonyのMDR-SA5000の音(その際はP-1につながれていた)に似ているのだ。私はこのような前頭葉に突き刺さるような高音が嫌いなのだが、MDR-SA5000のファンもいることを考えると、これを良しとする人もあるだろう。

●MUSIC SERIES ONEによる試聴
※このヘッドホンは使用時間が10時間程度で、まだエージングが進んでいない可能性があります。それを差し引いてお読みください。

・Triode
 このヘッドホンの持ち味である音の近さと低音の豊かさに丸い厚みが加わり、全体的に暖かい音となる。もともとの抜けの良さのおかげなのか、音が過密という気はしない。アナログシンセの音よりもギターやピアノ、そしてボーカルなどと相性の良い組み合わせのようで、「タイム」でのギルモアの陶酔気味ギターには身体が動いてしまうし、それに続く「虚空のスキャット」にも浸りきることができるし、「マネー」の変拍子にものれてしまう。ラストもなかなか盛り上がれる。しかし、このアルバムであれば、もうちょっと冷たさがあっても良いだろうと思ったりもする。こういう傾向なので、足立兄弟の同名アルバム、イーグルス「ホテル・カルフォルニア」、ツェッペリン「IV」などはすごく似合う。

・ultralinear
 作動ノイズがある。音は基本的な傾向自体はTriode時と変わらないが、もうちょっとメリハリがついて、多少クリアになり、華やかさが少し出た感じ。どちらの音がいいかは、個人の好みと音楽しだいということになりそうだ。すくなくとも私は今回の曲には、こちらの方があっている気がする。

■HD51と比較して
 HD51はプレーヤーから出力される音を元に、情報量と空間を増幅させてくれるように思う。音を優しくしてしまうという傾向は若干あるが、基本的にはプレーヤーの出力に素直な印象である。つまり、音を作っているのはプレーヤーという感があり、アンプはそこに花を添えるといった具合。
 HA-1Aは、もちろん情報量と空間の増幅も果たしているが、それ以上に音を作り出しているという役割が大きい。主役がアンプなのである。また、HD51に比べヘッドホンの鳴らし方も力強く、余裕さえも感じられる。

■熱
 真空管を利用しているので当然のことながら結構な熱が発生するが、4時間程度の連続使用では天板が触れなくなるほど熱くなるということはなかった。筐体の構造と材質で廃熱をうまく行っているということなのかもしれない。

■その他
 マニュアルには電源投入後、数分待ってヘッドホンをつなぎ使用するようにとかかれている。単なる経験則なので根拠はないのだけれど、30分程度おいてからの方が音が落ち着くようだ。

 一度やってしまったのだが、電源を入れたまま真空管の動作モードの切り替えをおこなうとポップノイズが発生する。結構大きい音なので、切り替えは電源を切ってしばらくたってから行ったほうが良い。

 滑り止め付の手袋がマニュアルに付属している。設置時に落さないように利用? 筐体に指紋がつかないように利用? それとも真空管の交換時に利用? いずれにしろ利用方法がよくわからない。マニュアルにも記述がない。

 プレーヤーから出力のないときに、本当に微かだが、ヘッドホン右側から小さな鈴を鳴らすような音がすることがある。真空管の動作音だろうか? かわいらしい音だったりする。また、日によっては「ジー」という音であるときもある。

 きっと、もっとこだわって電源ケーブルをかえたり、ラインケーブルを変えたりすればもっといい音になるのかもしれないが、当方の住居環境、金銭面などから難しい。ぜひ余裕のある方は、そのあたりでの変化をレポートしていただきたい。

■お薦め度
 私が知る中で、最も高額なヘッドホンアンプはオーディオテクニカのAT-DHA3000(25万程度)であるが、実際に試聴したものではLUXMANのP-1(12万程度)が最も高価だった。そうなると金額的にみて、HA-1A(5万強)は中堅どころといえるだろうか。初級機からのステップアップ、もしくは真空管の入門用には良い価格帯だ。3極管接続とウルトラリニア接続を楽しめ、音質も、製品の品質もかなり良いようなので、買って損ということもないとだろう。私自身、価格も納得できるレベルであると思っているし、音も、外見も、機能も非常に気に入っている。
 しかし、試聴もせずに一番最初に買うヘッドホンアンプとしてお薦めか? といわれると躊躇する。真空管利用で、見た目もそれなりに立派だから所有欲は満たしてくれるかもしれないが、利用するヘッドホン、音源、その他によって期待する音とはならない可能性も十分ある。まったくもって当たり前のことだが、購入前に、自分が利用しているヘッドホンで、できる限り多種のヘッドホンアンプを聴いておいて、自分の傾向をつかんでおくべきだろう。その上でHA-1Aの音が気に入ったのなら、ぜひ購入して楽しんで欲しい思う。

■関係のない感想
 フロイドの「狂気」を、こんなに短い期間に何度も聴いたのは初めてだ。飽きるという感じはしなかった。むしろ発見があったりして楽しかったとさえ言える。
 それでも、全てで聴き終えた後には、ちょっとした達成感と疲労感と、やっとこれで他の曲も聴けるという開放感があったりした。

 さあ、いっぱいいろいろ聴こう。

投稿者 黒川鍵司 : 23:10 | コメント (20) | トラックバック

2005年3月12日

AKG K501

k501.jpg
 購入して3週間程度だろうか。合計すれば60時間程度利用している。
 外見はかっこいいとも美しいともいいかねるが、装着感は非常に良いし、音の開放感、空間的な広がり、弦楽器(特にバイオリン)、管楽器、声(特に女性コーラス)の表現力はHD580よりも秀でており、繊細かつ、どこかに緊張感を漂わせる。HD580があれば必要ないという向きもあるが、これらの美点は、そういって切り捨ててしまうにはもったいなさすぎる。

 反面、低音は、エージングで出るようにはなるが、あっさりとした印象で、迫力不足を感じさせることもある。最もそれがわかりやすかったのが、ENIGMAの「ザ・スクリーン・ビハインド・ザ・ミラー」で、弦楽器、コーラス、ボーカルなどはすばらしいのだが、リズムの部分でものたりなさを残すため、全体としてはHD580で聴いたときの方が良いと思える。

 また、私が使っているヘッドホンアンプHD51とは相性が良くないようで、高音がシャリつくような気がする。むしろCD5400のヘッドホン端子に差し込んだ方が滑らかな感じがする。ダイナミックオーディオ5555さんで試させていただいたところ、どうも真空管を利用したアンプとの相性が良いようだ。

 このヘッドホンで私がCDはオルフ作/オイゲン・ヨッフム指揮「カルミナ・ブラーナ」、マグマ「コンタルコス・アンテリア」を楽しんだといったら意外に思えるだろうか? 確かに迫力を求めるのなら、双方とももっと低音が強調されるヘッドホンがあってるのだろうが、K501の「声」に対する分解能の高さと表現力の豊かさ、そして、その広大な音空間が、これらのCDに良くにあうと思うのだ。

 アジャストがゴムひもなので伸びてしまったらどうしようと思わせるし、HD580以上に盛大に音漏れする(まるでポータブルスピーカーだ)し、なんでも器用に鳴らせるわけでもないし、ソースや機材も選ぶ部分もある。しかし、それらを差し引いても良いヘッドホンだと思う。HD580よりも愛着がわいている。

投稿者 黒川鍵司 : 18:47 | コメント (0) | トラックバック

2005年3月 8日

KOSS The Plug(ギボシ改造)

 一晩のエージングでごくわずかに低音が減りました。本当にごくわずかですが。で、今日は電車で利用してみたのですが、やっぱり、まずつけるのに苦労します。スポンジがすぐに戻っちゃうんですよね。それにでかい。格闘してつけるとやっぱり低音の嵐。会社まで1時間ですが、やっぱり装着感は良くないですね。

 というわけで改造を決意。ギボシ端子のセットと、EP-EX1を昼休みに買ってきました。会社の近所で全部手に入りました。便利な街です。

 基本的にさいたまAudioさんに準拠して作りました。ギボシ端子カバーってすごく柔らかいんですね。画像で見て硬そうに思えていたので、ちょっとおどろき。

 きっと綺麗に作ろうと思ったら、ギボシ端子カバーを釘か千枚通しにでも通して、カッターでくるっと切ればいいんでしょう。私はたいして見た目にこだわっていなかったのでハサミで切りました。また根元がすぐに取れてしまいそうに感じたので、ギボシ端子カバーの太い側を4〜5mmの幅で切って輪にして、根元に押し込みました。これでギボシ端子カバーがずれることがなくなりましたし、イヤーピースが奥にずれてしまうのも防止できて良い感じ。

 で、音ですが、若干、低音が減りました。聴きやすくなったといってもいいかもしれませんが、まだまだモリモリと低音が出ます。これはこれってことでしょう。低音が若干減ったのは、音が逃げるようになったということでしょうか。それとも、ギボシ端子カバーの材質が低音を吸収してるということでしょうか。ま、どちらにせよ、私にとっては良い方向です。もともと音の広がりもあるし、中音域もそれなりにでてるので、MX500と比べれば劣りますが、それでもいい感じです。いわゆるロックにはこっちの方が良いかもしれません。

 それ以上に装着が楽になりました。いままで半分以下の時間で済みます。これなら実用に耐えます。遮音性も結構あります。言うまでもないですが、電車の中であればMX500よりも向いていますね。

 この改造で結構実用的なカナル式イヤフォンに生まれ変わりました。もちろんE2cやE3cなどの方が良いでしょうけども、「iPodはどこにでも携帯するものだし、結構酷使するものだ」とおもってる私には、このギボシ改造のThe Plugぐらいがちょうどいい気がします。1万円以上のものを持ち歩いて使い倒すのは、ちょっと抵抗がありますから。

投稿者 黒川鍵司 : 23:56 | コメント (0) | トラックバック

2005年3月 7日

KOSS The Plug

the_plug.jpg
 一部では有名なKOSSのThe Plugをいただきました。ありがとうpishacoさん。

 エージングがてらiPodにつけて聴いています。ねちょねちょしたスポンジは気持ち悪いし、耳に入れるのもちょっと苦労します。そして確かにこの小さなボディからは想像できないほど低音がでます。でもK26Pで慣れているので、驚きはしませんでした。もっとこもった音を予想していたのですが、そのままでも結構まともな音だと思ってしまいました。メタルなんかはこういうほうが合うんじゃないでしょうか。エージング前のE2cなんかよりは好みの音です。皆さんが装着方法をいろいろと工夫した理由がわかる気がしました。元が悪くないんですね。

...1時間後...

 ちょっといろいろ試してみたんですが、最初に聞いたオジー・オズボーンのベスト盤がたまたま相性が良かったみたいです。MAGMAの「コンタルコス アンテリア」聴いたらすげーや。バスドラで全部隠れちゃうくらい低音が強いです。こらK26Pなんて騒ぎじゃないや。マリリン・マンソンの「Rock is Dead」もとんでもないことになります。こら、たしかに低音ですぎ。信じられない低音です。一晩エージングかけて、明日、電車などで一日利用してみようと思います。

投稿者 黒川鍵司 : 22:54 | コメント (0) | トラックバック

2005年3月 5日

SENNHEISER HD580

hd580.jpg
 使用し始めて2ヶ月になる。音も落ち着いてきたので、まともに評価してみる。

 一言で表現するなら「そつがない」ということになるだろう。どんな音楽も平均以上の音で聴かせてしまうのだ。私がこのヘッドホンで最も楽しめたのは キース・ティペット・グループの「Dedicated to You, But You Weren't Listening」であり、ショルティ指揮の「惑星」だったので、もちろん得意分野がクラシックとジャズだということに異論はない。しかし、音源が酷いものはさすがにどうしようもないが、激しめのロックでも、ポップスでも、それなりに鳴らしてしまう。

 こういう性格のため、音の特徴を述べるのは非常に苦労する。低音がちょっと強められている気はするが、それも特筆するほどのものではない。たしかに解像度は高い。しかし、これが最高のものとはいえない。音の広がりのよさ、抜けのよさもあるが、一番優れているとはいえないだろう。つまり、それぞれの部分だけであれば、これ以上のヘッドホンは存在しているのだ。しかし、それら全体が平均以上のものであるというバランスのよさを持っているヘッドホンは少なく、それがこのヘッドホンを定番化させた理由なのだとおもう。

 そして、そのバランスのよさが、表現力を高める結果となっているようだ。それを如実に感じたのは伊福部昭作曲、広上淳一指揮の「倭太鼓とオーケストラのためのロンド・イン・ブーレスク」だった。この曲、映画ゴジラの「フリゲート・マーチ」として知られるフレーズを中心に展開し、単に明朗で勇壮な曲としか感じていなかったのだが、HD580で聴いてみると、その奥にある悲壮なヒロイズムがあらわれ、全身に鳥肌が立つのを感じた。機器を変えることによって、音楽をもっと豊かに聴くことができるのだと知った瞬間だった。

 インピーダンスは300オームと非常に高いが、やろうとおもえばiPodでも聴くことはできる(もちろん音が痩せてしまったような印象になるが)。なのでヘッドホンアンプがあるにこしたことはないが、据え置きのプレーヤー単体でも聴くことはできると思う。
 
 見た目はどう考えても安っぽい。2万円後半のヘッドホンだとは誰も思わないだろう。せめてケーブルがもうちょっと太めならとおもうのだが。側圧は多少強めだが、耳をすっぽりと覆ってくれるので、耳が痛くなることはなく、長時間の利用も可能。しかし、これに関しても最良のかけ心地なわけではない。

 なんにつけても1番ではないが、平均以上を味あわせてくれるヘッドホンといえそうだ。

投稿者 黒川鍵司 : 23:35 | コメント (2) | トラックバック

2005年2月24日

その後のK26P

 そろそろ使い始めてから1ヶ月になる。音も安定してきたので二度目の感想といく。なお、再生装置は第四世代のiPod、エンコードフォーマットはAACの192kbpsである。

 最初、低音がすごく広がっていたのだが、今はすっかり締まった音となっている。それでも、音程としては、かなり低い音まで再生しているし、低音重視気味であるということには間違いないだろう。といっても、この低音は、日本製のヘッドホンにありがちな、突き上げてくるような低音ではなく、もう少し丸みがある。

 この丸みは他の音程にも共通していて、音のエッジが多少ボケる傾向がある。いわゆるAKGの音というと高音が繊細というイメージなのだが、K26Pは高音が伸びないし、美しく響きわたることも感じられない。きっと、これが人によっては篭もりに聞こえたりしてしまうだろう。K26PにおけるAKGらしさはきっと、ときたまぞっとするくらい艶やかにアコースティック楽器の音が響くことと、見た目からは想像できない音の定位感、遠近感のよさではないだろうか。音についてはAKGとしてはかなり異質なヘッドホンだ。

 このような音の傾向のためKimmo Pohjonenの「Kluster」やDavid Sylvianの「Secrets of the Beehive」では、低音が強調されすぎて、全体をぼんやりしてしまう。逆に伊福部昭の「SF交響ファンタジー」では迫力がでて、身体が動き出しそうになる。曲の選択さえ間違えなければ、かなりよい音楽(音ではない)が楽しめるといえる。

 装着感などについては、以前と変わりないのだが、一点書き忘れていたことがある。きっとPX200でも同様なのだと思うが、イヤーカップの部分が小さいのでベストポジションを捜すにちょっと苦労するのだ。一度位置を決めても、聴いていてなんどもずらし直すことになる。やっぱり、すっぽりと耳の入るタイプのヘッドホンがすきなのだが、スーツに大きなヘッドフォンをつけて似合う顔ではないので我慢するとしよう。

 いろいろ書いてきたが、低音があまり出ないとされるPX200の独壇場だった領域に、低音を重視したK26Pが進出したことは素直に歓迎すべきことだろう。これからiPodなどの携帯音楽機器のためにヘッドホンを買いたいという向きがあれば、このK26Pも選択肢の一つに入れてほしいと思う。S○○yなんて書いてある同一価格帯のヘッドホンをつけているよりも精神衛生的にも良いので。

投稿者 黒川鍵司 : 12:42 | コメント (4) | トラックバック

2005年2月21日

しばしお別れ HD51

 ヘッドフォンアンプHD51なのですが、headphone1側で発生する「ブーン」というノイズが気になったのでメーカーであるCECさんに質問メールを送りました。ついでにheadphone1側のボリューム動作がちょっと悪いですってことも書きました。

 すると翌日、返事がありました。すばやくてびっくりです。返信は以下のとおりでした。

HD51のご愛顧を賜りありがとうございます。

お問合せ頂きました内容につきましてご案内申し上げます。
HD51の出力回路構成は、内部配線等の都合で左側headphone1の方が条件的には不利な構造であり、お察しされているような製品内部の環境が要因と推察します。この場合、それを緩和させることは難しいものと考えます。

また、headphone1側のボリューム動作のご指摘に関しては、弊社にて善処させて頂ければ幸に存じます(本来であれば、ご購入直後ですので製品交換させて頂くべきところですが、完売機種であることから交換用の製品在庫がございません)。
つきましては、重ね重ねご迷惑をお掛けしますが、お手元のHD51を弊社のサービス部門へ送付されますようご協力願います。
前者の「ブーン」と言うノイズに対しても確認させて頂きます。

 アウトレットのような形でいまさら生産完了品を購入したにもかかわらず、手厚いサポートをしていただけるようです。コピー&ペーストの切り張りではないメールの文面からも、小さな会社だからできる小回りの良さというだけではない、顧客を大切にする気持ちが感じられます。

 ネット上の友人がちょっとしたトラブルに巻き込まれています。最初の問い合わせ時の約束を反故にされ、それについてメールを2回送ってもまったく返事がないというのです。無料サービスのサポートというのならちょっとは差し引いて考えますが、彼女は有料サービスを申し込んでいたのです。それにもかかわらず、この対応です。

 相手はライブドア。

 今何かと話題ですな。どうせ、リーマン・ブラザーズ証券の傀儡に過ぎない実態のなきに等しい会社だと、こういう部分でも露呈している気がします。YahooBBもJUGEMも同様の傾向がみられます。IT系ってのはそういうもんなんですかね? 自分もIT系の端くれなのですが、まったく恥ずかしく思えてきます。

 それにくらべて音響関係の会社は、自分でものを作ってるだけあって、顧客というものが見えているということなんでしょうか。最近こういう対応をしてもらうことがなかったので感激しました。音は気に入ってるだけに、短い間でも手放すのは寂しいです。しかし、チェックしてもらえるとのことですのでお送りしようと思います。

投稿者 黒川鍵司 : 14:15 | コメント (0) | トラックバック

2005年2月10日

ヘッドフォンアンプ購入

 今月、いろいろやりくりした結果、多少予算が取れた。というわけでヘッドホンアンプを買おうと考えて、あるお店にうかがった。CECのHD53が、バージョンアップ版発売のために安くなっていたので、それを狙っていたのだが、お店にうかがって店員さんとお話ししてみると、今日数量限定でHD51が入荷したという。これならばHD53よりも9千円ちかく安く買えるし、新品扱いなので保障もつく。

 さいたまAUDIOによればHD53はHD51の問題点を改善したものだという。


  1. HD51の低インピーダンスにおける音質低下の改善

  2. HD51とCDPをRCA-XLR変換ケーブルで接続したときに出力端子2の音量が使い物にならないくらいに低下する問題の改善

  3. スピーカー端子のバナナプラグ対応


 やっぱりHD53のほうがいいかなぁと思ったのだが、

  1. 低インピーダンスのヘッドホンは接続しない

  2. RCAでしかつなぐ予定はない

  3. スピーカーを接続する予定もない


 のでHD51でも問題はないと判断した。というわけで購入。

 そして感想。まず劇的な変化というものは期待していなかった。しかし、音の情報量と広がりの増加は意識せずとも認識できる範囲である。音の地図がさらに詳細になって、範囲も広くなったといった具合か。CD5400のヘッドホン端子と差し替えてみると、さらに明確にわかる。ヘッドホンの鳴り方にも余裕を感じる。これだけで購入した甲斐があったと思ったのだが、これがHD51によるものなのか、CD5400のラインから音を取ったために起こったのかはよくわからない。とにかく向上したことは感じられるので良しとしよう。

 ちょっとした問題としては、時間がたつと、本当にかすかだが「ブーン」という動作音がヘッドホンの音に乗ってくる。電源を入れなおすと直ったので、エージング(アンプにもあるのかしら?)で直る可能性もありそうだ。動作を示す青色LEDはずいぶんと明るい。正直まぶしいくらいだ。ここまで明るくなくていい。それに、なんで青色LEDなのだろう。普通のLEDよりも高いと思うのだが、たまたま大量在庫を抱えていたので使ったということなのだろうか。LEDなしにしたらもっとコストダウンできるのではないかと考えてもしまう。

 今回は型落ちなのでかなり安く、コストパフォーマンスも相応と感じたが、発売当時の価格であったなら不満を抱いていたと思う。ヘッドホンアンプ自体の市場が成熟していないということもあるのだろうが、全体として導入効果に比べ価格が高すぎる。HD53だってスピーカー出力やLEDなどの無駄を削ぎ落として、音質向上に専念するか、そのままの音質で価格を下げるかするべきではないかと思う。そうすればエントリーモデルとして確実に定番化するはずだ。

投稿者 黒川鍵司 : 11:43 | コメント (0) | トラックバック

2005年1月26日

K26P

 まず、言い訳からはじめる。

--
■その1
 昨日、帰宅の電車の中で、SENNHEISER PX200をつけた初老の男性を見かけた。手にはクラシックコンサートの日程が細々とかかれた冊子。「さすが」と感嘆。

■その2
 今日、職場の仲の良い上司がE2cを購入。装着方法を教えてあげると「聴いてみたら?」とありがたいお誘い。早速、試聴。スポンジの方を使う。遮音性抜群。というかこれつけて街をあるいたら事故にあうに違いない。音のほうは、まだ鳴らし始めで、雑味があるけれど、良くなりそうな予感がする音。

■その3
 先日、ちょっと気が滅入ることがあった。
--

 ということで、帰りにいつもの電気店へ。電車の中でつけられる密閉型のヘッドホンが欲しいので。SENNHEISERやAKGの大型の密閉型ヘッドホンを試してみる。「K240Sは半密閉ということだけど、音漏れはそれほどないようだなぁ」などと試している姿を鏡で見てしまった。
「に、にあわない」
 スーツにハウジングの大きなヘッドホン。顔の濃い目の男性なら似合うかもしれないが、私にはまったく似合わない。

 失意にくれて、向かいのイヤホンなどが並ぶコーナーへ。
「やっぱりPX200かなぁ」などと思いつつ、レジの後ろの在庫を見るとAKGのK26Pが!

 試聴コーナーには並んでいない。付け心地が気になる。そして値段も気になる。
 値段を確かめた。PX200より安かった。気がつくと購入していた。

k24p_k26p.jpg

 というわけでエージングもなく感想をまとめる。

 まず、外装のケースが圧着されていて、とてつもなく開けづらい。海外の製品には往々にしてあるパターンだがハサミなどがないと、綺麗に空けることはできないだろう。

 音のほうだが、見た目に似合わず驚くほど低い音が出る。いつもどおりiPodで伊福部昭 米寿記念演奏会 完全ライヴ!からシンフォニア・タプカーラを聴いたのだが、第三楽章の冒頭であまりの低音の量に身体がびくついたほどである。この低音、よくあるドンドコの重低音とはちょっと違う。「豊かな低音」という表現が合うかもしれない。こういう低音は好きである。それと引き換えなのか中高音は丸まった感じがする。これがエージングで締まればかなり良い音だといえるだろう。

 インナー式でエージングなんて信じられないのだけど使用中のMX500は購入当初よりも、音の位置関係、明確さが、どう考えても上がっている。それに比べるとK26Pは今のところ、上記の丸まった感じのために位置も明確さもかけている。この時点でエージング後のMX500に勝っているのは、音の遠近感、広がりだろう。これはこの大きさにしてはかなりのものに思える。

 能率が良いようで、iPodのボリュームを中ほどより少し下にしても結構大きな音が聴こえる。そうなると音漏れが心配だが、手でふさいで、ならしてみると、問題なさそうである。耳につけて、ちょっと大きいと思える打楽器の音がしても、周囲の人たちは何もなかった顔をしていたので、心配ないとおもう。

 装着感は人様々だとおもうが、私にとってはPX200よりも安定が良い。側圧が強いが、これも音漏れ防止と位置固定に役立っていると思えば、ありがたいくらいだ。また、装着した姿だが、前述の大きなハウジングのヘッドホンに比べれば、遥かに車内になじむ。サラリーマン姿でもそれほどおかしくはないだろう。

 こう書いている間にも、少しずつではあるが高音部に音質の変化が始まっているように感じる。エージング過程が楽しみである。

投稿者 黒川鍵司 : 21:39 | コメント (9) | トラックバック

2005年1月21日

ATH-A900

 本人の手元にも届いたので、贈ったものを明かしてもいいだろう。

audio-technica ATH-A900 アートモニターヘッドホン

audio-technica ATH-A900 アートモニターヘッドホン

 密閉型を聞き比べたとき、リストアップした条件を満たしていたものの一つが、このA900だった。問題はHD-25と同様に金額で、そのため前回はATH-A500を第一候補としたわけだ。しかし、このA500も試聴スペースで聴く限り、低音に癖があるように思えた。バスドラの音が出ると、頭の中心がうずくような不快感を感じるのだ。この点さえなければ、なにも悩まないのだが。

 帰宅後、ちょっとネット調べてみると、ありがたいもので、A500の一般的な小売価格に、居酒屋でちょっと飲んだくらいの金額を足せばA900を購入できるお店が見つかった。それも期間限定。というわけで早速注文し、あっという間に届いた次第。

 受け取られた方も「良い音だ」と喜んでくれ、「ああ、やはり音質については妥協しなくて良かった」と胸を撫で下ろした。

 では、なにを妥協したのか、ということだが、本当は欧州メーカーにしたかったのだ。これは半ば無意味なこだわりにすぎないのだが、日本のスタジオで標準とされる900STに不満を持つ人に、海外のヘッドホンを紹介したかったという一面もあった。なので金額、装着感、そして音でAKG K171Sをと思ったが、どうもラウドなロックにはあわず断念した。これはK241Sとともに次回の自分のための購入候補とする。頑張って稼ごう。

投稿者 黒川鍵司 : 13:50 | コメント (2) | トラックバック

2005年1月17日

悩ましいプレゼント選び

 友人の成人式&就職祝いにプレゼントを贈る気になった。何を送るかというとヘッドホンだ。「いいかげんにしろ」という声が聞こえてきそうだが、彼女は購入したMP3プレーヤー付属のイヤホンが気に入っていないということで、このプレゼントが決まった次第。別に僕のわがままで贈りつけるわけじゃない。

 ちなみに彼女は音響系の専門学校に通っていて、その系の進路も決まった人物である。そうなると下手なヘッドホンは贈れない。適当に外見だけで選んでしまったら、私の愚耳を露呈する結果となってしまうのだ。そういうわけで、音の好みを聞いてみたところ、学校のお薦めで購入したソニーのMDR-CD900STはあまり好きではないとのこと。

 CD900STは、音楽の作成現場で非常に評価されているヘッドホンだと聞いていた。それをあまり好きではないとなると、結構癖のある音が好きなのだろうか、とも思うのだが、実は私はCD900STの音をまともに聴いたことがない。とにかく聴いてみなくては好みの方向も何もわからない。学校で使っていたわけだから、エージングも十分な状態と思われる。ならば試聴スペースで聴いても、彼女が聴いている音と似たものが聴けるはず。ということで、あるお店の試聴コーナーに行ってみた。

 空いていたのをいいことに7〜8分聞いてみたのだが、彼女が好きでないという理由がちょっとわかった気がした。このヘッドホンには、高倍率の拡大鏡で地図を懸命に覗き込んでいるような印象を受ける。音の広がりはあまり感じられず、とにかく音の輪郭がくっきりしている。音楽を楽しむためのヘッドホンではない。むしろ音の形を見るためのヘッドホンだ。音そのものに対してのマニアなら、耳が痛くなるとしても、このヘッドホンは宝物だろうが、音楽を楽しみたい人間には、おそらく1時間もたずに疲れきってしまうヘッドホンだ。

 なんとなく彼女が求めている方向がわかった。音ではなくて音楽を楽しませてくれるヘッドホンがほしいのだろう。それ以外にもいくつか条件がある。どうせだから全てまとめよう。

・音ではなく音楽を楽しませてくれるもの
・聴く音楽はロック(メロコアやオルタネイティブが多い模様)
・外(電車内など)でも聞くので遮音性&音漏れ防止性があるもの
・見た目はあまり気を使わない

 ということでおのずと密閉型、もしくはインイヤー、インナーイヤーということになる。

 適当にめぼしをつけて試聴してみた。

ゼンハイザー ヘッドホン ダイナミッククローズド型 PX200

ゼンハイザー ヘッドホン ダイナミッククローズド型 PX200

 第一候補。SENNHEISER主義者の私としても薦めたかった......のだが、付けてみると、そうではなくなった。まず、付けてみると安定が悪い。これは私が頭がでかいということもあると思われるが、ちょっと強めに頭を振ると、外れてしまいそうになる。これでは満員電車で揺られたときには、どこかに飛んでってしまうだろう。音自体は悪くないが抜けがちょっと悪い。これは薦めたくなくなった。

ゼンハイザー ヘッドホン 折りたたみ式オープンエアモデル PX100

ゼンハイザー ヘッドホン 折りたたみ式オープンエアモデル PX100

 PX200の横にあったのでつけてみたが、こっちの方が安定感も、音もいい。これで密閉型であれば、決まりだったのだが......。

 ちなみにAKG K24Pもあったので聴いてみたら、これもいい。PX100よりもいいかもしれない。これで密閉型なら......(しつこい)。ちなみにK26Pは、その場になかったので聴いていない。もしかしたら第一候補になりえるものであるため、ちょっと惜しい。K24Pの音質からするとインイヤー式のK14Pも期待できるかもしれない。う〜ん、次回、自分用に買ってしまおうかしら。

 と脱線しつつも試聴は進む。

ゼンハイザー ヘッドホン ダイナミック式クローズドタイプ HD-25

ゼンハイザー ヘッドホン ダイナミック式クローズドタイプ HD-25

 上記条件を完全に満たしている。低音も勢いがあるし、中高音も綺麗だ。5分くらい聞いてみたが、まったく疲れず楽しんで聴ける。そしてSENNHEISER主義者の私としても自尊心を満足できる。しかし、値段が......。

AKG K171S

 付け心地はHD-25に似ている。試聴スペースのものなので側圧やらアジャストの機構やらが多少緩んでいるのだが、これが逆に使いやすい。新規だともしかしたらずり上がってきてしまうだろうか。値段も悪くはない。音質も良いのだが、一般的にロック向きではないとされている。でも、これは悪くない。こんどiPodでハードなものを試聴してみよう。というわけでこれは評価を保留。

 う〜ん、難しい。やはり、海外メーカーにこだわらずオーディオテクニカも試してみるか。

audio-technica ATH-PRO5 ヘッドホン

audio-technica ATH-PRO5 ヘッドホン

 このヘッドホンは意外と街でかけている女性を見かける。ごついけれど、まあ、スタイルとしては悪くない。かけてみるが、私の耳の形に合わない。これは10分すると痛くなるタイプだ。音は評判どおりの重低音メーン。たしかに、特定の音楽には向いているかもしれないが、これでボーカルメーンの音楽を聞くのはつらそうだ。

audio-technica ATH-A500 アートモニターヘッドホン

audio-technica ATH-A500 アートモニターヘッドホン

 PRO5の後だから余計に感じるかもしれないが、装着感が良い。でも、このウィングサポートは乱暴に頭から外すと髪の毛が引っかかったりする。もちろん、そんなことしなければいいのだが。音は値段以上だと思う。たしかに900と比べれば、落ちるのは明らかだが、良いヘッドホンだというイメージはもつことができる。K171Sがポータブルでつらければ、これが第一候補といえそうだ。

 残るはイヤホン系だろう。MX500もしくは先ほどのK14Pが候補だろう。しかし、この二つとも遮音性が皆無である。私はそれが好きで使っている(電車のアナウンスも聞こえるし、話し掛けられても外さずに済む)わけだが、彼女は違うと思う。そうなるとカナル式だが、私はAppleのカナル式しか試したことがない。評判ではE2c、E3cだろうが、あの装着方法はどうも納得いかない。しばらく、悩もうと思う。

投稿者 黒川鍵司 : 20:22 | コメント (3) | トラックバック

2005年1月12日

その後のAIWA HP-X122

 HD580CD5400専用となっておりますが、HP-X122の方はiBookに接続され、iTunesでのエンコードチェックなどに使用されています。音の変化ですが、低音のぼうっと感が多少取れ、高音も少し落ち着きました。お陰で今まで引っ込んでいた中音域がちょっとだけ前に出てきて、音の位置も多少改善されました。エージングというものが、やっと実感できました。

 といっても遠近感はなく、音の位置だけがわかるという具合です。当然、立体感はありません。それでも、エンコード時の曲のつながり、音の出具合などのチェックには十分ですし、リスニングもできる、というより夢中になってしまう瞬間すらあります。

 比べるのは非常識なのでしょうが、HD580がおじいちゃんの部屋にあった、やけに豪華な古いステレオセットで初めて聴いたクラシックのレコードの音だとすると、HP-X122は学生の頃に耳を傾けていたモノラルAMラジオという具合です。

 HD580は音の広がり、位置、奥行きというものが、ぱっと目の前に広がっていくような感覚を味あわせてくれます。それにたいしてHP-X122をモノラルAMラジオと表現してしまうと「音質が悪い」という意味だと取られてしまうかもしれません。しかし、それだけの意味でこの表現を使っているのではありません。私ぐらいの年代にとって、音楽というものを意識して聞くようになったのは、学生の頃のAMラジオからではないでしょうか。深夜、わくわくしながら番組の開始を待ったり、ふと流れてきた曲に手を止めたり、そんな思い出がある人が多いのではないでしょうか

 HP-X122から流れてくる音は、いわゆるドンシャリ(低音と高音が強調されていること)で、立体感、解像度も低いのですが、あの頃のAMラジオを聞いていたときのような、自分の音楽に対する態度が形成されていく頃に聴いた気がする音だと思います。勢いのある、熱さのある、時には夢中になってしまう音とでも言えばいいのでしょうか。それが、このヘッドホンを高評価に導き、その音をして「たのしい」と表現させるのではないかと思います。

 比喩表現が誤解を与えるといけないので付け加えますが、もちろんHP-X122の音はモノラルAMラジオそのものの音ではありません。ステレオですし、そのクオリティも実勢価格以上のものです。1万円は言いすぎだと思いますが、4千円くらいの価値は十分にあるヘッドホンだと言えるでしょう。

投稿者 黒川鍵司 : 13:02 | コメント (0) | トラックバック

2005年1月 5日

marantz CD5400+SENNHEISER HD580

 やってしまいました。marantz CD5400SENNHEISER HD580を買ってきてしまいました。店頭価格では結構な値段だったのですが、合わせ買いということで価格交渉。片手で買える値段になったので即決しました。ネットで買ってもそれくらいで買えるのですが、持ち帰り可という点に引かれてしまって。ヘッドホンだけ買っても良かったのですが、流石に、このレベルのヘッドホンをiPodではもったいないので安いながらも、それなりの単体CDプレーヤーを買った次第です。

 さて、早速聴いてみました。エージングなんてありませんし、ヘッドフォンアンプもないのでCD5400のヘッドフォン端子にHD580を突っ込んだだけです。聴くのはもちろん伊福部昭 米寿記念演奏会 完全ライヴ!からシンフォニア・タプカーラ。

 今までとははっきり異なります。管楽器奏者の息遣い、奥でなる金属音まで聴き取れ、観客の動静まで伝わってきます。凄まじい解像度です。すばらしいのは中〜高音の伸び。管楽器、弦楽器が活き活きと響き渡ります。かといって低音が弱いわけではなく、優しいときは包み込むように、激しいときは雷鳴のように耳に迫ります。
 今回の組み合わせで、いつもはちょっとだれてしまう第2楽章の美しさを、再発見しました。こんなに綺麗だったんですね。また、第3楽章も単に激しく勇壮なだけでなく、ユーモアや楽しさも引き出されます。立体感というよりも、音像というものが頭の中に出来上がる感じといえばいいのでしょうか。イマジネーションそのものが刺激されているのでしょうか。鳴っている楽器の大きさや材質まで見えてくるような気がします。それによって残念なことにも気がついてしまいました。このアルバムの録音がすばらしいとはいえないことが、如実にわかってしまうのです。演奏そのものは最高なのですが、会場の音響がどうも良くないようです。

 この後エージングが進むとさらに様々なことが聞き取れるようになるのでしょうか。そしてヘッドホンアンプが加わればさらになのでしょうか。恐ろしくも、期待してしまいます。

 さて、こうしてヘッドホンに凝ってくるとオーディオマニアに、なぜクラシック好きが多いのかがわかってきました。他の音楽に比べて、圧倒的に音そのものの種類と動きが多いのです。なので、良い機材で聴けば聴くほど、それがわかって楽しいのだとおもいます。作成する側もそれがわかっているからだと思いますが、全般的に録音そのものにも気が使われているのがわかります。どこかの国のポップのように、平板で音量ばかりでかい録音では、機材にこだわっても楽しくないでしょう。
 私もこれからクラシックの名盤CDを集めてしまうかもしれません。でも、その前にヘッドホンアンプかな。

 いかん。完全にはまり始めている......。

投稿者 黒川鍵司 : 23:15 | コメント (8) | トラックバック

2005年1月 3日

AIWA HP-X122

 ここのところヘッドホンマニアづいてますが、今日はスーパーで食材を買うついでに、近所の大型電気店でこれを買ってきました。
AIWA HP-X122 密閉型ヘッドホン

AIWA HP-X122 密閉型ヘッドホン

 先日のヘッドホンナビ [HEADPHONES-NAVI]でも、イイ!ヘッドホン![e-HEADPHONE]でも、最低価格帯で最も良いヘッドホンとされているものです。1550円でしたので、前回のMX500にくらべても900円安いですね。

 なんで買ったのかといいますと、この値段で褒められるヘッドホンを試してみたかったというのもあるのですが、実は、ここ3年くらい1月後半か2月の初めに北関東のお寺で早朝からお祭りのお手伝いをしているのです。当然ながら半端なく寒いんです。そのときの耳あての代わりになればという......。

 ま、そんなよこしまな理由はさておき感想です(音源はiPodなのでインプレッションなんて大したものじゃないです。チープオーディオどころじゃないですよね。当然、エージングも何もあったもんじゃないです)。

 見た目は明らかに安っぽく(実際安いんですけど)、音楽を流しながら、アジャストするとバネの音が聞こえてきたりします。装着感もお世辞にもいいとは言いかねます。あんまり長時間していると耳が痛くなりそうな感じです。遮音性はそれなりにあって、いかにもヘッドホンをつけているという気がします。数時間、耳あての代わりにするには問題なさそうです(笑)。

 前回同様、伊福部昭 米寿記念演奏会 完全ライヴ!からシンフォニア・タプカーラを聴いてみました。この金額のヘッドホンでクラシックというのは酷だと思ったのですが、あくまで比較としてです。

 音ですが、驚くほど低音が強調されます。しかし、MX500のような風圧は感じません。その低音が、ぼうっとした重低音であるからです。ぼうっとは言っても気持ちの悪い低音ではないので、これはこれで楽しめます。密閉型なのに、私の嫌いなこもりがなく中高音もそれなりに出ています。ただ、低音が強調されるせいで、中高音のみの演奏になった瞬間に寂しさを感じるのも事実です。

 立体感には乏しいのですが、各音の聞き分けはできなくもないです。遠近感なく、全ての音が似た距離感で元気良くなっているという感じです。繊細な表現を聞き取るということは、おそらく不可能でしょう。

 ハードめなロックなどの電気的な音の音楽を聴いてみると、上記傾向は基本的に良い方向に作用して楽しめます。録音の悪いポップスの類などでは、なおいっそう良く思えるのではないかと思います。
 でも、ちょっとベースが強調されすぎかな。

 金額を考慮すると、すごく良くできていると思います。各サイトでの好評も理解できます。ちゃんと音楽を聴くことのできるヘッドホンです。
 でも、インナー式の癖にあれだけの立体感と解像度を持ってるMX500ってやっぱりすごいなぁ、と見直したりもしちゃったりして。

投稿者 黒川鍵司 : 15:52 | コメント (0) | トラックバック

2004年12月29日

SENNHEISER MX500

 一人暮らしを始めた年にオーディオテクニカのATH-AD7を買った。前情報は何もなく、ふと立ち寄ったオーディオ店で、自分の耳だけを頼りにして買ったヘッドホンだった。それまで使っていた3000円台のヘッドホンとは、高音の抜け具合も、低音の広がりも全て違って、音に包まれているような気分にさせてくれたし、つけ心地もよく、その場で購入を決めた。もちろん、それ以上の音のヘッドホンはいくつもあって上を見ればきりがなかったのだけど、自分の財布とも相談するとAD7以外なかった。

 ずいぶん使い込んで、iPodを購入してからも、自宅ではAD7で聴いていた。本来ならいつでもこのヘッドホンでiPodを聴いていたいのだけど、開放型なので外では音漏れが気になるし、それ以上に大型ヘッドホンは目立つし、そしてかさばる。それで外ではアップル純正のインイヤー式ヘッドホンを使ってきた。いわゆるカナル式(耳に押し込むタイプ)は初めてだったが、まあ、悪くない音だったし、それにインナー式のヘッドホンに音質を求めるほうが間違っていると思っていたので、疑問なく使っていた。ShureのE2cE3cを知ってはいたけれど、試聴もできないし、値段もこのタイプにしては高すぎる気がして買う気にならなかった。

 そうこうするうちに室内用のAD7の左側が聴こえなくなってしまった。ずいぶん使って来たし、乱暴な扱いだったから断線してしまったのだろう。買い替えようと思ったが、調べてみると、AD7はもう販売されていない。ヘッドホンナビ [HEADPHONES-NAVI]で調べてみると、後継機としてATH-AD700が出ている。AD7を使ってきた身としては、オーディオテクニカに愛着があるようで、このATH-AD700か、もしくは密閉型のA900を買おうと何となく決めていた。もっと上位のものを、とも思うが先立つものが問題だ。

 先日、会社の昼休みにふらりとヨドバシカメラに寄った。ヘッドホンの試聴コーナーがあり、該当の2機種もあった。さっそくかけてみた。どうも私の耳はすっかり開放型のヘッドホンに慣れてしまったようで、密閉型だと文字通り、音が密閉されてしまったように感じてしまう。AD700は後継機だけあって耳にあう。それ以外のメーカーも試してみたが、やはり開放型の方が、その音の抜けのよさで評価が高くなる。

 そんな楽しい試聴をしていても、その場で購入できるほどの余裕も勢いもなく、帰ろうとしたとき、インナー式のコーナーが目に入った。さらっとひやかしてみると、先ほどのヘッドホンナビ [HEADPHONES-NAVI]で好評を得ていたSENNHEISER MX500が大量に置かれていることに気がついた。値段は2450円。今すぐ買える金額だし、たとえ外れでも、居酒屋にでもいったと考えれば、まあ、我慢できる金額だ。というわけで買ってみた。

 さっそくiPodに取り付けてみる。かけるのは伊福部昭 米寿記念演奏会 完全ライヴ!からシンフォニア・タプカーラ。

 まったく驚いた。いままでのカナル式、もしくはiPod付属のヘッドホンとは比べ物にならない音の良さである。打楽器の音圧は風圧とも思えるほど。それ以外でも低音から中音は、インナー式とは思えないほどの存在感のある音で、いままでのアップル純正のヘッドホンでは聴こえてこなかった音がクリアに聴こえる。この手のタイプにありがちなこもりもない。難癖をつけるとしたら高音の伸びだが、これだって他の多くのインナー式ヘッドフォンから見れば十分なものだろう。その後、いろいろな曲で試したみたが、音の幅が広い曲であるほど、差が歴然となる傾向があるようだ。これだけの音で、この値段で、インナー式というのはまったくもってありがたい。また、音だけでなく、ケーブル途中にあるスライドボリュームも、私のようなリモコンなしのiPodを使ってる人間には、非常に便利だ。おかげで本体をポケットから出す回数が減った。

 欠点があるとすれば、iPodに似合わない、その色と姿だろうか。iPodユーザには見た目を気にして、もしくは、iPodを所持していることを明示するために付属のヘッドホンを使い続ける人が多くいる。それを考えると、これは致命的なのかもしれない。しかし、音にこだわるのであれば、MX500は間違いなくiPodの良き伴侶となるだろう。おすすめである。

投稿者 黒川鍵司 : 23:40 | コメント (0) | トラックバック